陶板に描かれた絵「躍進」

これは、どこの港でしょう。

学園本部1階ロビーの壁に飾ってある、陶板に描かれた横4メートル、縦3.2メートルの絵で、1850年のボストン港を描いた陶板画です。
陶板画(porcelain panel painting)は18世紀半ばにヨーロッパで生まれ、陶器の板に図柄を描き、焼き付けたものです。皆さんはマイセンの陶磁器をよくご存じだと思いますが、同じような手法で作られています。絵画とは違って、年月がたっても色が劣化することが少なく、直接手で作品に触れても絵に汚れが付く心配がいりません。タイルのような感触です。陶板に絵付けをし、それを高温で加熱する「焼成」という過程を繰り返すことで作り上げます。この「躍進」の絵も、何らかの原画があって、それを陶板に転写して焼成したものではないかと思われます。
この陶板画には、「1980年のBOSTON」と題して、次のような解説が添えられています。

1620年、新大陸開拓の夢をメイフラワー号に託した人々が大西洋を越えてこの地に初上陸。
1853年、鎖国日本の扉を開くための黒船が、ボストンからノーフォークを経て浦賀に来航。
1920年、本学園は日本の女性文化の帆を張って、世界の夜明けを目指して海路遥かに船出。
1988年、7月7日、昭和女子大学は東西文化融合実現のために、新たにボストン校を開設。
太平洋と大西洋にまたがる文化の巨大な架け橋によって世界が新しい躍進を遂げることを祈る。

次の写真は、1988年7月7日のボストン校開校の前年の12月に昭和女子大学の教職員の代表が現地を視察した時のものです。ボストンキャンパスへの入り口の反対側、丘の下から現在も教室棟として利用している建物を背景にしています。

最後の写真は、キャンパスの入り口から現在のレインボー・ホールのあたりにまで坂を上ってきたあたりです。

今年の7月7日で、ボストン校は創立30周年を迎えます。この30年間でボストンの研修に参加した学生は1万人を超えています。東京キャンパスとボストンキャンパスは、東洋と西洋の架け橋の起点として大きな役割を果たしてきました。これからも、もっともっと多くの学生がボストン校で学び、日本ばかりでなく、世界で活躍する力をもって卒業してほしいと願っています。