SNSをかしこく使っていますか? [2017年08月04日(金)]

 最近は、電車の中で新聞を読んでいる人をあまり見かけなくなりましたね。私たちが接するメディアが変わってきています。SNSや検索型のサイトで世の中の出来事を知ろうとする人たちが増えてきました。

 新聞・雑誌・ラジオ・テレビなどのマスメディアは、各社の価値判断に従って、世の中で起こった事実を良いことも悪いことも含めて伝えますが、SNSなどのネット系の情報は、「この人はこういう情報に興味があるだろう」というものを見せてくれる仕組みになっています。例えば、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedInなどのSNSは共通の興味や趣味を持つ人同士の交流を目的としているサービスサイトですから、自分の知りたい情報をすぐに手に入れることができるのが特徴です。最近では、SNSとそうでないものの区別が難しいように思いますが、CookpadやLINEなどもSNSの一種と考えて良いのではないかと思います。

(様々な人々がインターネット上で繋がり合うSNSのイメージ図)
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 しかしSNSで得る情報は、情報としての質が高いものばかりとは限りません。利用する人達は、質よりは、情報が速い・自分が興味を持っている等の点に、より価値を置いているのではないでしょうか。時間をかけて、真実を詳細に語ることや、状況を正確に分析することなどの情報の質を人々があまり大切にしないようになっているのかもしれません。

 ですから、ネット上で流れている情報は、最低限の事実チェックすらされていないものもあります。そのため、多くの人々に利用されるようになったコミュニケーションツールとしてのSNSは、便利ではあるのですが、トラブルにつながる事例も少なくないのではないでしょうか。

 「デジタルタトゥー」という言葉を聞いたことがありますか。SNSに投稿した画像や発言などが、投稿者本人の意思とは関係なく、タトゥーのように永久にWeb上に残り続けることをそう呼ぶそうです。アメリカの企業の中には、採用面接の際にブログやSNSを利用しているかを尋ね、利用している場合は、過去の書き込みがチェックされることもあり、それで採用されなくなってしまうことも現実にあるのだそうです。

 東京都教育委員会では、LINE株式会社と共同でSNSに関する情報モラル教育に関するプロジェクトに取り組み、2017年3月に『SNS東京ノート』を発表しています。(東京都教育委員会 考えよう!いじめ・SNS@TokyoのHP
 都内の公立学校の全生徒・児童にすでに配布されました。現在、在学中の大学生は、多分その冊子を誰も手にしていないのではないかと思います。その冊子には、ネットでのコミュニケーションの特徴を以下のように説明しています。

  1. 文字だけで伝えるので、その時の「感情」が伝わらず、相手に誤解されることがある。
  2. 「知っている人しか見ないだろう」という認識の甘さや「不適切な写真」の認識にずれがある。

 また、使用する場合に、特に注意しなければならないことを4点挙げています。

  1. 世界中の人が見ることができる:ネットへの書き込みやアップロードした写真などは、世界中からいつでも見ることができる。「カギをかけているから」と安心していても、その中の誰かが転送すれば、世界中に公開される。
  2. 一度出まわった情報は絶対に消せない:そして調べれば誰が書き込んだか、容易に分かる仕組みを持っている。「この書き込みは将来自分にとってマイナスにならないか」ということを常に考えて発信する。
  3.  情報をそのまま信じてはいけない:ネット上には誰でも情報を書き込めるので、いい加減な情報や相手をだまそうとする情報もある。1次情報を確認すること。必ず複数のページで調べたり、本や新聞など別のメディアでも確認したりする。
  4.  面と向かって言えないことは書かない:顔が見えないネットのコミュニケーションは誤解が生じることが多い。対面のコミュニケーションや電話を大切にする。ネットは、誤解やトラブルが起こりやすい仕組みを使っていることを意識し、時には無視するなど冷静に対応する。

 最近、LINEはビジネスでも利用されるようになり、今までメールやFAXで行っていた連絡をLINEで行う場面も増えてきています。授業やゼミで学生同士、あるいは、教員と学生が連絡用等に使用する場合も、こうした点を十分注意することが必要ですね。

 SNSは大変便利なツールです。でも、人によって同じ言葉でもその使い方に対する受け止め方は色々。特に直接話をするのとは違い、話のテンポや表情、身振り手振りなどの手段が全く無いネット空間で、世代や性格も違う相手と、さらには、その相手とつながる人々がどういう人でどの程度いるのかもわからない世界でコミュニケーションを取るには、細心の注意を払う必要があります。ますます多様化し、複雑化していくネットコミュニケ―ションだけに頼らず、顔と顔を合わせてのアナログの対話も夏休み中には、充分楽しんでほしいものです。

※学長ブログは夏休み中更新をお休みいたします。次回更新は9月29日(金)を予定しています。