私はミュージカルや舞台、コンサートなど、現場で鑑賞し、空気を感じることが好きだ。
また、行った時に貰えるフライヤーの束は、私に夢を与えてくれる。
今回は福田先生よりご紹介いただき、渋谷の東急シアターオーブで上演されたミュージカル「エビータ」を鑑賞した。
1978年初演時のオリジナル演出版として、遂に初来日を果たした。
【ロビーに立てかけられた巨大ポスター】
「エビータ」の愛称で親しまれた、アルゼンチン大統領夫人であったエヴァ・ペロンの人生に関する物語である。貧しい生活を過ごしていたエヴァは、女優を志しブエノスアイレスへ。下積みののち、ラジオ女優として成功を収める。やがて、陸軍大佐であるホワン・ペロンと出会い、恋に落ち、共に政治での成功を目指していく。労働者階級から絶大な支持を集めた2人は、アルゼンチンを動かしていくことに。その中でエヴァは、貧困層を救う活動を繰り広げ、アルゼンチンの象徴として絶大な支持を集める存在となった。
1978年の初演以来、長きにわたり、世界中で上演されているこのミュージカル。時代が変わっても人々に愛されている理由は、素敵な音楽や演出はもちろんだが、一番はエヴァのリーダー像だと考える。
エヴァは終始、強い女性として描かれている。自分の意見をはっきり主張し、自分の手で上り詰めていく。自分の魅力という武器を遺憾なく発揮している。だけど憎めない。
女性の活躍が期待されるようになった今の時代に、力強くのし上がる女性リーダーの姿に憧れを持つ人は少なくないだろう。
自分を犠牲にしてでも弱い人を救う。等しく愛を与える。どんな圧力にも負けない。でも、時に弱さを見せる。そのすべてがとても魅力的に感じるのではないだろうか。
持つ権力は違えど、エヴァ=エビータの生きる姿に感動した。それを彩る他のキャストの皆さんや、音楽、舞台演出など全てが色濃く重なり合って、エビータの世界を創り上げていく。そして、それらが心を動かす迫力となる。
私は舞台『エビータ』から、たくさんのことを学び、感じることができた。やはり現場に行かないと分からないことがたくさんある。
舞台は一期一会。その回にしか観られないものがある。『エビータ』に限らず、一回限りの貴重なものを、皆さんもぜひ観に行ってみてはいかがでしょうか。
【ヒカリエのロビーの様子】
【ヒカリエからの夜景】
(シアターオーブでのエビータの上演は、7月29日に終了しています)
(4A 滝島)