世田谷区保存樹木制度

 みなさんは、キャンパスにある「保存樹木」を見たことがありますか。
  
(3号館前ヒマラヤスギ)

 近寄ってよく見ると、「指定 第2741号・平成28年6月17日 保存樹木 樹種 ヒマラヤスギ 世田谷区」と書かれた札がつけられています。

(ヒマラヤスギに付けられた保存樹木の札)

 世田谷区保存樹木制度は、世田谷区がみどりの基本条例に基づいて、樹木や樹林のうち貴重なものや、街のシンボルとなるものを指定し、樹木保存の援助として手入れなどの支援を行っている制度です。地上1.5メートルの高さがあり、幹回りが1.2メートル以上で、樹形の優れているものという基準があります。
 一方、指定を受けた所有者には、指定された樹木や樹林を将来に割って適切に保存すること、樹木を要綱な応対に保つように適宜、剪定などの手入れを行うこと、という責務があるそうです。
 昭和の世田谷キャンパスには、保存樹木は53本もあります。ヒマラヤスギ、タイサンボク、ケヤキ、メタセコイヤ、楠、イチョウ、モミジバスズカケノキ、イイギリ、コナラ、スダジイ、サトサクラ、ソメイヨシノ等です。53本がどこにあるか、見つけられますか?
 5号館から中高部へ向かうイチョウ並木は保存樹木が並んでいて、秋には素晴らしい景色を楽しむことができます。また、本学は上高田の校舎を戦災で無くし、東京都から「戦災を受けた学校に対しては、希望があれば旧陸海軍施設を転用させる」という通達を受け移転先を探し回り、アメリカ第八軍との外交交渉の末、やっと昭和21年11月8日にこの地への全校移転を開始したという経緯がありますが、3号館前のヒマラヤスギ(写真参照)は、世田谷キャンパスにかつて旧東部第十二部隊(近衛野砲)があった時代からのものです。連隊の本部がちょうど3号館のあたりにあったそうで、その本部前に北白川宮様が来られた際にお手植えをされたという記録もあります。70年以上も太子堂や昭和学園の歴史を見つめていた木、大切にしたいですね。