7人の妖精

 昭和学園のキャンパスで学ぶ、子ども園、初等部、中高部の園児・児童・生徒の中には、時々居場所を変えて、植え込みに隠れていたり、木の蔭から顔をのぞかせている7人の妖精(の人形)を見つけるのを楽しみにしている人もいます。

(式典の際に全員集合した7人の妖精(の人形))
kobito

 実は、皆さんが知っている妖精は、ディズニー映画の『白雪姫と7人のこびと』のお話に出てくる、7人、Doc(ドック:先生)、Grumpy(グランピー:おこりんぼ)、Sneezy(スニージー:くしゃみ)、Sleepy(スリーピー:ねぼすけ)、Bashful(バッシュフル:てれすけ)、Happy(ハッピー:ごきげん)、Dopey(ドーピー:おとぼけ)ではないでしょうか。この7人は、ディズニーがアニメ映画製作のために創作した妖精たちなのです。

 古くから、ヨーロッパでは童話や民間伝承の中に、妖精が良く出てきます。ドイツのグリム童話にある『白雪姫』に出てくるsieben Zwergeは英語ではdwarf (ドワーフ)と言います。そして、民間伝承に出てくるドワーフは、gnome(ノーム)と呼ばれる土の妖精と関係が深いと言われています。ノームは、古代ギリシャでは、土の妖精でした。世界は火、水、空気、土の4大元素からできていて、それぞれに妖精が住んでいると考えられていたからだそうです。

 ヨーロッパでは、土の妖精ノームは地下に住み、地中を自由に移動し、地下に眠る財宝を守ると信じられていました。ノームは身長15センチ、400歳くらいまでは元気に生きるのだそうで、庭を守る番人として、庭先にノームの人形が良く飾られているのだそうです。本学にいる妖精達もランタンを持ったり、スコップを持ったりしていますね。

 ヨーロッパには他にもいろいろな妖精がいて、研究もおこなわれています。本学でも長くお教えいただいていた英文学者、東京大学名誉教授の平野敬一先生もその研究者のお一人でした。私は昭和で『マザー・グースの唄』を教えていただきましたが、先生は1992年に『妖精事典』も翻訳されています。ケルト圏とイギリス、ヨーロッパに伝わる400種類の妖精のことが書かれていて、さらに、妖精や妖怪と出会った人の体験も書かれています。日本でも水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』は一大ブームを引き起こしましたが、ヨーロッパの妖怪の話も、とても面白いですよ。