2011年5月

日記を読もう!! [2011年05月31日(火)]

こんにちは、松田忍です。

今年度私が、2年生と4年生の必修科目として開講している日本史通論では、戦時期の日記をたくさん集めてきて読み比べ続けています。日本史通論の講義計画は心を込めて組んだものであり、うまく受講者のみなさまに授業意図が伝わればいいなぁと思いながら、いつも話しております。でも、まぁ、講義そのものの話は機会があればそのうち。

さて日本史通論の講義を進めるうちに、副次的効果(?)としてか「昔の日記読むのは結構面白いですね」という感想を伝えてくれる学生が2年生にも4年生にも現れてきました。史料にご興味をもつ学生がいらっしゃることについてはとても嬉しく思っています。

NHKの特番などで「歴史史料」というと、専門家らしき人が白手袋をして、うやうやしく捧げるように持ってきて、しかも暗闇の中で格好良くスポットライトをあてて紹介されるのが定番ですよね。確実に劣化してゆく存在である「歴史史料」を扱うときに細心の注意を払わねばならないのはもちろんです。しかしあのような映像ばかりみていると、史料とは一介の学生の手の届かないところにある遠い存在なんだ、と印象づけてしまわないかということが些か心配にもなってきます。

実は「歴史史料」とはもっと身近なモノだと私は思っております。

特に、近現代史を専攻するにあたって、みなさんのもっとも近くにある「歴史史料」の代表格が日記ではないかと思うのです。職業別にも、政治家、軍人、官僚、小説家、村長、農業経営者、教師、主婦……とバラエティに富んだ日記が読めますし、時代別にも、明治、大正、昭和……となんでもござれです。翻刻されて出版された日記については、昭和女子大学の図書館にも所蔵されておりますし、また岩波文庫などにはいっている日記であれば数百円で購入することもできます。ということで今日は日記のガイドブックを2冊紹介いたします。

まず一冊目は御厨貴編著『近現代日本を史料で読む―「大久保利通日記」から「富田メモ」まで』(中央公論新社、2011年)です。この本は日本近現代政治史の研究者たちが力をあわせて史料紹介をした本であり、日記を中心とする四十数点の歴史史料が魅力たっぷりに紹介されています。日本近現代史をやってみたいなぁと思っていらっしゃる学生にお薦めします。

もう一冊は荒川洋治『日記をつける』(岩波現代文庫、2010年)。こちらは詩人である著者が近現代の日記の読みどころを優しく解きほぐして解説している本で、まるで語りかけられるような平易な書き口が特徴です。日本近現代史を専攻するつもりはあまりないのだけど、日記がちょっと気になっています、という方に推薦します。

以上、日記に私たちを誘ってくれる道しるべとなる本を二冊ご紹介いたしました。

古いモノを使う [2011年05月27日(金)]

植松勇介です。

小生は学芸員資格関連の講義・実習も担当しています。学芸員資格の取得を目指す皆さんにはできるだけ古いモノを手に取ってほしいと思います。

古いモノが並んでいるのは博物館だけではありません。骨董市や古美術店にも並んでいます。買う必要はないんですよ。実際に手に取り、重さや質感を確認してみてください。その経験を積み重ねることでモノに接する姿勢が身につき、モノの良し悪しを見極める眼が養われていくのです。

小生の周りには常に古いモノがあり、日々の生活のなかで使っています。ある日の夕食ではハマグリのパエリアを馬の目皿に盛りつけてみました。馬の目皿は江戸時代末期に瀬戸で焼かれた雑器で、渦巻き文様が馬の目を連想させたのだとか。

ちなみに、パエリアに炊き込んだハマグリは小生が遠州灘で採った天然物です。

車窓より [2011年05月26日(木)]

新富士駅を発車して(2011年5月25日7:05撮影)

日本美術史担当の植松勇介です。本年4月より昭和女子大学に赴任しました。

小生、東京の出身ですが、7年前に静岡県浜松市へ転居し、今も住んでいます。
ですから、大学には新幹線で通っています。

調べてみると、浜松-三軒茶屋の距離はおよそ260km。毎日が小旅行と言えそう
ですが、満員電車に詰め込まれるよりずっと快適です。車内で論文を読んだり、
インターネットにつないで調べものができますから。

静岡県在住で昭和女子大学の受験を検討されている方もいらっしゃるかと思います。
自宅から通学できますよ。小生が実践しています。

小生の研究分野については次の機会にお話ししましょう。

おひるね [2011年05月25日(水)]

五月ももう下旬ですね。

一年生のみなさまは大学生活には慣れましたか?レポートや試験続きで落ち着く暇もないかもしれませんが、ここでしっかり大学生活の基盤を固めておこう。そうすると、これからの伸びしろが違いますよ!

上級生のみなさは前期の半ばで疲れていませんか?五月病にかからず元気に過ごしていますか?

でも、頑張ろう頑張ろうとは思ってはいても、曇天が続いたあとのうららかな日にはどうしても瞼がおもくなっちゃいますよね think

今日のお昼には昭和之泉の鴨たちもご覧の通り。ぐっすりお休みでした。

見よっ!この毛並み!!

おっと、調子に乗って近づくと、

あぁん?!ゆっくり寝かせろや!

薄目で睨まれてしまいました。

目つきわるっ!

みなさんは鴨たちのようにはのんびりできないかもしれませんが、休むときにはしっかり身体を休めて、リフレッシュしながら、学業に励んでいこう 😛

どうも調子が出ないなぁということがあれば、気軽にクラスアドバイザーや学生相談室までどうぞ♪

研究棟前から松田忍がお伝えしました。

オープンキャンパス準備☆ [2011年05月23日(月)]

  school  5月20日 オープンキャンパスについての会議が開かれましたsmileshine

 今回も、たくさんの学生が参加してくださり、頼もしい限りです^^!!
皆さんとても真剣に、意見を出し合っていました。

オープンキャンパス当日は、在学生がアドバイザーとして参加し、
歴史文化学科とは?大学生活はどんなもの? 等々
さまざまな疑問にお答えします。
 
                 shine歴史文化学科shineらしさが出せるよう、工夫を凝らしてお待ちしておりますので、

 『歴史文化学科ではどんなことをを勉強しているの~catfacesun 』
 と少しでも疑問に思われた方
 是非一度、昭和女子大学歴史文化学科のオープンキャンパスにおこしくださいませflair

  皆さんのお越しを、心よりお待ちしておりますconfidentclover

ローカル線の旅 [2011年05月19日(木)]

cat民俗学担当の後藤です。
花粉症もようやくおさまり、happy01 旅に出たくなりますね。
ローカル線の旅sign01テレビ番組などでもローカル線はたくさん取り上げられていますが、
私の好きな磐越西線についてお話ししますbus
写真は磐越西線の車両です。
              downwardright

会津若松から新潟に向かう電車です。
山、山、山・・・とにかく山の中を走るこの線は、新緑clubがとてもきれいです。
(写真は8月の風景ですが、のどか~でいいでしょう)
沿線には、ラーメン、蔵で有名な喜多方sign03
町の所々には、素敵な喫茶店もcafe
蕎麦の里、山都町などがあり、途中下車してみませんか。
山都町一ノ木にある温泉spaは、駅から路線バスbusに揺られますが、
山の中にある静かな温泉。夜は星空nightも綺麗です。
ぜひ、爽やかな季節にローカル線に乗ってみませんか。

教育実習壮行会 [2011年05月14日(土)]

こんにちは、日本近現代史担当の松田です。

昨日、教育実習に赴く4年生たちを対象とする壮行会が5階演習室で開かれました。中には不安を口にするかたもいらっしゃいましたが、どちらかというと実習に対する期待に胸を膨らませて、「やってやるぞ」という想いのほうが勝っているかたが多く、たいへん力強い決意表明を聞くことができました。

決意表明のあとは各先生から激励と助言を行うという順序で会は進行いたしました。学科長の木下先生からは「教員になりたいという気持ちをしっかりもち、実習期間中は教員になりきること」「中高教育に心血を注いでいらっしゃるプロの先生方と並んて教壇に立つ以上、ミスや足りない点を指摘されても言い訳をせず、しっかりと受け止めて、成長の糧とすること」といった内容の激励がなされました。また教員経験のおありになる菊池先生をはじめとする先生方からも、かなり具体的な熱のこもったアドバイスがあり、和やかな会となりました。

実習日までは今しばらく日にちがありますので、しっかりと準備して臨んで下さい。実習後のご報告を楽しみにしております 😛

椎葉村へ行って来ました [2011年05月11日(水)]

 私は民俗学を担当している渡辺伸夫です。

  あなたは椎葉村がどこにあるかご存知ですか。
九州山岳地帯のど真ん中、宮崎県にある、熊本県と隣り合わせた山村です。
私は34年前の1977年から椎葉神楽の調査研究を進めています。その椎葉神楽が重要無形民俗文化財の国指定を受けて、今年20周年を迎えたのを記念して盛大なイベントが行われました。大型連休直前の4月29日(金)のことです。「椎葉の郷土芸能 その伝承を問う」というテーマのもとに、講演とシンポジウム、郷土芸能の夕べ、椎葉の文化財巡りなど濃密なスケジュールでした。私に与えられた役割は、シンポジウムにおける助言指導と郷土芸能の夕べの神楽曲目の解説で、これらはすべてテレビ生中継されました。

 私の話の内容は割愛しますが、
   右の写真をご覧ください。
 これは何でしょうか。
  

神楽の祭壇に供えられた猪の頭です。 

 

  尾前地区の神楽では、猪が奉納されると、その猪を仕留めた猟師によってシシマツリが行われます。猪狩りの山中の現場で行った儀礼を神楽の祭場で再現し、切り分けた猪肉を串にさして火に培り、それを参拝者に配るのです。300人を越す参加者は思わぬ趣向に大喜び。一切れずつ猪肉をいただきました。
ところがアナウンサーと私のマイク席は忘れ去られたまま、ひたすら神楽解説となりました。
 
  ところで椎葉村は、焼畑と猪狩りの伝承を書きとめた柳田國男の『後狩詞記』(1909年刊)によって、日本民俗学発祥の地として知られています。私も授業で椎葉村をよく紹介しています。今回のイベントには歴史文化学科の学生も参加し、椎葉村の山菜や猪肉など郷土料理にも堪能したようです。次回は夏休み中に椎葉行を予定しています。

 

 

 

 

 

気軽に本とつきあおう [2011年05月11日(水)]

おはようございます。松田忍です。

歴文のみなさまからご提出いただきました春の読書レポートを読み終えました。とは申しましても先生方で分担して読みましたので、私が読んだのはほんの一部でありますが。

着任一年目の今年は、みなさまからどのようなレポートが出てくるのかを楽しみにしていたのですが、力作が本当に多かった!!というのが第一の感想。特に補助線の引き方がうまい学生が多かったですね。つまり課題書を要約して、最後の二、三行で感想を書くだけでは読解に「深み」がでないですし、「読者を想定した文章」とはなりづらい。それを乗り越えるためには、たとえば「課題書以外の本や別の体験(補助線)」と課題書を組み合わせて比較することで、より深くその本の世界やその著者の世界に分け入っていき、その本とみなさんが「どのようにおつきあいしたのか」を解きほぐして記す方法があると思います。その方法をハイレベルにこなしている姿には昭和女子生の底力を感じ、たいへん嬉しくなりました。

その一方でレポート作成に苦しんだ学生がいらしたのもまた事実です。今回「苦戦しているなぁ」と私が感じたのは、意外なことに「真面目」な学生であるような気がしました。つまり「真面目」であればあるほど、「一冊の本を頭からお尻まで順番に精読していかねばならない」という思いが強いのでしょうか、その結果課題書の中で難易度の高い箇所に出会い、難所を越えられずに途中で挫けてしまったと思えるレポートもありました。

もちろん、課題書がみなさんにとって受け入れやすい本であり、つきあいやすいと感じたならば、頭から順に読んでいくというのでよいと思うのです。しかし本の読み方というのはもっと多様であってもいいと思います。

たとえばみなさんは美術展に行くとき「60点の作品を3時間で鑑賞するから、1点あたり3分ペースで見ていこう」と計算したりはしないでしょう?美学研究の修行のために、あえてそういう見方を自らに課している人もいらっしゃるのかもしれませんが、おそらくは10秒で通り過ぎる作品もあれば、1時間以上立ち止まる作品もあるという感じではないでしょうか?あるいは一回入り口から出口まで、ざーっと歩いた上で、もう一度後戻りして、気になった作品をじっくりと鑑賞するという方法もありますよね。そして1点の作品を深く見ることで、その隣に並んでいた作品や最初は10秒で通り過ぎた作品にも興味が湧いてくる、美術展の企画者の意図もおぼろげに見えてきたりとか。

本とのつきあい方も同じで、もっと気楽でいいと思うのです。「おわりに」から読んでもいいし、「目次」から読みたいところを探して読んでもいい。著者の名前でOPAC検索をかけてみて、他にどんな本を書いているのかなぁと思いをはせてみてもOK。好きに「おつきあい」してみてください。自由にやれといわれても逆に困りますというのであるならば、一つだけアドバイスを。せっかく買った本であるならば「もうだめだ!何が書いてあるのかわかんない!!」と思っても、最後までページを「めくってほしいな」と思います。ここでいう「めくる」とは文字通りの「めくる」でして、「読む」必要はない。ただページを一枚一枚眺めていく。もしかしたら興味深い図表があるかもしれませんし、美しい写真が載っているかもしれない。あるいはまた読めそうな部分が出てくるかもしれない。最初から最後まで同じリズムで読む必要はない。本を「おしゃべり」などと同じような気軽な体験として、楽しんでほしいなと思いました。

歴史の常識とは何だろう。 [2011年05月10日(火)]

 古代エジプトを専門にしている吉成です。
最近思ったことを書こうと思います。
 教育実習に行った学生が、実習先で「常識がなくて模擬授業が成り立たない。困ったものだ。」と酷評されたということが学科の会議で話題になりました。「常識」というのが、授業のテーマの内容に関する知識ということと理解して少し考えてみたいと思います。自分の学生時代をふり返ってみると、大学の史学科に入学したのは、古代エジプトを専門に勉強したいと思ったからで、学部,大学院を通して、古代エジプトの勉強ばかりしていてそれ以外の時代や国の歴史についてはまったく興味が湧かず、関係する本など読まなかったし、授業も受けなかった、古代エジプト語の学習と古代エジプト関係の原書の読破にエネルギーを集中していたと思い出します。高校時代も歴史は得意科目ではなく、世界史は赤点状態で、古代エジプト以外は関係ないという感じでした。教職は眼中になかったので教育実習にも行かなかったのですが、もし行っていたら話題の学生さんと同じ様なことになっていたかもしれません。ただ大学の教員になってからは、一般教養の西洋史を担当する様になって授業の必要から古代エジプト以外の歴史も勉強する様になり、そこで得た知識をヒントに自分の専門の分野での視点を変化させたり、研究対象の枠を広げたりすることになりました。結局、自分が興味を持ち、自分の問題と意識できなくては、知識は他人事のままで、たとえ授業で講義を受けても身につかないということだと思います。教育実習に行く前に通史を講じてもらえば恥をかかずに済むのにとか、歴史の教科書を丸暗記しておけば何とかなると考える人が居ると思いますが、それは違う様な気がします。将来、教育実習に行こうと思っている人は自分で考えて何をするのがよいのか、何が必要なのか色々と工夫してみて欲しいと思いました。まとまらない話でしたが、最近考えた事でした。