「耳をふさぐ、その前に――。」

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〈受験生の方へ〉

3月も中旬、コロナウイルスに対する不安とも闘いつつ、受験の総仕上げをしていらっしゃる方もいるでしょう。続く高校2年生の中には、3学期の期末テストがなくなり、評定と新たな向き合い方をしなければならなくなった方もいることでしょう。
大きな事故、事件等が起きた時、どう対処するのか、そこに人間の真価があらわれます。
不本意な状況が訪れた時、「だから言ったでしょう」「ああすればよかったのに」と言われれば、
誰でもムッとして、耳をふさぎたくなります。私もその一人です。

しかし、「朝日新聞」2020年3月1日(日)朝刊の記事に、はっとさせられました。
編集委員・福島申二氏「〈日曜に想う〉お友達より、持つべきは敵」です。
国会で批判され、ムッとした首相の態度に対する文章の中で、次のように述べています。

たしかに、「持つべきものは友」である。しかし「敵」というのもそれに劣らず大切だ。
大劇作家シェークスピアはさすがに人間通らしく、喜劇「十二夜」の道化役に「持つべきは敵」
だと語らせている。セリフが振るっている。

 

〈だってさ、友だちはおれをほめあげてばかにするが、敵は正直にばかだと言ってくれるんでね〉。
続くセリフが、ずばり真を突く。
〈つまり敵によっておのれを知り、友だちによっておのれを欺くってわけだ〉(小田島雄志訳)

 

これは、受験のひとコマ、ひとコマ、日々の積み重ねのひとコマ、ひとコマにも
活きてくる言葉だと思います。――なかなか難しいことですが。

9階の私の研究室から見えた夕暮れ時の富士山
強い北風が吹く中、神々しい姿でした

(FE)