成り行きでモンシロチョウ育ててみた

〈日文便り〉

今夜は七夕。
といっても、本来旧暦の7月7日のはずで、今年なら8月25日。
もともとの七夕は、私たちが知っている7月の七夕とは、季節の雰囲気がかなり違っていたはず。

ちょっとのきっかけで何かを知り、モノの見方を変えてみる、って結構大切なこと。
なおかつ、そういう機会は日々ささやかに転がっているものです。

庭にケールを植えていたのですが、アブラナ科なのでモンシロチョウがやってきます。
ほどなく青虫がすくすく育ちます。
収穫する分のケールと、青虫用のケールと、初めは分けてみたのですが、
青虫たちは加減を知りません。いつのまにかケールが葉脈だけの丸裸に・・・。
仕方なく青虫をうちに引き上げて、キャベツ買ってきて育てることにしました。
自宅で野菜を育てると、買わずに済むはずなんですが、
自宅で野菜を育てると、青虫のためにキャベツ買う必要が生じるんですあら不思議。
その数約30匹。 自粛生活中の自由研究といったところ。

特段青虫が好きなわけでもないのですが
(どちらかと言えば普通に嫌いですよ飼ってると愛着わきますけど)、
2週間ぐらい一緒に暮らして、羽化して巣立っていくまで
見届けられる子もそれなりの数になりました。
と言っても野生は厳しくて、蝶になれたのは3分の1ぐらい。
既にハチに寄生されちゃってたり、さなぎになる力がなかったり。


さなぎ。


もうすぐ羽化するさなぎ。このくらい、中身が見えるようになります。


無事羽化。

羽化の瞬間にも何回か立ち会えました。

さて、そんなつもりなかったのに、けっこうな数、飼ってみると、
数を飼ってみたからこそわかることもいろいろあります。
その一つが、「どうやら最適な時期がある」っていうこと。
30匹もいると当然個体差があり、さなぎになる時期、羽化する時期、
ある程度ばらけるのですが、それぞれ次のステージに行く時期は、1~2日に集中します。
早すぎても、遅すぎてもダメ。さなぎになるタイミングを逃してしまった子もいて、
そうなるとさなぎになれないまま終わってしまいます。
たまに遅れを取り戻せる子もいるので、どんな世界でも挽回の可能性ってあるんだな、
と思うのですが、それと同時に、やっぱり大前提として、「最適の時期」ってあるんですよ。
さなぎから羽化する時期も、わずかな期間に集中して、その時期から外れると、
羽化できる率がかなり下がります。「その時」がいつも都合がいいとは限りません。
たまたまその時期にあたった日が、大雨だったり、すごく寒かったり、
でも、青虫たちはそれを選べない。それでも、その期を逃さないことで、蝶にたどり着ける。
自分にとって大切な時期、その時の環境が、都合のいいものとは限りません。
「なんでこんな時に、こんな大事な節目があたっちゃうんだろう」って思うことも
いっぱいあると思います。
それでも、蝶になるには今しかない、そういう時期は確かにあるので、
この機を逃さないこと、それが何より大事・・・。

(SN)