授業紹介⑧「社会福祉の原理と政策」

 本日は「社会福祉の原理と政策」の授業紹介です。

 この科目は、社会福祉士・精神保健福祉士・保育士の国家資格の指定科目として配置されています。
主な内容は、社会福祉学の原理や理論、政策などを学びます。従来の「社会福祉概論」や「社会福祉原論」の位置づけでもあり、「社会福祉とは何か」を学びます。
 そのために、社会福祉の原理をめぐる思想や哲学、理論を学び、社会福祉の歴史的展開の過程と社会福祉の理論を踏まえ、欧米との比較によって日本の社会福祉の特性を理解します。また、社会問題と社会構造の関係の視点から、現代の社会問題について理解します。
 通年開講される授業全体を通して、社会福祉の価値や制度・政策、援助体系などに関する基礎的な知識を学び、社会福祉に関する総合的な理解を深めることがねらいとなります。

 以上のように、抽象的な理論や思想がとても多く登場するため、受講している1年生からは頭が混乱するとよく言われます(笑)。
 その中でも日本の社会福祉の歴史的な展開を学んだ時は、「高校の歴史の授業で聞いたことがある人物も出てきたが、日本や海外の歴史を福祉の視点でみることができて新鮮だった」「今まで歴史を学ぶ時は、起こった出来事しか見ていなかったので、社会福祉の歴史を学び、その政策の理由やそれによってどのような影響があるのかについても理解していきたい」など、高校までの学習を新たな視点で振り返り、理解を深め、歴史から福祉を学ぶ意義を考察していました。
 授業では新聞記事等を活用し、日本における現代の福祉的課題を各自で調べてグループディスカッションを行う時間を設けました。グループメンバーとの意見交換では、「お互いに違うテーマを持ち寄って多様な視点で議論ができた」「日本の現状や課題、各自の考察、新しい考えなどが共有できて良かった」などの感想がありました。
 半期の授業を受講した1年生からは、「社会福祉士の資格取得を目指して履修しました。難しい授業もありましたが、福祉の歴史など新しく学ぶことばかりで、毎回興味を持って授業に参加しました」と感想を寄せてくれました。
 社会福祉を学ぶ第一歩として、大学1年生から専門的な学習が始まりますが、「社会福祉学」という学問について一緒に考えてみる機会として、ぜひ積極的に授業に参加していただけると嬉しいです。(教員 李)