2020年1月

授業紹介:文化財保存学基礎 Part3 [2020年01月26日(日)]

こんにちは、歴文1年のAとIです。今回は、昨年10月17日に文化財保存学の授業の中で行われた上田ターニャさんの講演について紹介します!

上田さんは、アメリカ・ボストンにあるボストン美術館(Museum of Fine Arts、略称MFA)において修復のお仕事をされています。MFAでは明治時代に岡倉天心がアジア部門の部長を務めていたため日本の美術品が多く収蔵されていて、またアメリカ最古の東洋美術修復所があります。

私たちは、この夏にボストン・サマーセッションに参加し、その際田中先生と一緒にMFAなどを見てまわり、お話を聞かせていただく機会に恵まれました。MFAでは美術品修復の様子が一般の見学者にもガラス越しに公開されています。こういった試みはまだ日本ではあまり行われておらず、とても面白い試みだと感じました。

 

 

 

 

↑夏にMFAでみた”Conservation in Action”の展示。仏像(左)と油絵(右)を公開修復していました。

 

今回の日本での上田さんの授業では、MFAのなりたち、Conservation and Collection Managementの組織について、そしてそこでどのようなお仕事をされているかなど、詳しく伺うことが出来ました!

MFAには、7つの工房があります。

1.アジア絵画、浮世絵版画

2.家具、額、楽器

3.立体修復

4.西洋絵画(油絵)

5.紙本修復、写真

6.染織品や衣装

7.分析部(年代測定など)

その他所蔵品を管理する部門や、5万点程ある版画を額に入れる職員、立体物を収納・固定する職員がいます。

その中でも私たちが特に興味を持った部門はアジア絵画です!MFAのアジア絵画の工房では、主に日本絵画や中国絵画を取り扱っています。

日本絵画の工房は、日本の工房と全く同じ作りになっており、畳敷きの部屋に低い机を使って作業しています。外国の方が日本人のように正座をして緻密な作業をしている姿がとても印象的でした!一方、中国絵画は主に立って作業を行います。大きな作品が多いため、修復にはかなりの時間を要します。あまりにも大きい作品はギャラリー内で修復することもあり、その様子を間近に見学することが出来ます!

実際に見学者の方には人気なのですが、多くの人に見られながら作業するため当初は職人さんが嫌がることが多かったそうです(笑)。MFAではこうした修復作業の展示化が早くから行われていて、修理中の作品の全体像が分かるように壁に飾ってあったり、X線写真等の中身が見えている写真を説明文と共に掲示してあったりと工夫が凝らされています。

アジア絵画の修復は他の分野に比べて認知度が低く、工房はかなり少ないそうです。上田さんのお話では、現在後継者の育成に力を入れており、インターンシップなどを通じアメリカ人学生を増やしたいとのことでした。MFAのスタッフの方々の活動はもとより、このブログを通してアジア絵画修復のことを皆さんに知って頂けたら幸いです。上田さん、ご講演頂きまして本当にありがとうございました。

OGがいらっしゃいました! [2020年01月25日(土)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

土曜日に大学にきて、ぼちぼちと事務作業をしていると、2014年度卒業のOG2人から「今大学にいますか?」と突然連絡がはいりました。下北沢で一緒に遊んでいて、そのままの流れで「大学に行こう!」となったとのこと。こういう来訪は大歓迎ですので、お迎えいたしました。

立派な卒論を書き上げたおふたりだったのですが、歴史に対する好奇心や知識は今も健在でした。現在のゼミ生が進めている戦後史の研究の話をすると、ものすごい食いつきっぷりでありまして、たいへん楽しく議論をいたしました。また転職したり仕事を続けたりと人生の選択はありつつも、ガッツをもって充実した生活を送っていらっしゃることがお話と笑顔から伝わって参りました。たいへんよろしい!笑

たまたま2人は松田ゼミ出身ですが、それ以外のゼミ出身者であっても、本当に歴文はたくさんのOGが「帰って」きます笑 顔写真をみて懐かしいと思ったそこのあなた!ぜひ歴文に顔を出して下さい!

ではでは。

 

【やられたらやりかえす!】松田先生紹介 [2020年01月12日(日)]

あけましておめでとうございます。歴史文化学科4年のYです。

私は、戦後史史料を後世に伝えるプロジェクトのメンバーでもあり、日本近現代史ゼミのメンバーでもあります。

以前、「戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト」のメンバー紹介を松田先生が記事に書いてくださったので…「【やられたらやりかえす!】松田先生紹介」をしたいと思います!

松田先生を紹介する上で最も忘れてはいけないところが、松岡○造ばりに「熱い‼️」ところ!

昭和女子大学自体がとても学生の面倒見が良い大学なのですが、松田先生は特にめちゃくちゃ「熱い‼️」(笑)

歴文ブログの色々な記事を読んで頂くと分かるかと思うんですが、学生をホントによく見ていらっしゃいます!その上で、プロジェクトでもゼミでも、学生ごとの向き不向きや限度を分かった上で、個人にあった指導をしてくださいます。

たこパの最中でも熱血卒論指導!(すぐ隣ではたこ焼き食べてるのに笑 たこ焼きの煙でぼやけています)

学生それぞれをよくご覧になっているので、「そのままの自分では無理ですが」「少し頑張ったら出来て」「少しずつ成長できる」位のギリギリの難易度の課題をいつも出されるので、「できません!」ともいえず「やるしかない」境地に追い込まれます(笑)

さらに時として鬼かと思うほどの指導も入ります。プロジェクトの文化祭パネルの章構成は文化祭1週間前に確定をするまでに5、6回書き直しています。松田先生は妥協の「GO」を出さず、にこやかに「ダメ」とおっしゃります。しかも悔しいことに「ダメ」な理由も丁寧に説明されて、学生自身にも理解できてしまうから、またしても「やるしかない」境地に追い込まれます(笑)

学生は「もう!!何回やるんだ!」と言いつつも悔しいので頑張る、先生に出す、直され叩かれる、悔しいから頑張る…そんな繰り返しをしています。

それは卒業論文指導についても同じでした(なんとか1月8日に提出できました!)。何度も何度もチェックを受け、細かいところやニュアンスなど、どうしたら伝わるかを考え「松田のチェックは不要です!」とGOを受けてから印刷に入りました。

卒業論文を書き終えたゼミの仲間たちも「先生と面談すると読む本が増える…!!」「先生と面談したあとは必ず卒論の章構成が変わる!!」「提出直前で書かなきゃいけない章が1個増えた!!」と個人指導の思い出を語っています。

無残にも真っ赤っかにされてしまった私の卒論原稿

しかし叩かれても私たち学生が頑張れる背景には、「原稿を出したら必ず何か『次に繋がる導き』をもらえる」という信頼があるからだと思います。

そして、この信頼の影には返信の速さが!!時には、真夜中でも返信きます(笑)

松田先生紹介の二つ目がサポート力‼️

プロジェクトで議論を進める際の情報共有ツールとして、「onenote」があります。「onenote」を私たちが使うときには、既にたくさんの新聞記事や取り上げる被爆者の情報、被爆者の記事、アプリ内のフォルダ設定などが用意されていて、活動記録を共有する土台を整えてくださっていたので、後々の確認や取材を受けるときには大変活躍をしました。

プロジェクトを進める環境が整っていたのは、松田先生だったからこそだと思います!

被爆者インタビュー時の質問もキレッキレ(インタビューの仕方も見よう見まねで学べました)

そして、最後に取り上げるのが、松田先生の人当たりのよさ!

基本的に誰にでも話しかけていくスタイルの松田先生(笑)

先生のパソコンに入ってる写真は学科の学生の名前と顔が分かるように分類されていて、「あの学生は誰だ?」となったらそれで確認するそうです(笑)

授業じゃなくても本気!プロジェクト展示にやってきた歴文生にも激アツ対応

プロジェクトを頑張っていた1年生は、月曜1限の松田先生の授業「歴史学概論」を受けて、「大学最初の授業でいろいろと緊張してたのですが、松田先生の人当たりの良さで楽しく授業受けられました!笑笑 もちろんいい意味で!ですよ!」と語ってくれました~

そんな松田先生のもとで取り組んできたプロジェクトも2年目を終えようとしています。既に次に向けて動き出したところですが、来年はどんな展示になるのか、引き続き研究を進めていきたいと思います!

頑張っている学生を放置することもたまによくある

以上、「やられたらやりかえす松田先生紹介」でしたー!


(以下、松田コメント)

この記事をアップした時点で、何名かのプロジェクト学生が「仕返しに(?)松田紹介記事を書く」といっていたのですが、このほど本当に送られてきました笑 「このまま載せろ!」とのことなので、検閲なしでアップします。(松田忍)

原典講読でリヒテンシュタイン展を鑑賞しました [2020年01月10日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

私が担当している「原典講読」という授業は、おもに西洋史ゼミへの所属を希望する2年生を対象としたもので、西洋史関連の日本語や英語の文献を輪読したり、受講者各自が関心があるテーマを報告してもらったりしています。また「手で考え、足で見る」という歴文のモットーに基づき、羽ペンや羊皮紙を作るような実習型授業にも力を入れています。

今回はそうした試みの一貫として、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「リヒテンシュタイン展」を鑑賞しました。ご存知の方もいると思いますが、リヒテンシュタインは人口3万5000人程度の「ミニ国家」であり、リヒテンシュタイン侯が実質的な国家元首を務めるユニークな国家です。リヒテンシュタイン家は14世紀から20世紀初頭までハプスブルク家に仕えており、優れた芸術工芸品を蒐集することを家訓としていたとか。今回の展覧会ではその非常に貴重なコレクションを味わうことができまた。

鑑賞風景1(撮影可能エリアにて)

以下では学生の学生をご紹介します。

…現在世界で唯一、家名が国名になっているのはリヒテンシュタイン侯国だけである。その伯爵家の人々が長年かけて集めてきたコレクション。明るく、華やかで癒される作品が多いように感じた。そこから、今も昔も美術は人々に大きな影響を与える力をもっていることがよく分かった…。(歴文2年Aさん)

…一番興味深かったのは中国で生まれた景徳鎮にブロンズの装飾金具が付けられた陶磁器である。他国で生まれたものに改めて装飾を加えるというのは今までに見たことがなかった。東洋の技術で絵付けされた壺に西洋のデザインの装飾を付されているというのは調和しない気もするが、描かれた絵と金具の桑の実などが綺麗に噛み合い、一つの作品として成立しているのが見ていて何とも不思議な心地にさせられた…。(歴文2年Bさん)

…今回展示されていた花卉画はどれも写実的で、鮮やかな色彩と色々な種類の植物が一枚の画面に収められている様は、たしかに人目を惹く。展示解説によれば、リヒテンシュタイン侯フランツ一世は「花の皇帝」と呼ばれていたそうだ。昔の皇帝が現代人と同じく花卉画に魅了されていたと考えると、花卉画は流行に左右されない、普遍的な美しさを持つテーマの一つなのかもしれない。画家ごとに花卉画を見比べると、花・果実・動物の描き分けに秀でた者、葉の表現が肉厚な者、花を挿している磁器や金属の表現が細密な者、明暗の効果で大胆に花を魅せる者、とそれぞれの個性よく表されていて面白かった…。(歴文2年Cさん)

鑑賞風景2(撮影可能エリアにて)

昭和女子大学の歴史文化学科では、一年次より「博物館・美術館の見方」を徹底的に教え込んでおり、また最近ではテンプル大学との連携したグローバルな企画も積極的におこなわれております。そうした教育の成果か、芸術に作品に対して主体的かつ真摯な態度で向き合い、そこから多くの情報を読み取ろうとする学生が多い印象を受けました。西洋史に限らず歴史文化に関心があり、それを深く味わう方法を学びたいと考えている受験生の方がいましたら、ぜひ「昭和の歴文」を検討してみて欲しいと思います。

京都鉄道博物館にいってきました! [2020年01月03日(金)]

あけましておめでとうございます。松田忍(日本近現代史)です。

私は京都生まれでありまして、正月はだいたい京都で過ごします。せっかく京都に帰るのだからということで、1月2日にはとにかく京都を歩き倒して、いろいろなものを見倒すことを毎年の通例にしております。

今年もいろいろと回ったのですが、そのなかから京都鉄道博物館を紹介します。

京都の梅小路にはもともと蒸気機関車館があったのですが、2016年に京都鉄道博物館としてリニューアルオープンしました。鉄道の技術史や体験コーナーなども面白いのですが、大きな見どころは2つです。

1つ目は扇形車庫。

上の写真をみていただくと、線路が放射状に延びているのが分かるかと思います。写真の上部には機関車を収容する車庫が20箇所並んでいます。そして車庫からだした機関車を、中央のターンテーブルのようなもの(転車台)を利用して、任意の線路へとだすことができます。20台もの機関車を収容可能なわりには非常にコンパクトです。

扇形車庫は日本にも数カ所しか残ってないのですが、京都の梅小路では完全な形で保存されています。

2つ目は旧二条駅舎。

なかなか立派な駅舎でしょ!?この二条駅は私の実家の最寄り駅でもありまして、密かに子どもの頃の誇りでした笑 二条駅は京都御所に近いことから、行幸・行啓に利用されることもありました。そのため駅舎内には貴賓室もあります(一般公開されたこともあるみたいですね~)。山陰本線が高架化される時に駅舎としての使命を終えて撤去されましたが、文化遺産としての価値が惜しまれ、京都鉄道博物館の敷地内に移築されて、ミュージアムショップとして利用されています。

さてここ梅小路にはたくさんの蒸気機関車があり、動態保存(今も動く)されているものもあるのですが、B20形蒸気機関車を紹介してみます。

トーマス君に近い形をしていて、子ども達にも人気の機関車です。機関車というのは重さに比例して牽引できる貨物量も増える傾向があるのですが、このB20形はわずか20トン。戦争末期につくられたこともあり、無駄を省いた形状をしており、それが今となっては逆に可愛く見える原因なのかな~と思ってみたり。

京都に旅行する歴文生はかなり多いですが、京都に旅行して鉄道博物館にいくこともなかなか少ないかなと思いまして、あえて紹介してみました笑 琵琶湖疎水蹴上インクラインなどの産業遺産もオススメです。京都にお越しの際は是非!