*昭和女子大学現代教養学科では、1・3年生合同、2年生のそれぞれで東明学林/望秀海浜学寮という大学の学寮施設を訪れる研修を行います。本記事は2年生の記事 第一弾です!
こんにちは、CLA Reporters & Magazineです!私たち現代教養学科2年生121人は、6月4日(火)から6月6日(木)に、千葉県舘山市にある望秀海浜学寮で学寮研修を行いました。
「学寮研修」とは、昭和女子大学の特色の一つである学科ごとに行われる宿泊型研修です。最大の特徴は、研修の企画、運営が全て学生に委ねられていることです。昨年は1・3年生で学寮研修に行き、企画、運営ともに3年生の先輩方に頼りきりでしたが、今年は2年生だけだったため、昨年とは違う緊張感で研修に臨みました。
また、各学寮研修ではテーマを設けています。今年の2年生の学寮研修のテーマは、「クローズアップ」です。このテーマには、今までマクロな視点で見ていたことをクローズアップして見つめなおしてみることや、共同生活やレクリエーションを通して仲間の新たな一面を発見し、新たな視点から問題に取り組む、という思いが込められています。
<学寮1日目>
学寮1日目は、マクセル アクアパーク品川を訪れ、そこで飼育員の方からSDGs講話を受けました。はじめに、飼育員の方からイルカの生態についての説明があった後、SDGsに関するお話を伺いました。
特に、海の生物のいのちに関わる「マイクロプラスチック」が、私たちの身近にあるビニール袋やペットボトルから生み出されているということについて、「自分たちは何ができるのか」という考えをもつことが大切だとお聞きし、削減するには私たち一人一人の心がけが大切だということを再認識した講話でした。
講話の後に設けられた自由時間では、館内に展示されている何百種類もの海の生物を観察し、海の生物がより身近に感じられたことで、学生の自然な笑顔が見られました。(横亭)
講話のテーマであったSDGsについて、「SDGs」という言葉は現代教養学科の授業内でも多く取り扱われていますが、規模の大きい地球全体の話題から水族館の生き物というより身近な話題に「クローズアップ」されることで、地球環境の問題を自分ごととして捉えるきっかけとなりました。
講話終了後、望秀海浜学寮に到着し、屋上からみんなで海を見ました。
都会ではなかなか見られない良い眺めに感動の声が上がっていました。
2日目のプログラムにはビーチクリーニングとハーバリウム作りがあります。講話を踏まえた上で実際に行って自分の目で海を見ることで、新たな気づきから問題意識を高めることにつなげていきます。
<学寮2日目(前半)>
学寮2日目は、「ビーチクリーニング」から始まりました。
天候に恵まれ、それぞれの行動班に分かれて浜辺の清掃作業を進めていきます。
浜辺にあったごみのほとんどはプラスチックで、びん・缶は少ないという状態でした。
1日目に訪れたマクセル アクアパーク品川でのSDGs講話で「魚が主食としているプランクトンとマイクロプラスチックが似ているため、誤食してしまう」というお話を聞いていたことで、実際にごみ拾いをする過程で海のなかに存在する多くのプラスチックごみをイメージすることが出来ました。
清掃活動の終盤では、各班でごみの分別を行ったり、次の活動で使用する貝殻を拾ったりと楽しみつつも協力して作業を行っていました。(酒井)
ビーチクリーニング後は学寮に戻り、ハーバリウム作りをしました。
ハーバリウムとはガラスの小瓶に花を入れ、オイル漬けにしたものです。今回は浜辺で拾った貝殻やシーグラス(海で拾ったガラス片)を用いて作りました。
学生は真剣な様子でビーチクリーニングで感じた自然をガラスの小瓶に閉じ込め、今回の学寮研修での学びを形として残しました。広い海からきた貝殻やシーグラスを自分の作品に取り入れる作業は、まさに「クローズアップ」な活動でした。1から作ったオリジナルの作品を見せ合うなどの楽しそうな様子が多く見られました。(榎本)
学寮研修の振り返りとして、1日目のSDGs講話、2日目のビーチクリーニング・ハーバリウム作りを通じて何を感じたのか、そして「私たちにできる海洋ごみの問題を解決するプロジェクト活動」についてグループに分かれ考えました。
グループの話し合いでは、プラスチックごみの分別がされていないという問題点があがりました。その対案として「ごみの分別が詳しく写真付きで明記された表をごみ箱付近に掲示する」といった意見が出た時には、他の学生から賛成の声が上がりました。
2年生の必修科目である「プロジェクトファシリテーション」で学んだABCDメソッドを活用してプロジェクトを考えました。「ABCDメソッド」とは、「未来構想(Awareness &Visioning)」「現状把握(Baseline Mapping)」「創造的解決(Creative Solutions)」「優先順位付け(Decide on Priorities)」の4ステップから成る課題解決の実践法です。
一方で、話し合いを進めて、ABCDメソッドのDの優先順位づけをする中で自分たちが考えたプロジェクト案の欠点が見つかり、振り出しに戻ってしまう事もありました。他のグループの発表を聞き、自分たちが思いつかなかった別の視点からの考えを共有することができました。
この一連の活動を通して、海洋問題をはじめとした環境問題を自分ごととして「クローズアップ」することで、プロジェクト活動や環境問題の解決の難しさを改めて体感しました。(山岡)
<学寮2日目(後半)、3日目>の記事はこちら