2016年5月

前期特殊研究講座が開催されました [2016年05月19日(木)]

<日文便り>

5月13日金曜日4限に前期特殊研究講座が開催されました。

講師としてお茶の水女子大学教授の荻原千鶴氏をお招きしました。
荻原千鶴氏は上代文学を中心に、特に『風土記』、『水経注』、『日本書紀』、『古事記』、『正倉院文書』等を研究なさっています。
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今回の講座では、「日本古典文学における「橋」」という題目で、
『万葉集』をはじめ、『古事記』や『日本書紀』、『源氏物語』、『源平盛衰記』、『平家物語』等の
様々な古典文学作品に登場する「橋」についてご講演頂きました。

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一言に古典文学と言っても、時代の幅は広く、多くの作品があります。
数ある作品の中で、共通する一つのキーワードに着目することにより新たな糸口を発見できることに学生は気付かされたのではないでしょうか。

荻原先生、貴重なご講義を本当にありがとうございました。

 

(YD)

 

 

会話データから何が見えてくるか [2016年05月16日(月)]

<授業風景>

今回は、日本語教育Ⅰ(会話データの分析)についてご紹介します。

日常生活の様々な会話を通して、私たちは、相手に対して、おもしろい人、おとなしい人、うるさい人などと様々な印象を持つことがあると思います。
このような印象が生じる背景には、実際の会話においてどのようなやりとりが行われているのか、会話データから具体的に探る可能性があります。
私の専門は日本語教育なので、授業では、主に、異文化接触場面の会話データを検討しています。
日本人とアメリカ人のあいづちの頻度、日本人と中国人の話題の転換のしかた、日本人と韓国人の議論のしかた、などには具体的にどのような違いがあると思いますか。
そして、これらの違いを知らないままやりとりを行った場合、どのような問題が起こると考えられるでしょうか。
異文化間でやりとりがうまくいかない場合、「まだうまく話せないから」と単純に言語能力の問題にしたり、「〇〇人はやっぱり…」とステレオタイプを強化してしまったりすることがあります。
授業では会話データをみながら、どのようなやりとりが問題を引き起こしているのか、そして自分はどのようにその問題に対応するのかについてディスカッションをしています。
これにより、問題を単純にとらえるのではなく、ある現象をデータから冷静に分析し、根拠をもとに意見を述べることにつなげたいと考えています。
会話データを見る目を養うことにより、実際の日常生活の会話でも、問題を事前に防いだり、問題が発生してしまった場合にもどのように対応したらいいかを柔軟に考えたりすることができるようになると思っています。

私自身は、学生時の授業で会話データ分析に出会い、会話を文字化して分析することで、普段は一瞬にして消えてしまう会話で何が起こっているのかが具体的に見えてくることに衝撃を覚えました。そして、現在までこの会話データ分析にとりくんでいます。

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(OB)

日本文学の継承者になりませんか? [2016年05月12日(木)]

<受験生の方へ>

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2116年5月×日 水曜日の新聞記事から
日本文学研究は海外で!
 近年、「日本文学を本格的に学ぶなら留学」という声がよく聞かれる。日本の文学作品の価値を認め、研究を盛んに行っているのは、海外の大学や研究機関だという。
 日本では、1990年代に顕著になった活字離れに歯止めがかからず、出版業界は大打撃を被ることになった。その影響を最小限に抑えるため、売れる本を中心とした品揃えに移行、2020年代には一時代をなした文学作品、文豪と呼ばれた作家の傑作ですら、売れ行きによっては棚には並べられなくなり、目に触れることすら稀になったという。
それから80年、今では多くの文学作品(書物)は、美術館でガラスケース越しに眺めるものとなり、文学研究は考古学研究との抱き合わせを余儀なくされている。(後略)
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100年後、もしかしたらこんな日本になっているかもしれません。
誰かが自国の文学の価値を検証し、継承していかなければ、やがて廃れてしまいます。
以前の日本語日本文学科は、極論を言えば「文学好きの趣味の世界」でした。「役に立たぬもの」の筆頭です。
しかし、今や意味合いが変わってきています。
我々の学科が漱石を、鴎外・川端・志賀・一葉を、もちろん西鶴・平家・源氏・万葉集を読み、学び、受け継いでいかなければ、伝統が途絶えてしまうかもしれません。

さあ、我こそはと思う方は、ぜひ日本語日本文学科へ。

※上記の新聞記事は架空のものです

(FE)

卒業生からのメッセージ [2016年05月10日(火)]

<日文便り>

先週の土曜日、卒業生が訪ねてきてくれました。
在学生の皆さんにメッセージをいただいたので、紹介します。

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卒業してみると実感しますが、自由な時間の多い学生時代は本当に貴重です。
自分の興味のあることにたくさん取り組んでみてください。
(2016年卒 MT)
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3月に卒業したばかりのMTさん。日々新しいことばかりで大変とはいいながらも、
とても充実しているように見えました。

就職後も経済用語の勉強や、各種資格の取得のために頑張っています!

就職後も経済用語の勉強や、各種資格の取得のために頑張っています!

新人研修の一環ということで協力したアンケートも、ぜひ、役に立てて下さいね(^^)/

(IK)

「熊本支援方言プロジェクト」のご紹介 -「今こそ「ことば」のちからを!」の1つの実践例を学ぶ [2016年05月07日(土)]

<日文便り>

今回は、学会のMLにあった情報「熊本支援方言プロジェクト」についてご紹介したいと思います。
少しでも今回の地震で被災された方々のお役に立てればと思います。
同時に、日文で学ぶみなさんやこれから日文で学ぼうとするみなさんに、「ことば」がどのように社会で「ちから」を発するのか、具体的な実践例を学んでいただければと思います。

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「熊本支援方言プロジェクト」(協力団体:筑紫日本語学研究会・九州方言研究会・福岡女学院大学人文学部メディア・コミュニケーション学科・医療看護福祉と方言研究チーム)では、熊本方言支援ツールを公開しています。
http://www.fukujo.ac.jp/university/other/hougenpjt.html

活動の初期に必要とされる医療現場で役立つ資料として作成された、熊本方言身体語彙図・熊本方言医療関係語彙集などです。
ご活用いただくとともに、情報掲載先のURLを必要なところにお知らせくださいますよう、お願いいたします。
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このプロジェクトには、日文を卒業された先生もかかわっていらっしゃいます。
支援の方法には多様な形があると思います。
みなさんは、日文での学びをどのように社会で活用できるでしょうか。

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(OB)

研究室だより [2016年05月06日(金)]

<研究室便り>

近時、研究活動を活発化させています。

Ⅰ《知の遺産》―出版―
考えるシリーズⅡ《知の挑発》③『平安後期 頼通文化世界を考える―成熟の行方』の原稿「物語の事実性・事実の物語性―道雅・定頼恋愛綺譚―」を2ヶ月遅れで武蔵野書院に入れることができ、本年の7月には発刊予定となりました。考えるシリーズⅡはこれをもって終了となります。ご協力いただけた先生方には深謝いたします。
その代わりに《知の遺産》シリーズを開始し、既に曽根誠一・上原作和両氏との共編『竹取物語の新世界』(武蔵野書院、2015年10月)、妹尾好信・渡邉泰宏両氏との共編『伊勢物語の新世界』(武蔵野書院、2016年3月)を刊行し、いよいよ福家俊幸・和田律子両氏との共編による『更級日記の新世界』を本年の10月に、三角洋一・横溝博両氏との共編による『堤中納言物語の新世界』を来年の3月に発行できるように準備を整えています。何しろ編者がそれぞれ二本の論文を書き下ろすという過酷なプランにしたため、論文執筆は他を絶する事態になっています。
またその間には本学の日本文学紀要となる『学苑』の1月号には「道綱の子女たち―『紫式部日記』裏面史―」を書く予定になっていますし、それらを収めた最後の単著となる『源氏物語の記憶―史実との交差』の出版も計画しています。

Ⅱ《知の発信》―講演―
全てオリジナルな発想と独自な研究成果によって組み立てられたユニークな内容です。
(1)宇治十帖の成立事情―紫式部の苦悩―
(2)上東門院彰子の人間性―中関白家の人たちとの関わり―
(3)謎解き『三十六歌仙絵巻』―歌仙絵の変遷―
(4)謎解き『源氏物語絵巻』―扇は何を意味するのか―

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(久下裕利)