【プロジェクト紹介】Planetary Health Diet Project

今回は、2022年から活動している管理栄養学科の「プラネタリーヘルスダイエット」プロジェクトをご紹介します。現在、1年生から4年生までの16名が活動し、学年を超えた活動を続けています。
今回は、本活動のリーダーである4年生の小幡さんにお話を伺いました。

プラネタリーヘルスダイエットとは 
プラネタリーヘルスダイエット(The Planetary Health Diet)とは、人間の健康と地球環境の持続可能性の両立を目指して考案された、新しい食事法です。世界中の著名な研究者たちが、各専門分野の視点から、食事や食料システムを人や環境にとってより良いものにするべく、全世界へ向けて提示したガイドラインです。その主な特徴は、「加工度の低い植物性食品を中心とし、動物性食品や砂糖の摂取を大幅に減らす」ことがあげられます。また、一日の食事のうち、約半分を野菜、果物、全粒穀物(玄米、全粒粉パンなど)、豆類、ナッツ類、健康的な植物油などの植物性食品で構成することが推奨される一方で、環境負荷が高く、過剰摂取が健康リスクを高める食品として、赤身肉を減らし、鶏肉、魚、卵、乳製品を適量に保ち、砂糖、添加糖分、精製された穀物(白米、白いパンなど)の制限や削減が推奨されています。動物性食品を完全に排除するヴィーガンやベジタリアンではなく、植物性食品を「中心」とし、動物性食品を「少量」含むフレキシタリアンのスタイルに近いお食事です。

活動内容と今年度の活動方針
これまで、プロジェクトの大きな取り組みとして、毎年11月ごろに学食でのメニュー提供を行ってきました。今年度は、健康を維持するために動物性食品を完全に植物性食品に置き換えてのメニューは、我々日本人の現在の食生活の中で実践するのは少しハードルが高いと考え、実現可能な環境負荷の少ないお食事の提供をすることを目指しました。また、フードドライブ(未使用食品等の回収)を行う団体からその現状と課題を学ぶことも考えています。

学食での食提供
今年も11月17日~28日の間、学食で「プラネタリーヘルスダイエットメニュー」(1食500円)が提供されています。 今年のテーマは、「家庭で出来る食品ロス削減」です。日々、ご家庭で実践可能な食品ロス削減献立にすることで、食品ロスや環境問題を身近に感じてもらうことを目的としています。 

今回の献立のポイント
食品ロスを減らすために、「蒸し鶏のねぎみそだれ」では、ねぎの青い部分も細かく刻んでたれに使うこと、「フライド里芋」では皮も使用すること、「かぼちゃのマフィン」ではかぼちゃの皮やわたも混ぜて使うことなどの工夫しています。
現代の大きな課題である食品ロスに対して、日本人にとって身近な「日本食」を通じ、廃棄されがちな食材の部分を有効に活用する方法を伝えていきと考えています。また、日本人の「もったいない精神」を再認識し、食文化を通じて、食品ロス削減につなげたいという思いが込められています。

リーダー小幡さんの思い
リーダーとして心がけていることを伺うと、「顔を合わせて話す場を大切にし、メンバーが主体的に考えられる機会をつくること」と語ってくれました。参加者の”やりたい”を実現する方向で活動をすることで、皆が楽しく関わっていると感じているそうです。

4年生の小幡さん、行方さん

こうしたプロジェクト活動を通して、学年をこえたつながりが生まれ、履修や就職活動に関する情報交換など、より有意義な学生生活にもつながっているようです。