2021年5月

受験生のみなさん [2021年05月26日(水)]

<日文便り>

「到来を報せるベル」
本校の受験を考えているみなさんは、オープンキャンパスなどで一度は三軒茶屋のキャンパスを訪れたことがあるのではないかと思いますが、今日はみなさんがたぶんまだ見たことがないのではないかと思うキャンパスの一角をご紹介します。
キャンパスの東南、昭和之泉がある一角に光葉博物館という小さな博物館があります。
  

本学所蔵の様々なコレクションなどがその時々の企画により展示されます。
最近は、「アジア・アフリカの布」(2021/04/02〜2021/04/23)、
「日本の郷土玩具」(2021/01/14〜2021/02/12)、
「徳川将軍家を訪ねて ―江戸から令和へ—」
(第Ⅰ部2020/10/03〜2020/10/24、第Ⅱ部2020/11/07〜 2020/12/05)などがありましたが、
現在は本学の創立100周年を記念して
「想い出の昭和女子大学・三軒茶屋写真展」(2021/05/14〜2021/06/20)が開かれています。

https://museum.swu.ac.jp/

今日私もこの展示を見てきました。
創立以来の様々な場面の写真や品物が当時の先生方の証言録などとともに掲示されていて興味深かったのですが、私が最も興味を惹かれたのは、第二代理事長人見楠郎氏によるベルのコレクションでした。
学園らしく授業の開始・終了を合図するスクールベルのほかに、
卓上に置く卓鈴、馬車鈴、電車やケーブルカーの発車を合図するベルまで。
      

  

日本だけでなく、アジア、アフリカ、北米、ヨーロッパなど世界各国からのベルのコレクションは、
その形も愛らしかったり、美しかったり、荘厳だったり・・・。
このコレクションは「到来を報せるベル」と名付けられ、第二代理事長の時代に女性が活躍する新しい時代の到来を告げる象徴として収集されたのではないかと考えながら、展示を楽しみました。
キャンパスにはカリヨンと呼ぶ大小21の鐘が設置されていて、現在も授業開始前にメロディーを奏でます。
風に乗って運ばれるベルの音色には、電子音にはない心地よさがあります。
次にキャンパスを訪れる際には、是非カリヨンの音色を聴いてみてください。

(YN)

日文ブックリレー第9回 [2021年05月24日(月)]

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第9回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回は3年のお2人です👏

①YHさん💠

自粛期間中に羊毛フェルトを始めたらとても楽しくなってしまったYHです。
今回私が紹介させて頂く作品は森見登美彦さんの『四畳半神話大系』です!
*・゜゚・*:.。..。.:*:.。. .。.:*・゜゚・*
主人公である「私」は冴えない大学三回生。
思い描いていた薔薇色のキャンパスライフとは程遠く、うだつの上がらない日々を送っていた。
悪友の小津には振り回され、謎の人物である樋口師匠にはこき使われ、後輩の明石さんとの恋路もうまくいかない。
はたしてどこで間違えてしまったのか。そう、あれは一回生の時のこと……。
はたして「私」は薔薇色のキャンパスライフを手に入れることができるのか、明石さんとの恋の行方はどうなるのか!
*・゜゚・*:.。..。.:*:.。. .。.:*・゜゚・*
この作品は4つの短編で構成されていて、一回生のサークル選びによって枝分かれした4つの並行世界の出来事を描いたものです。つまり短編は同じ時系列の、違う世界での話、パラレルワールドを描いているのです。
4つの短編は出だしは全く同じ文章で始まります。そこから主人公の行動によって環境や人間関係が変わるのですが、少しの行動の違いが大きな違いに繋がる様子が丁寧に描かれています。
私はもともと森見登美彦さんの大ファンで、この本に出会ったきっかけも作者さん繋がりでした。
森見登美彦さんの独特の世界観とあり得ないのにどこか共感できる大学生活が面白く、「私もあの時こうしていたら今は違う生活をしていたのかな」と考えさせられます。
そして私がおすすめする理由は何といっても語り口が面白いというところです!固さとユーモアが混在する私目線の物語はなんとも癖になり、何度も読み返したくなるほどです。
大学生達の青春物語を描いた「四畳半神話大系」は大学生活のわくわく感を詰め込んだ物語です。
是非読んでみてください!
次は最近バイオハザードにハマっているMMさんよろしくお願いします!

②MMさん🔪

みなさんこんにちは!
バイオハザードにハマっているM.Mです。

興味のある方、私と一緒にゾンビを狩りに行きませんか?
今回私が紹介させていただくのは、吉本ばななさんの「キッチン」です。

「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」

この一文から始まるこの本の主人公の桜井みかげは、同居していた唯一の親族である祖母を亡くしてしまい、途方に暮れていた。
そんなとき、一緒に住まないかと言ってくれたのは、祖母の知り合いの大学生の田辺雄一だった。みかげが田辺家のキッチンを気に入ったことにより、雄一とその母(?)のえり子さんとの奇妙な同居生活が始まる。

この本は「死」や「孤独」が題材であり、その辛い体験をそれぞれの登場人物の中でどのように整理し、昇華していくかが重要なポイントになります。

登場人物は少ないですが、一人一人のキャラクターがとても魅力的に描かれています。
特に雄一の母親のえり子さんは、美しく潔い生き方をしていて、読む人に強い印象を与えます。

テーマとしては暗いですが、それを乗り越えていくエネルギーを持った主人公たちが描かれているため、読み終わるとすっきりとした気持ちになれます。

物語的にも長くはないため、手に取りやすい作品ではないかと思います。
是非読んでみてください👍

次は、最近車の免許を取ってよくドライブに行っているM.Sさんお願いします!

引き続き更新していきます✨
(CC)

冷泉為人先生による特別講義 [2021年05月21日(金)]

<日文便り>

日文開設科目「メディア論」にて、本学特任教授・冷泉為人先生による特別講義が行われました。
和歌の家元として、古典籍を今に受け継いでいらっしゃる冷泉先生から直接、
京都・そして冷泉家の歴史と文化についてお話しいただきました。
緊急事態宣言下ということでzoomでの開催となりましたが、
先生から紡がれる言葉の一つ一つが、圧倒的な実感をもって伝わってきます。
歴史とは、伝統とは。
それらが単なる事実としてではなく、情(こころ)を通して実感できる時間でした。
歴史とは事実の羅列ではない、それをどう受け止めるか、どう考えるか。
それこそが研究、と冷泉先生。
学生たちにとっても、単に知識を得るのではなく、聴いている瞬間ごとに発見し、
そこから心を動かし、考え始める、そんな機会になったようです。

 

以下、講義を受けた学生達の感想です。
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■欲しい情報をすぐに検索できるような時代になり、
知識や教養を自分から能動的に得ようとする人が減ってしまっている。
今回の授業を通して、冷泉為人先生自身から京都のこと、
冷泉家のことを聞けたことは、検索して情報を得るのとは違った意義があったと感じた。

■とても貴重な機会を頂いたことに喜びを感じると共に、
文学的にも日常の生活的にも改めて考えるべきことが見つけられたような気がしました。

■『古今和歌集』仮名序と夏目漱石の『草枕』が同じことを言っているのではないかというお話が印象的でした。
読んでそれに気づいた時は嬉しかったと仰っていて、
私も何かを読んだ時にそれまでの知識とつなげて新たな発見をし、
「嬉しい」と感じるようになりたいと思いました。

■今回のお話を聞いて、人が古典や伝承を大事に受け継いで研究し文化としてきたことの意味が、
単に昔のことを知りたいからということではないということが理解できました。
そして、実際に歴史と文化を守り継いできたからこそ、
その大切さをさらに次の世代へ伝えていくことができるのだと思いました。
また、このような状況だからこそ自分がどのような人と関わり、
どのように人に影響を及ぼすのかについて考えなければならないと感じました。
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(須永哲矢)

夢を見た [2021年05月11日(火)]

<日文便り>

4月から日文に移動してきました田中 均です。
図書館学の科目を受け持っています。皆さん、どうぞよろしく。

さて、皆さんは寝ているときに夢を見ますよね。
アメリカ心理学会(APA)が1993年と2009年の2回、
10~80代を対象に夢に関する調査研究を行ったところ、
カラーの夢を見ると答えた被験者の割合は、
30歳未満が約80%に対して、60代ではわずか20%程度という結果が得られました。
この差違の原因をカラーテレビの普及と関係づけているところが、この研究の面白いところです。
皆さんはカラーの夢を見ますか?私はめったに見ません(見た夢をあまり覚えない方です)。

では、匂い付きの夢を見ることはありますか?私は一度だけ経験したことがあります。

それは図書館員をやめて、昭和女子大学で教員になって数年経った頃のことです。
夢のなかでの私は、図書館の地下の閉架書庫で一心不乱に書架整理作業を行っていました。
(閉架書庫とは利用者があまり入れない長期保存のための書庫です)
この作業は、本に汚損・破損は無いかや背表紙を揃えて綺麗に収納されているか、
きちんと所在記号順に並んでいるか等をチェックします。
図書館の本には、背表紙下に小さなシールがありますよね。
そこに書かれている番号の通りに並んでいるかを目視で確認していきます。
単純で根気のいる作業なのですが、
慣れてくるとダダダーと相当なスピードでチェックできるようになり、
それなりに面白くなってくるものです。私は好きな作業でした。
さて、夢のなかの私は、シーンとした静寂でひんやりとした空気、
乾いたコンクリートと本のかび臭い匂いのする懐かしさを感じる雰囲気のなか、
黙々とその作業を続けていて、
ふと「ああ、やっぱり落ち着くなぁ」と思ったところで目が覚めました。
それが、匂い付きの夢を見た最初で最後の経験です。

まぁ、冷静に振り返ると枕元に置いてあった「カビっぽい古本」が原因だと思うのですがね。
ちなみに、新刊書にブックカバー(保護カバー)を掛ける作業も好きでした。
どうやら手作業系の作業が好きだったようです。

(田中 均)

*イラスト提供 パブリックドメインQ:著作権フリー画像素材集 https://publicdomainq.net/

日文ブックリレー第8回 [2021年05月10日(月)]

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第8回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回は3年のお2人です👏

①EHさん🏺

初めまして!

アニメ、漫画、アーティスト…あらゆるジャンルにハマっていますEHです。笑

語れるかは分かりませんが日々情報収集をして楽しんでます!!

今回私が紹介させて頂く作品は

宿野かほるさんの『ルビンの壷が割れた』です。

婚約が決まっていた一馬と未帆子の2人は順調な日々を送っていると思われていましたが、
結婚式当日彼女が失踪し行方不明に…かつて恋人だった未帆子のことが忘れられずメッセージを送り続ける一馬。物語の冒頭はそんな一馬のメッセージから始まります。

1冊を通して互いのメールのやり取りで物語が進行してゆき、どんどん明らかになる真実。
そしてふと気づいた時に感じる違和感。その違和感が少しずつ、少しずつ積み重なり、想像を超えた展開へ導かれていく衝撃的な作品となっています。

(実際私も初めて読んだ時は驚きすぎて放心状態になりました…そして読み返しました。笑)

メール形式のためスラスラと読めますのでスキマ時間を活用したいとき、本を読みたいけれど手が出せない時にお勧めできる読みやすい作品です。

是非読んでみてください!!

次はこんな私からありとあらゆるものを布教されているYNさんです!

②YNさん💛

日文っぽい小物をあつめるのが趣味のYNです✿

解答用紙のファイルと読書記録が未だにもったいなくて使えてません。

✿わたしが紹介するのは乙一氏のホラー短編集『ZOO』です。2巻があり、1、2巻合わすと全16の短編からなります。

✿ホラーといっても、幽霊・怪奇・ミステリーではなく、変わった環境下での人間の行動・心情を描いた作品が含まれています。人の死やショッキングなシーンがあるので、苦手な方は注意してください。

わたしが一番好きな話は1巻の「SEVEN ROOMS」です。

ある日誘拐された姉弟は下水の流れる小さな溝以外は出口のないコンクリの部屋に閉じ込められます。体の小さな弟が下水を通ることによって他の部屋にアクセスし、他の部屋にも人が閉じ込められていること、順番に殺されていることを理解します。

そしてついに自分たちが殺される日、犯人に復讐を企てます。

「SEVEN ROOMS」は人が殺される表現が多く、また手放しで喜べるエンディングではないので、本を読んだ後の物語の世界に浸る感覚が長く続きます。短編にもかかわらず物語に引き込まれる作品です。

次は羊毛フェルト職人のYHさんおねがいします✿

引き続き更新していきます✨
(CC)