授業紹介 「女性に対する支援と福祉施策」で母娘関係を考えました

現在、4つの国家資格養成をしている福祉社会学科は大多数が資格必修科目となります。
そのなかで数少ない学科独自の科目のひとつが「女性に対する支援と福祉施策」です。
例年、福祉社会学科の1年生が多いですが、他学年、他学科からの履修もあります。

前回は母娘関係について複数の著作のある信田さよ子による母と娘についての文章をもとに、歴史をたどり、問題の背景、解決の方法を探りました。

そのうえで、娘が母を批判的主体にするのはなぜか、問題の根底にあるものを考えました。
最も多かった回答は、自分の夢を娘が実現するよう期待をかけすぎる、期待にこたえられないと(母は)裏切り、失望ととらえる、という依存と支配の関係性でした。
母の母も毒親であった、母が世界の中心で母の言うことが絶対である、自他との区別があいまいで同化し、娘を母の所有物として扱うという記述もありました。

非対称的な力関係、家族における権力構造がもたらす支配性は母娘関係、DV、虐待でも同じことが起こっています。
次回以降の授業でもDV、虐待、依存症、障害、貧困、LGBTQなど女性の生きづらさについて考えていきます。

授業担当 川﨑愛