教員よもやま話

光葉同窓会大分支部出張&宇佐散歩 [2019年07月07日(日)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史担当)です。

2019年6月20日に光葉同窓会大分支部に出張してまいりました。

本学は、地方出身の学生たちを数多く受け入れて教育し、社会の要望に応えてきた長い歴史があります。その結果、昭和女子大学の同窓会である光葉同窓会の会員のみなさんは全国各地にいらっしゃり、今回訪問した大分支部でも幅広い年齢層のOGのみなさんが旧交を温めていらっしゃいました。アドミッション部から派遣された私は、本学の近年の活躍やニュースをお伝えして、地方にお住まいの受験生の皆さんに、さらに多く本学を受験していただくようお願いしてまいりました。

さてこうした出張の機会も生かして各地の歴史を訪ね歩くのが歴文スピリッツであります。今回は遠方であったため前日入りしたわけですが、空いた時間に宇佐を散歩してまいりました。歴史好きの皆さんならご存じの宇佐八幡神託事件で有名な宇佐です。

もちろん宇佐神宮も訪問しましたが、宇佐で私がみたかったのが掩体壕です。宇佐にかつて存在した飛行場には、航空母艦から発着して敵艦船を攻撃・爆撃する飛行機の搭乗員を養成する宇佐海軍航空隊が置かれていました。

歴史学概論の授業にて、歴文1年生たちと一緒に読んでいる戦時期の日記にも掩体壕が登場するため、是非その写真を撮ってきたいと思っていました。掩体壕は飛行基地の近くに置かれるものでありまして、敵の空襲から航空機を守るためのコンクリート製の壕であります。

下の写真が「城井1号掩体壕」の写真です。

全国各地に残る他の掩体壕はコンクリートむき出しになっていることが多いのですが、城井1号掩体壕は草でおおわれており、擬装されていた往時の姿が再現されていました。

宇佐海軍航空隊の遺構は掩体壕のみかと思っていたのですが、地元のみなさまのご努力によって、多数の戦史遺跡が残されていることには驚きました。

戦史遺跡をめぐるサイクリングコースも整備(私は徒歩で回りましたが)

爆弾池。ちょっと見づらいですが、中央にある直径10メートルのくぼみは空襲の際にできたものとのことです。のちほど資料館でみた航空写真では飛行場一帯に無数のこうした穴ができており、最大のものは直径30メートルに達したそうですが、ほとんどが圃場整備によって埋め立てられたそうです。ただここのくぼみだけは戦争の記憶を残したいとの所有者の意向があり、現在まで残っているそうです。

戦時期にはコンクリートで舗装されていた滑走路は現在も一直線の道路として、その痕跡をとどめています。

水田の真ん中にあるこんもりとした緑のふくらみ。これとて戦争遺跡です。正面に回ってみましょう。

半地下構造のコンクリート遺稿ですね。通信室として使われていたと考えられているそうです。

他にも用途不明とされているコンクリート遺稿がありました。こちらが正面なのですが、裏に回ると……

コンクリート側面に残された機銃掃射のあとが多数。コンクリートが欠けている部分は銃痕です。ただ表面に傷を付けるに留まっており、非常に強固に建築された建物であることがわかりますね。

宇佐海軍飛行隊で訓練を受けて各部隊に配属され戦死した人々は多数いらっしゃいます。1945年に飛行隊関連の人々の霊をなぐさめるために建てられたのが下の忠魂碑です。こうした碑は空襲によって埋もれてしまい行方がわからなくなったものもあります。宇佐のこの忠魂碑もまた地中に埋もれていたものを地元の方が掘りおこし、のちに神社へと移転されて祀られているものです。

宇佐海軍飛行隊の門標もまた横倒しになった形で地中に埋もれていました。それを掘りおこして引き起こしたものを現在みることができます(下の写真はレプリカです。実物は写真奥に写っている建物「宇佐空(うさくう)の郷」に保管されており、実際にみることもできます。「宇佐空の郷」の所在地は「宇佐市大字江須賀字正門」となっているそうでして、今もなお「正門」の地名に、飛行場の名残が残っているのは面白いですね。

今回は大分県立歴史博物館は閉館中だったのですが、宇佐八幡、歴史博物館、戦史遺跡と半日~1日くらいで回れるかなと思います。北九州に旅行する皆さんは是非宇佐も訪問地に加えてみて下さい。見どころたっぷりですよ!

ゼミOGと同窓会を開催! [2019年05月26日(日)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

今日は、2014年に卒業したゼミOGに誘われて、同窓会(江戸東京博物館見学→両国でちゃんこ)に参加してきました。

在学時と変わらず「全力で歴史で遊ぶ」奴らでして、クタクタになるまで歴史を一緒に楽しんで参りました笑

結構久しぶりに会うメンバーもいたのですが、職場で責任のある仕事を任せられるようになっていたり、有給休暇を強引にゲットして参加していたりと、なかなかみんなたくましくなっていて、頼もしい限りです。

江戸博は大きな博物館ではありますが、13時に入場して、展示を最終的に見終わった頃には、もうすっかり夕食時となってました。

五月場所の千秋楽でちゃんこ屋があいているかどうか危ぶまれたのですが、運良く空いているお店を見つけることができ、ソップ鍋を堪能し、解散となりました。まぁ、みんな元気なのが何より。是非また呼んで下さいませ!

世田谷歴史散歩2019 [2019年05月26日(日)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

2019年5月25日午後に、歴文1年生懇親企画「世田谷歴史散歩」を開催しました。もはや春は過ぎ去り、照りつける初夏の太陽のもと、汗ばみながら歴文1年生7名と一緒に世田谷線沿線を歩きました。

お散歩コースはお馴染みの松陰神社~世田谷区役所~世田谷城址~豪徳寺~実相院~世田谷区立郷土資料館のコース(約3時間半)。世田谷の見どころがこれでもかと詰まった歴史散策コースです。

まずは松陰神社を参拝。

参加メンバー一同、非常にフレンドリーで本当に楽しかったです!はじめてあった同級生同士もうちとけながら、楽しく半日を過ごしました。

豪徳寺にてメンバー集合写真を撮影!

西洋史が好きな学生、日本史が好きな学生もいたのですが、それぞれ歴史知識が深く、会話もとてもはずみました。特に最後にいった郷土資料館では、一点一点の展示物の見どころに注目しながら、丁寧にご覧になる様子が印象的!歴文生はやはりこうじゃなきゃと改めて思いました。

入学から2ヶ月経って、大学生活には慣れてきつつ、そろそろレポート地獄の季節を迎える頃。しっかり頑張っていきましょう!

今年度の世田谷歴史散歩は後期にも開催予定があります。また告知しますので今回参加した人もしていない人も是非!

吉田律人先生のご講演のお知らせ [2019年05月22日(水)]

こんにちは、松田忍です。

2019年7月10日に開催される昭和女子大学近代文化研究所所員勉強会に、横浜開港資料館の吉田律人先生をお招きして、「京浜地域の浴湯業と担い手たち―都市移住者の視点から―」と題するご講演をお願いすることになりました。吉田先生は2018年度に横浜開港資料館に開催された「銭湯と横浜」展に中心的に関わられた方で、銭湯に関する奥深い知見をお持ちの先生でいらっしゃいます。

家にお風呂があることが普通の時代に生まれた、現在の学生のみなさんにとって「銭湯」は縁遠い存在かも知れませんが、銭湯は日本の近現代都市を代表する風景であり、今もなお多数の銭湯が都市地域にて営業され、人びとの憩いの場となっています。

銭湯を通じて日本近現代史にせまる、吉田先生のご研究のお話を伺ってみませんか?

「所員勉強会」となっておりますが、学生の参加も自由でございます。会場の都合がありますので、お越しになる方は松田までご連絡頂ければ幸甚に存じます。戦後史に興味ある学生、是非ご参集下さい!

「原典講読」で羊皮紙実習を行いました。 [2019年05月17日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

前にも紹介しましたが私が担当している「原典講読」は、西洋史専攻を希望とする歴史文化学科の2年生(以上)を対象とした授業です。西洋史で卒論を書く上で必要となる外国語の文献の読解法のみならず、歴史史料がどのような状況で具体的にどうやって書かれているのかも学んでいます。

今回はそうした試みの一環として、「羊皮紙工房」として活動されている八木健治先生を講師としてお迎えして、「羊皮紙実習」を行いました。「羊皮紙」parchmentは、(ヒツジに限らず)動物の皮を原料とした中世における主要な筆記道具でした。また中世末期に「紙」が普及した後も、羊皮紙には特別な価値が置かれていました(例えばイギリスでは、つい最近まで法律は羊皮紙に記されるよう定められていました)。この羊皮紙はどうやって作られるのでしょうか。

論文、講演、ワークショップなど多方面で活躍されている八木賢治先生

今回の実習では、まず3つの動物(ウシ、ヒツジ、ヤギ)の皮から作られた羊皮紙に触れ、それぞれにどのような違いがあるのか、そして用途に応じた使い分けはどうであったのかを学びました。

羊皮紙の肌触りを確認します

その上で、八木先生にご用意いただいた羊皮紙のコレクションを見せていただきました。コプト語で書かれた7世紀の写本から19世紀アメリカの大学の卒業証書までと幅広い羊皮紙の使用例で、なかには非常に貴重な史料も含まれていました。しかも、これらをただ「見るだけ」ではありません。

八木先生「ぜひ、手にとって肌触りを感じてください。・・・みなさんは日本で一番おおく、羊皮紙に触れた大学生となるでしょう」

なんと、貴重の史料を直に触らせていただきました。美術館や博物館では、まずできないことです!

神聖ローマ皇帝カール5世発給の授爵証書(16世紀)に触れる

そしていよいよ羊皮紙の作成に入ります。羊皮紙制作の工程は、まず動物の皮を剥いで汚れを落し、それを消石灰の水溶液に漬け、アルカリにより体毛が抜けやすくする作業から始まります。今回はそこまでご準備いただいた上で、実習に入ります。

各班に配付されたヒツジの皮を手で抜いてゆきます。簡単に抜けるものもあれば、なかなか抜けない頑固なものもあります。工業製品にはない個性といったところでしょうか。

「押す」ようにして毛を取り除きます

体毛が抜けたら皮を木枠に縛りつけて伸ばし、ナイフや軽石で残った毛や脂肪を丹念に削ぎ落とします。なお、この木枠は実習用に八木先生がお作りになった特注品だそうです。

皮を張りつけ、毛や脂肪を削り取ります

ナイフや「千枚通し」など普段は触れることがない道具を使った作業ですが、さすが歴史文化学科の学生は日頃の実践型授業やプロジェクト活動で鍛えられているのか、なかなか器用にこなしていました。

皮に名前を付けていた学生もいました

この後、皮を乾燥させ、さらに研磨することで「羊皮紙」の完成となりますが、今回の作業はここまでです。

最後に羊皮紙への筆記の実習を行いました。羽根ペンはご存知だと思いますが、中世のインクはどのようにして作られるのでしょうか。原料となる虫こぶ、鉄(硫酸第一鉄)、ワイン、アラビアゴムに関する説明を受け(ワインがなぜ必要かわかりますか?)、実際に各自で調合して筆記を行いました。

千年以上も文字が残る驚異のテクノロジーです

このようにして「原典講読」の羊皮紙実習は終わりました。参加した学生の感想を載せておきます。

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こんな貴重な体験ができて本当に楽しかったです! 紙一枚作るのにこんなに手間がかかっていたことも分かったし、インクも長持ちさせるために知恵が詰まっているなぁと感じました!(歴文Aさん)

実際にやる前に羊皮紙の種類とか実際に昔の写本を見て比べたりしたことで実際に作るときに知識としてある方が作業しながら学べて楽しかったです。(歴文Bさん)

想像していたよりとても面白かった、この仕事がやりたいと思った。(歴文Cさん)

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八木先生を囲んで記念撮影

この授業の他にも、昭和女子大学の歴史文化学科では「手で考え、足で見よう」というコンセプトのもと、魅力的な実践的授業が数多く行われております。興味をもたれた受験生や保護者の方は、ぜひオープンキャンパスに足を運んでいただきたいと思います(オープンキャンパスについて詳しく知りたい方は、特設サイトをご覧ください。)。

末尾ながら今回、ご指導いただきました羊皮紙工房の八木健治先生に、あらためまして御礼を申し上げます。

「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」 [2019年04月27日(土)]

最後は展覧会のご案内です。

3年間かけて準備してきました「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」が、410日に長崎県美術館で開催されました。19世紀半ばからスペイン内戦までの約80年間のバルセロナの芸術を紹介する展覧会で、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリの作品をはじめ、絵画、彫刻、ポスター、建築、家具、工芸、宝飾までさまざまのジャンルの作品が展示されています。

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(長崎県美術館HP http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/1306

展覧会図録は、390頁余りある大部のものができあがりました。バルセロナ新市街の街区をデザインしたオシャレな表紙です。

この展覧会は、長崎の後、姫路、札幌、静岡と巡回し、来年2月に東京ステーションギャラリーで開催予定です。機会がありましたら、ぜひご覧ください。

ヨーロッパ歴史演習 [2019年04月27日(土)]

今年の217日から31日まで、ヨーロッパ歴史演習で26名の学生の皆さんと一緒に、スペインとイタリアに行ってきました。その集合写真をいくつかご紹介します。

最初の6日間はアルカラ・デ・エナーレスの大学寮に滞在し、授業を受けるほかに、マドリードやトレドに出かけ、歴史的建造物や史跡、さらに美術館などを見学しました。

それからバルセロナに移動し、ガウディのサグラダ・ファミリア聖堂やカタルーニャ美術館のロマネスク壁画などを見ました。

 

その後、ローマに移動し、コロッセウムやパンテオンのほか、今回はフォロ・ロマーノにも入場しました。ローマの2日目は、ヴァティカン宮殿とサン・ピエトロ大聖堂を訪れました。

 

今回は初めてフィレンツェまで足を延ばし、ウフィツィ美術館を訪れ、最終日はミケランジェロの「ダヴィデ像」を見て締めくくりました。

大きなトラブルもなく、体調を崩す人も出ず、全員元気で帰国しました。

Sanchart活動報告書が完成しました [2019年04月27日(土)]

西洋美術史を担当しています木下亮です。久々に学科ブログに投稿しました。

このたび2018年度のSanchart の活動報告書を出しましたのでご紹介します。Sanchart(サンチャート)とは、昭和女子大学と世田谷美術館と三軒茶屋をアートでつなぐプロジェクト活動です。

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この活動報告書は、2018年度にSanchart に参加した18名の活動を歴文の3年生3名が中心となってまとめたもので、表紙のデザイン、テキストの執筆、ページのレイアウト、編集と校正を、学生だけでおこないました。

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報告書の後半には、2012年度から2017年度まで過去6年間分の記録も載せています。

 
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懐かしいと思われた卒業生の方には報告書をお分けしますので学科までご連絡ください。

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また興味のある方は、オープンキャンパスの歴史文化学科ブースで、お手に取ってご覧ください。

歴文教員による英語授業が始まります! [2019年04月12日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

皆さんもご存知のことだと思いますが、昭和女子大学は英語教育や国際化に、たいへん力を入れています。歴史文化学科でも今学期より、すべて英語で行われる授業「グローバルリベラルアーツC」がスタートします(開設は英語コミュニケーション学科)。

登壇される田中先生・鶴岡先生・牧野先生

登場されるのは、文化財学(保存科学)がご専門の田中眞奈子先生、日本史美術史がご専門の鶴岡明美先生、東洋史がご専門の牧野元紀先生、そして西洋史の山本成生です。なお、英語コミュニケーション学科の重松優先生には、コーディネーターを務めていただいております。

今日は初回授業でしたが、歴史文化学科、英語コミュニケーション学科の学生以外にも様々な専攻の学生がおり、また留学生も多く履修していました。「歴史文化」を英語で学ぶことへの需要の高さを感じました。

それぞれの先生がどのような授業を展開されるか、期待されます。

 

 

卒業式直後の喜びの様子! [2019年03月19日(火)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

3月16日(土)の卒業式の様子を写真でお伝えします。

人見記念講堂にて行われた式を終えて、晴れやかな表情で7号館(旧研究館)に帰ってくる卒業生たちを待ち構えて定点撮影!

彼女たちの表情を見ていると、もうなにも説明は不要ですね!笑