スクールソーシャルワーカーの仕事って?

近年、日本国内では18歳以下の児童や生徒の中で、いろいろな悩みや困難を抱えている子どもたちがたくさん増えてきています。

勉強などの教育面での悩み以上に、学校での人間関係(いじめ等)や家庭環境(虐待・貧困など)の問題、また本人やご家族の病気や障害の問題など、様々な背景によって、不登校になってしまったり、転退学を繰り返したり、さらには自傷行為などによって自分を傷つけてしまうなど、その現れ方は様々ですが、教員では対応しきれない問題が学校現場で顕在化しています。

そうした中で、今、福祉の専門職としてスクールソーシャルワーカー(以下、SSW) の方々が教育現場で活躍していることから、1月7日のソーシャルワークの理論と方法の授業の中で、現場で活躍されているSSWのAさん(女性)※にご登壇頂きました。
※以下でご紹介する事例の匿名性を確保するため、お名前は伏せさせて頂きます。

最初に、Aさんの学生時代から今日までの自己紹介を伺ったあと、SSWの仕事として、①問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働きかけ、②関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整、③学校内におけるチーム体系の構築、支援、④保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供、⑤教職員等への研修活動等があることなどを説明して頂き、業務の理解を深めました。そのあとは、Aさんが担当された事例をもとに、Let’s Thinking!ということで、受講している学生がこのケースの「本人面談を受け付けるとしたら、どういうことに気を付けるか」、さらに「本人からの訴えに対してどう対応するか」など実践的な授業を行いました。

ここではその事例の具体的な紹介はできないのですが、児童養護施設に入所している高校3年生の女子生徒さんのケースで、色々な問題があった中、Aさんの支援で高校を無事卒業して、自立援助ホーム※に入居するとともに就職が決まった事例でした。高校の卒業・就職という結果のみならず、その過程でのAさんの生徒さんに寄り添った支援もあってAさんとの最後の面談では「今は無理だけどいつかお金を貯めて、福祉系の大学に入学してAさんのようなソーシャルワーカーになるのが夢です!」という会話があったそうです。
※自立援助ホーム:義務教育終了後(15歳以降)の家庭の事情や施設退所などで自立せざるを得ない若者が、共同生活を送りながら経済的・精神的な自立を目指すための住まいと支援を提供する施設

そして、7年後。その生徒さんから大学を無事卒業できたこと、社会福祉士と精神保健福祉士のどちらも資格が取れたことの報告があったということです!

学生の授業後のリアクションペーパーでも、Aさんのお人柄(魅力)に触れるコメントとともに、福祉の仕事は、人の人生にかかわる重要な仕事であること、改めて仕事の魅力と醍醐味を感じたというコメントが多く寄せられました。福祉の支援の成果は、すぐには見えない・わからないこともありますが、支援が必要な人に寄り添う仕事の意義を私も改めて実感しました。(福祉社会学科教員 北本佳子)