皆さん、こんにちは。
今回は、歴史文化学科の3年生が、注目されている「アーキビスト課程」について三野先生に質問しました。アーキビストに少しでも興味がある方、必見!後半です!
-「認証アーキビストと認定アーキビストは、どのような仕組みなのかを教えてください。」
三野先生「現在、アーキビストに関わる公的な資格としては、2年前から始まった国立公文書館の認証アーキビストという制度があります。
これは長い時間をかけてやっとできた、アーキビストに関わる公的な制度になります。
国立公文書館の館長が「あなたはアーキビストとしての知識と技能と経験を持っています」ということを認めるというのが認証アーキビスト制度です。国家資格にはなっていませんが、一番それに近い資格になります。注意点としては、司書や学芸員、教職などの資格とは位置づけが違う面があるということです。司書資格も学芸員資格も教員免許も、所定の課程を修了すると取得できます。資格を持って就職を目指すというものになります。
認証アーキビスト制度の場合は、既にアーキビストとして仕事をしている人をアーキビストとして認証するという制度という点に違いがあります。順番が逆になるわけです。
これは、アーキビストの専門性をまずはしっかり定めないといけないということで、こういう制度のあり方になりました。なので、ハードルが非常に高いのです。
まず、知識と言う点では、大学院で所定の課程を修める必要があります。
能力という点では、アーカイブズに関する論文を書く必要があります。
経験という点では、実際にアーカイブズないし図書館・博物館も含めた関連機関で、アーカイブズに関わる仕事を3年ないし5年勤めた経験が必要になります。
これらを満たした人をアーキビストとして認証するっていう制度になります。これまでになかった「アーキビスト」という職務の内容を厳密に定める必要があるのはよくわかります。
しかし、そもそもアーカイブズやアーキビストが社会であまり知られていないなかで、認証アーキビスト制度は普通の人がアーカイブズを知る機会にはなかなかならない点に大きな課題があります。
司書も学芸員も教員も、資格取得を目指してまなぶなかで、それぞれの機関の社会的役割について深く理解することができます。認証アーキビスト制度にはその点に大きな課題があると思います。」
三野先生「昭和女子大学の認定アーキビスト2級というのは、学部で所定の科目を修めれば取れる資格になります。アーキビストとして必要な一定程度の知識と経験があるということを認定するということです。司書資格や学芸員資格と同じように、アーカイブズやアーキビストについての知識を持っていることを認めるわけです。
大学で認定するものなので、国家資格というわけではありませんが、アーカイブズに関して勉強しましたという証になります。
学部でアーキビスト教育を本格的に取り組んでいるのは昭和女子大学と別府大学くらいしかないので、学部でアーカイブズについて本格的に勉強したということは、今の社会の中では、ものすごくレアなわけです(笑)。なので、これは堂々と勉強しましたと言えるし、言ってほしいです(笑)。」
③に続きます!