今日は「社会福祉調査の基礎」という授業について紹介します。
この授業の目的は、個人や社会の事象についての調査を理解し、得られた結果に対し一般的な規則性を見出し、必要に応じて取るべき行動を定めようとする能力の開拓とそれを可能とする基礎的な知識と具体的な方法の習得にあります。
現代の社会福祉をはじめとした専門分野では、人々のニーズ把握やその解決策について具体的な行動や試みを提案するための「科学的なエビデンス」が求められています。
これまでは経験上から見出された結論により、ニーズ把握や解決策を導くということが広く実践されてきましたが、経験のみではなく、そこに具体的な「科学的根拠」を加えて、より多くの人々に対する「一般化」を目指すことは包括的な社会を構築する上で必要になります。
この授業では、社会調査における基本的な知識と具体的な調査方法を学び、社会福祉分野にて、社会調査がどのように活用されるべきか、その結果をどのように個人に提示し生活上の課題を解決すべきか、さらには社会に提示し日本が目指す共生社会の実現にどのように向かうべきかを学んでいきます。
単語として「社会調査」と聞くと、なんとなく難しいようなイメージを持たれがちですが、福祉専門職であっても、人が人を支援する上で根拠のない結論を相手に提示することは無責任であると考えます。そのため、具体的な根拠を提示できる能力を持つことは、他者からの信頼を勝ち得る作業でもあることを理解し、皆さんと共に学んでいきたいと思います。