国際ジャーナリスト我謝京子先生の「ニューヨークの現場から:なぜ現代社会メディアに女性の視点が必要か」の講演会に参加しました

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7月13日(水)の3限に国際ジャーナリストで本学特命教授の我謝京子先生の講演会が実施されました。ずばりテーマは「ニューヨークの現場から:なぜ現代社会メディアに女性の視点が必要か」です。講演会に参加をした国際学科4年生の宮本さんに感想を伺いました!

今回、第175回女性文化研究所研究会「ニューヨークの現場から:なぜ現代社会メディアに女性の視点が必要か」に参加し、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

我謝京子先生は、講義の1週間前にニューヨークから日本へ帰国されました。アメリカでの最近の問題、例えば人工中絶、銃規制などの問題を、ニューヨークの報道の最前線にいる我謝先生の目線から現場の様子を教えてくださいました。安倍元総理大臣の件について、現在日本では犯人のバックグラウンドやそれを取り巻く組織についてスポットがあてられていますが、アメリカでは3Dプリンターで制作した銃が安く購入できるとのこと、日本での今回の事件では凶器が手作りだったことをふまえ、アメリカでの銃規制の話題は、もはや人ごとではないのだと感じました。

メディアでの女性の重要性についても学ぶことができました。実際に我謝先生の制作されたドキュメンタリー映画や、我謝先生が記者をされているロイター通信での事例を通して、ご自身の経験とともに話をしてくださいました。キーワードは多様性でした。女性が取材をすると、引き出す内容も男性とは異なり、違った角度から物事を捉えることができます。我謝先生が制作したドキュメンタリー「3.11 ここに生きる」では、我謝先生が実際に被災地を訪れた際、瓦礫を眺めるシーンで炊飯器に着目していたのが印象に残りました。取材をする人によって、同じ場所や対象でも捉え方は全く異なることを学びました。また、性別だけでなく、国籍の多様性によってもまったく異なる角度や知識、バックグラウンドから物事をとらえることができるため、それが仕事上で新たな発見や助け合いにもつながることを学びました。他にも、これから女性として生きていく上で、キャリアとの両立の葛藤やその乗り越え方の話も聞くことができました。

質問時間には学生からの質問が飛び交い、講義終了後も我謝先生の前には長蛇の列ができました。私自身も現在ドキュメンタリーを制作中のため、「ドキュメンタリーを撮影するにあたっての、インタビューの事前準備」について質問をさせていただきました。我謝先生から、「もちろん事前に沢山質問の準備はするが、実際の現場では一期一会を大切にし、その場の流れでもっと重要な話が出てきたら、その準備が全て水の泡となることも多々ある。事前の準備に固執せず、その準備の一切を捨てる勇気も大切。」というアドバイスをいただきました。

はじめて我謝先生にお目にかかったのは、人見記念講堂で開催された女性教養講座の時でした。その際、我謝先生の制作したドキュメンリー「母の道、娘の選択」を鑑賞し、ドキュメンタリーというものに出会い、魅了されました。それから、コロナ禍で留学先の上海から帰国し、2度開催された我謝先生の特別講座にオンラインで参加しました。画面越しにもかかわらず、毎回、我謝先生の授業には熱があり、それはやはりクラス全員に伝わっていくのを強く感じました。今回も、ニューヨークの現場からの熱気がそのまま世田谷キャンパスまでやってきたのを感じ、とてもドキドキしました。記者をされながら、映画監督もされていたり、こうして講義も開催してくださったりと、我謝先生は本当にパワフルで、パワーがあって、あっという間の講義でした。今日学んだことを、ぜひ自分のドキュメンタリー制作や今後の人生に生かしていきたいと思います。