【授業紹介・マスメディアと現代社会】朝日新聞社の染谷学さんがご講演

現代教養学科2年生の徳田です。
先日、12/13(水)の「マスメディアと現代社会」の授業では、ゲスト講師として朝日新聞社の染谷学さんにご講演いただきました。染谷さんは記者、紙面の編集者などを経て、現在は朝日新聞の「声」の編集を担当されています。

朝日新聞社 染谷 学さん

今回の講演では、新聞の持つ力や新聞社の裏側についてお話いただきました。

まず、新聞にはバランスのとれた情報を得られる網羅性や、物事に対する見方に多様性をもたせられる力があると知りました。集団で議論をして意思決定を行うと、個人が意思決定を行うときよりもリスキーな選択をしたり、極端化する傾向があるため多様性を持たせることは重要な役割だといえます。さらに情報化が進む中でインターネットで自分が知りたい情報だけを見て満足するのではなく、知るべきことを知るために新聞の存在は今後も必要不可欠で、誰もが受け取れるという意味で公共圏の情報空間として存在していると分かりました。

近年、新聞はデジタル化したことで昔の記事や事故現場のデータ、人の成長など大量のデータを分かりやすくまとめられるという利点があります。さらに、インターネットでテーマに対して読者同士の討論を集めた意見を記事にしたり、SDGsや女性平等についてなど幅広いテーマを取り上げるなどさまざまな工夫があり、時代に合わせて新聞を変化させていることが伝わってきました。

また、新聞社はデジタル版においてPV(ページビュー:ウェブページが表示された数)、UU(ユニークユーザー:ウェブサイトに訪れた実人数)、CV (コンバージョン:記事を見た人が有料に手を出すか)の数で記事を把握・評価し、通勤通学の時間、昼休み、夕方など受け手が多い時間帯を狙って発信するなど、私たちの記事を読む行動や関心は読み取られていると知り、驚きました。データを活用することは新聞の利益を上げることにも繋がっていると考えることができ、新聞はジャーナリズムだけではなく、マスメディアとしての側面を持っていることを理解できました。

私は最近SNSで、自分好みの新しい情報を受け取るだけであった気がしています。染谷さんのお話を聞いて、新聞の力を知り、国民で意見を交換するきっかけを作っていると理解できたため、今後は自分から就活に向けて時事問題を知ったり、社会問題に対して自分の意見を持てるようにさまざまな問題に目を向けるようにしようと思いました。