庭の教え

正門から入って守衛室側の道を少し歩いた所に「庭の教え」の歌碑があったのを覚えていますか。学園内が整備されて新しくなったので、以前あった場所から移されました。
ここに移っていますが、どこかわかりますか。

奥の方には、赤い帽子をかぶった「7人の妖精」のうちの一人がいるようです。

ちょうど光葉博物館の手前にある植え込みに移動されました。少し奥まったところなので、この歌碑の近くまで踏み石が置かれ、刻まれている歌を近くで読むことができます。

さあ、何と書いてあるのでしょうか。はっきり読めるところばかりでなく、良く判読できないところもありますね。

婦みまよふ人              
   こ楚な介禮
       以つこに毛
  彌はのをしへの
     為しある世者

「ふみまよふ 人こそなけれ いづこにも にはのをしへの ためしある世は」と読みます。日本語日本文学科の槍田先生に教えていただきました。

昭和10年10月25日の創立15周年を祝って、本学の松平俊子先生の、また、当時の梨本宮妃殿下のご母堂の鍋島栄子刀自(とじ)が短歌2首を寄せられました。「刀自」は敬称です。そのお心を永く留めるために、秩父石に刻んで記念碑としたものだそうです。この年の創立記念祝賀祭では、3日間にわたって、祝賀会、記念園遊会、展覧会、映画会、文芸界、運動会などが繰り広げられた、と『学園の半世紀』に記されています。

ちなみにここに刻まれているのは2首目で、1首目には、
「いろいろに茂れる庭の教草 つみおくれてはかひなかるらむ」とあります。

「学校ではいろいろとお教えいただくが、それをどんどん自分の物としていかなければ、学ぶ甲斐はありません。学校での教えをしっかりと身に着けていけば、道に迷う人は決していないでしょう」と、この2首は呼びかけています。皆さん、今学期もそれぞれの成長のために、頑張りましょう。