教職履修者を対象に教育実習直前講座を行いました。
講師は、川合正先生と中村敦雄先生です。
初日には、川合正先生から教師の心構えを学びました。
授業が始まるとすぐに先生は布製のラグビーボールを学生に放り投げました。ゆるやかな弧を描きゆっくりと学生の手のひらに落ちました。近くに、遠くに、何度か繰り返します。次に、強く早く投げました。学生は受け止めきれず、ボールを落としてしまいます。先生は学生の手の届かないところに投げます。また受け止められません。
次に赤い輪っかを取り出して同じことを繰り返しました。布に比べて受け取るのが難しいようです。先生はそんな学生の様子を見て、手でキャッチしようとせず腕を伸ばして輪の中に腕を差し込むようにして受け止めることをアドバイス。すると学生はうまくキャッチできるようになりました。
「これは、ことばのキャッチボールなんです」と川合先生がひとこと。
ことばのやり取りは気持ちのやり取りなんですね。相手に強くきつく投げかけてしまうと受け止めてもらえず、お互い少し残念で、なんだか嫌な気持ちになるかもしれません。相手が受け止めやすいことばをかけてみると雰囲気が和んできます。教育現場も同じです。授業や生徒指導、クラス運営の中で、相手への配慮を心にとめながらコミュニケーションをとっていくと良いですね。
川合先生は、ケーススタディをしながら、その都度教師としてどうあるべきか、大切なことは何か、を学生自身に気付かせてくださいました。教育実習だけでなく、人生において大切なことを学んだ90分でした。
中村先生からは、二日にわたり模擬授業を指導していただきました。
授業に必要なのは教材研究です。授業で取り上げる教材をまずは「教員」である自分自身がきちんと読み込めているかどうかが重要です。先生は学生に問いかけたり、グループで考えさせたりしながら精読させていきました。
そしていよいよ模擬授業です。発問をどうすべきかを具体的に考えていきます。まずは小グループで話し合います。自分が考えた問題を生徒に問いかける際、どのように発問したら生徒が答えやすいか、どうすれば生徒の考える力を引き出す発問となるのか、だけでなく、授業中、生徒が考えている時にはじっくり考えさせる、生徒が発言しながら良い答えが出そうなときはじっと待つ、など簡単なようでなかなか難しいテクニックを教えていただきました。
教職履修者のみなさん、今回学んだことをしっかり自分のものにしてください。来年度はすぐそこです。4年生になって自信をもって教育実習を行えるよう、しっかり準備をしておきましょう。
川口