魚沼での国内社会調査研修を振り返って 【教員編】 [2017年11月05日(日)]

後期の授業の開始や、学寮・AO入試・オープンキャンパスなどのイベントで、あっという間にもう1か月半以上も前のこととなってしまいましたが、現代教養学科では、9月12日(火)~9月15日(金)の3泊4日で、新潟県魚沼市にて、国内社会調査研修を行いました。普段は、学生が執筆することの多い、学科ブログですが、今回は、研修を担当した教員の天笠が、企画した当時の思いも含めて、少し長文になりますが、研修を振り返ってみようと思います。学科の学びについて少し突っ込んだお話しが知りたい方は是非ご一読を。

調査のフィールドの一つ。魚沼市福山新田地区。

出発前の投稿でもご紹介した通り、今回の研修のテーマは「地方の魅力を発見・発信する」でした。

これまでの学科研修ではあまり活用して来なかった一眼カメラやビデオカメラなどを使って、魚沼の魅力を取材・調査する。そして、それをポスターや映像作品に落とし込み、協力をしてくれた方にお礼としてお渡しし、あわよくば地域のPRに活用していただく。デザインや映像編集自体は現代教養学科のずばりの専門ではありませんが、学生たちは、お世話になったみなさんにしっかりとしたお礼を残そうと、夜なべをして、編集作業を頑張ってくれました。苦労を共にしたチームの仲間同士も、学年を跨ぎ、仲を深めることが出来たようでそれも、成果の一つだったと思います。

 

小出地区での取材・調査の様子

 

福山新田地区での調査・取材の様子

 

宿泊場所での編集作業。

※ 出来上がったポスターや映像は、協力してくれた方々の許可が取れ次第、
こちらでも公開させていただければと思います。

 

指導をする教員としても、取り組んだ学生としても、ただ社会調査だけを行うのではなく、カメラやビデオを活用し、現地にポスターや映像などの研修の成果を残してくるのは、労力的にはとても大変な作業でした。それでも、写真・映像を活用した「アウトプット」にこだわったのは、以下の2つの思いからでした。

1つ目は、学生たちが、都会に暮らす自分の生活や環境を見直すしっかりとした機会を作りたかったからです。

自分の生活を理解することは実は社会学の基本なのですが、当たり前すぎて、ちゃんと理解するのは難しい。比較になる対象がないと見えてこないのです。ただ比較対象となる「他の人の生活」も、きちんとした「目」がないとどこを注目して見てよいのもかわかりません。ここに社会を学ぶ上での、最初の困難が存在します。

 

何に注目をして、何をフレームに収めるのか。無意識を意識的に。

 

映像や写真で記録をとり、それをメッセージとして編集するという流れの中には、実はこの困難を飛び越える上での、重要な作業が存在しています。それは、自分たちが見たもの・聞いたことの意味を何度も見て、何度も考え、それを全体のストーリーの中に落とし込む作業です。通常の調査では現場で「見えた」ものしか見えないのが、記録を取りそれを編集しようとすることで、持ち帰って何度でもその意味を考え続けることが出来ます。これは、「他の人の生活」を理解し、ひいては「自分たちの生活・社会」のことを理解するための大切な訓練になります。(このブログに掲載した学生の振り返りにも、そのような「理解」の流れがよく表れているようにも思います)

もう1つは「奪うだけの調査」をしたくなかった。という思いです。実は今回、研修を行った魚沼は、担当教員の天笠が、大学生のころからお世話になっている地域です。地域の方につない頂いたご縁のおかげで、この研修を実現できました。そして、昔からのご縁だけでなく、これをきっかけに知り合った方々にも、たくさんのご支援を頂き、学生たちにとっても、素晴らしい経験となる有意義な研修を行うことが出来ました。

調査は「知る」ことを、第一の目的とするため、その対象となる人にとってはどうしても「奪うもの」になりがちです。ただ、お世話になった方々だからこそ、しっかりお返しをしたい。互いに笑顔で調査を終えたい。だからこそ、地元の方も気づいてないような「魅力」を発見すること。そして、研修中にその見つけた魅力を発表してくることにこだわりました。

 

魚沼市 小出庁舎での成果発表会の様子

 

福山新田地区での発表会の様子。

 

発表後の懇親会で、学生たちと地域の方々が笑顔でお話しされているのを見て、この思いの一部でも実現することが出来たかなと思っています。

 

福山地区での報告会の後の懇親会の様子

 

メディアは、他者にメッセージを伝えるための道具です。ただし、その作り手に回ったとき、それは他者を理解し、そして自らも理解し、その感謝を伝えるための道具にもなります。今回の研修を通じて、参加してくれたメンバーたちが、その一端でも感じてくれたら、そんなにうれしいことはありません。

最後になりますが、今回の研修にご協力いただいた、魚沼市役所、魚沼職人大學、小出商工会青年部、小出地区、福山新田地区のみなさま。ネットですので、あえて個人名を出すことは控えさせていただきますが、本当に、本当にありがとうございました。改めまして、今後とも、よろしくお願いします。

 

福山新田地区での記念写真。

 

小出地区での記念写真

 

佐藤雅一 魚沼市長へ表敬訪問もさせて頂きました。お忙しい中、ありがとうございました。