海外から日本文学研究者をお招きしました~タフツ大学 チャールズ・イノウエ先生~ [2017年02月08日(水)]

<日文便り>

【チャールズ・イノウエ先生の特別授業】
泉鏡花の文学の特質について愛の彩りが「紅白」で表現されていること、愛の実現における男女の「強さ」の違いなどを、多くの画像を示しながら、お話しくださいました。

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【学生の感想】

◆吉田先生の講義を受講してから泉鏡花にとても興味があったのですが、イノウエ先生の講義を聴講してさらに興味が深まりました。泉鏡花の亡くなった母に対する思いの中に恋人を求めているということは発見でした。確かに、日本の男性は母のような人を好きになると言われているので泉鏡花は日本の男性!ということを感じました。「外科室」の白衣と血の白と赤、白い肌と赤い紅、鏡花が白と赤を大切にしていたというイノウエ先生の着目点には驚きました。また、イノウエ先生が、鏡花の男らしくない所が魅力とおっしゃっていて、「なるほど!」と思いました。

◇「外科室」を読んだときに、どこか美しいと感じたが、それは色がひとつの要因なのだと知った。泉鏡花の独特な恐怖は、エドガー・ア・ランポーとは別物だけれど、日本人のみならず海外のかたにまで伝わる恐怖や美しさがあるのだと思った。「男は弱い」という発想はなかったので、面白いと思った。確かに泉鏡花の文学においても女性の方がある意味では強いと感じる。女性が主導権を握る物語が多く、女性の「強さ」が日本文学にはあふれていると感じた。イノウエ先生の翻訳も読んでみたくなり、さらに詳しく鏡花を読みたくなった。

◆日本人は愛について普段それほど意識して生活していないような気がします。イノウエ先生にご指摘を受けるまで、愛について自分がまだ理解していないのだということにすら気がつきませんでした。愛というものの奥深さを知り、それを表現したのが泉鏡花であるのだと思います。愛は美に直接的につながっているから、鏡花の文学は美しいのだと聞き、非常に納得しました。私は鏡花の作品を読むたびに人間の本質について強く考えさせられます。今までただ漠然と「この感情は何だろう」と思っていた答えが、今日ようやく少し見つけられた気がします。ただ、私にはまだやはり「愛」の本当の意味も美しさも分かりません。どう生きていくことが美しい人生に繋がるのかも知りたいです。

(吉田昌志)