1月の読書会を開催しました

1月21日、学園本部館第1会議室において、1月の読書会を開催しました。
今年は「女性文化研究賞候補作を読む」と題し、第1回(2008年度)「昭和女子大学女性文化研究賞」の候補作となった作品をオムニバス形式で読んでいくことになっています。
本年度最後となった1月の読書会では大学院文学研究科の太田鈴子教授をコーディネーターに、小平麻衣子著『女が女を演じる 文学・欲望・消費』(2008年、新曜社)の「第3部 身体という舞台」中から、「第8章 〈新しい女〉のゆくえ-宝塚少女歌劇と男性」を中心に取り上げました。

導入として太田教授から、宝塚少女歌劇団設立直前の明治時代後期には、消費文化の象徴であるデパートの隆盛により市場が形成され、モノを作るのは男性、消費するのは女性という構図が出来上がったこと、男性作家による文学作品には「女性は○○であるべき」という「あるべき女性像」が描かれ、女性たちもそれに取り込まれてしまったこと、小平氏はこの著書の中で「あるべき女性像からはみ出した女性」に焦点をあてようとしていること、などのお話がありました。
その後、現在の宝塚歌劇団の前身である宝塚少女歌劇団が大正時代初期にどのように設立され、また、どんな意図をもって運営されていったのかなどを、著者の主張を読み取りながら、在学生3名を含む12名の参加者がそれぞれに意見を述べ合いました。 

「アメリカでも同時期に少女歌劇団が設立され人気を博した」
との、興味深いコメントもありました。