【授業レポート】「現代都市論」から見つける都市のあり方 [2020年08月06日(木)]

こんにちは。3年の植草です。今回は鶴田佳子先生の「現代都市論」という授業についてご紹介します。この授業について簡単に説明すると、日本や世界の様々な都市のかたちや在り方を学び知識を増やすと共に、自分の思う「都市論」を見つけることが目標だと私は思います。この授業の好きな所は、鶴田先生が毎回色々な地域の都市についてお話して下さったり、自分達で調べることで世界が広がる気がする点です。何となく旅をしているような気分になれるかもしれません。

パブリックスペースを考える授業時のスライド

私が履修した2020年度前期の授業は、新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業の形で開講されました。この授業はプレゼンテーションや写真資料を多く使うので、遠くからプロジェクターで見るよりもPC画面でより間近に資料を見られましたし、チャットで気軽に先生へ質問ができるなど、対面の授業よりも壁を感じると言われるオンライン授業ですが、実はなかなか楽しく学べるスタイルだと思えました。

今期の現代都市論の授業で、発表や自分達で調べるもののテーマとして大きく取り上げられたものは以下の通りです。

①不特定多数の人が利用できる公共の空間「パブリックスペース」

②自分にとっての「居心地のいい場所」

③既存のものをより良いものに改める「リノベーション」と、廃校プロジェクトの活用提案

④東京の再開発、これからの東京について

私が作った資料の例をご紹介します。これからこの授業の履修を検討中の方はご参考程度にどうぞ!

Public Space 01

課題②「居心地のいい場所」のプレゼン資料

課題③廃校のリノベーションのプレゼン資料

【私の考える都市論】

私はこの授業で様々な都市のあり方や目的を学ぶことで、自分にとっての理想的な「都市論」を導き出しました。授業を通して見つけた私なりの「都市論」は「孤独ではないが、自分という1人の人間のある程度の身体的・心理的スペース確保が可能な状態」というものだと解釈しました。他者とコミュニケーションを取る場…他者との繋がりもありながら、自分なりに自由に過ごせる場…人それぞれが持つパーソナルスペースを物理的・心理的に保護できる空間が居心地の良い場所を実現できる場であり、私のイメージする理想的な都市像です。

【これから目指す都市像】

単に経済的に栄えた所や人が多い所ではなく、心を豊かにできる空間や空気感があるかどうかが大切だと思います。特にこれからの対コロナ時代では、あまり人が物理的に密集しない空間は勿論、家にいる時間が増えたことで自分と向き合う時間も増えたので、より心の健康のための場が求められてくると予想しました。

例えば、東京の魅力は圧倒的な経済的な面や利便性は勿論、自然にも文化にも手軽に触れられる点ですが、人が多く集まる場所だからこその課題もあります。

顕著なのが人の密集具合です。満員電車をはじめ地方の過疎化に繋がるなど「人が多すぎる」故に抱く不満や問題が多くあります。最近は政府の方針として、コロナ渦による在宅勤務の促進傾向から「必ずしも通勤し会社で働かなくても、オンラインでどこからでも仕事が可能である」と考え、人口の都市集中を緩和する計画が発表されました。

いつ実現できるかは分かりませんが、この課題が解決できれば地方から東京に来る人が従来よりも減り、地方の人口が増え最終的に地方活性化に繋がると予想します。家にいる時間が増えることで人の過密問題が軽減されるという予測から、個人個人のパーソナルプレイス(物理的かつ心理的)が確保でき、自分と向き合ったり、ゆったりと過ごせるような都市が実現できるのではないかと考えました。

また、格差問題や福祉的な問題にも目を向けたまちづくりが殊更求められると思います。エンタメ等で人々の楽しむ心を刺激するのも都市の魅力ではありますが、それだけでなく社会的意義=誰かの役に立つことも考慮すべき時代です。授業のグループワークの課題でも、廃校のリノベーションを活用する提案として、地域の特性をリサーチした上で社会福祉支援センターへの活用案を挙げていたグループがあり、印象に残ったのでご紹介します。

富多小リノベ提案

廃校を社会福祉支援センターにする提案のプレゼン資料

アイデンティティの多様化や、思想・表現等の自由促進的な時代が進んではいますが、障がい者の方への偏見は未だに残っていますし、そういった偏見によって障がい者の方々が被るアンフェアや働き方・生活のしやすさ等において格差が大きいというのが現状です。こういった社会の課題により目を向けて環境を作ることが、この先殊更求められるでしょう。私のグループを含めエンタメによる集客、経済活性化目的のリノベーション例が多かったのですが、これは娯楽を求める若い学生目線ならではの特徴なのかもしれないと気付きました。何かを作る時は多様な目線から考えなくてはいけないと心がけるきっかけにもなりました。

(3年 植草)