授業紹介【ワークショップ技法】インクルーシブ社会を学ぶ

「ワークショップ技法」チームAの古越杏理です。「ワークショップ技法」は、受講生同士が互いに学び合う双方向型の授業です(担当教員:西川順子)。今月は授業のまとめとして、これまでの学習を元に学生がグループで企画したワークショップを順番に実践しています。

私たちチームAは包摂性のある社会への理解向上を目指してインクルーシブ体験ワークショップを企画し、1月12日金曜日の授業時間に開催しました。インクルーシブ社会とは、多様性を認め、すべての人が支え合いながらともに生活できる社会です。このワークショップでは、レゴブロックを使って聴覚障がい者の疑似体験を行いました。耳が聞こえない状況を擬似的に作るため、ワークショップの多くの時間で、参加者には話すことはもちろん口パクも禁止にしました。

はじめにアイスブレイクとして絵しりとりが行われましたが、まだ発声禁止に慣れていないため、「難しい!」や「〜だよね」みたいな独り言がポツポツと聞こえてきました。アイスブレイクの後、レゴブロックを使ったゲームを行い、言葉を使わずにコミュニケーションをとる体験をしてもらいました。オリエンテーションで、私たち主催者側がゲームの見本を見せるなど言葉以外でのコミュニケーションの取り方の例を提示していました。ゲームに移ると、主催者の真似をして音を出さずにメッセージを伝えるためチームなりの工夫が見られました。時間が経つにつれジェスチャーでのコミュニケーションが増え、音のない時間が長くなりました。

 

 

ゲームで疑似体験をした後に学習の時間をとり、疑似体験を通して難しいと思ったこと、気をつける必要があることについて意見交換を行い、聴覚障がい者との関わり方やインクルーシブ社会について学びました。

伝えたいことを言葉で伝えられない難しさだけでなく、相手との関係性によって普段自分たちがコミュニケーションを取る方法が変わることに気づいたという感想を述べている班もありました。良いワークショップになったと思います。

 

 

私たち運営側の学生の多くにとってワークショップの企画運営は初めての経験でしたが、今回のワークショップを通じて企画運営の大変さとやりがいを学ぶことができました。ワークショップをスムーズに進行させるための時間配分や下準備など入念に打ち合わせをしましたが、当日計画通りに遂行できず変更したところもありました。しかし、参加者のコメントから、計画通りに進めることだけが良いワークショップではないということに気づかされました。ワークショップ後のアンケートに「話し合いが行き詰まった瞬間に議論を仲介してくれる人が入ってきて、話し合いがその後さらに進んでよかった。」という声や「インクルーシブ社会という単語がわからなかったが、『調べて良いよ』という一言があって、やりやすかった。」など柔軟に対応したことでより参加者の理解度が深まったという結果に達成感を感じました。

今後は、ワークショップ運営の経験を活かし、話し合いでは相手の意見を尊重し発展させて行くことを心がけたいと思いました。