教員よもやま話

【本の紹介】さよならミニスカート [2020年03月23日(月)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。「こういう時こそ本を読め!」ってことで今日も本の紹介です。

歴史文化学科のカリキュラムには「日本女性史」「近代女性史文献講読」「比較女性史論」などの女性史関係の科目がいくつか設置されています。そうした授業を受講した上で、特に近現代の女性史に関する研究をして卒論を書きたいという学生が、松田ゼミを希望することが増えてきました。(念のために言うと松田ゼミは幅広く日本近現代史を研究できるゼミであります。史料さえあるテーマなら一緒に頭を悩ませて研究を支援します。皆さんドンとぶつかってきてください!)

かつては「1930年代の性売買の問題を遊廓の衰退とカフェーの興隆とに引きつけて論じた卒論」もありましたし、今年の卒業生の一人も「なぜ1930年代には、職業婦人の華やかなイメージと女性の身売りの悲惨なイメージが同居しているんだろう」との問いかけを出発点として「1930年代の女性の職業選択のあり方」を論じた卒論を書きました。

さて現在のゼミ生にも、1970年代のウーマンリブの背景を探るべく、とある婦人雑誌の1950年代から1970年代までの約30年分の記事を分析し、1970年代になると、急速に「主婦」の枠組みにはめこまれていく女性たちの生き方を考えている学生がいます。

その学生が「先生!是非このマンガ読んで下さい」と教えてくれたのが、牧野あおい「さよならミニスカート」(『りぼん』にて連載、現在は休載中)です(下記参照)。

集英社公式サイト(http://ribon.shueisha.co.jp/sayonara_miniskirt/)から引用

この作品における「女性の生きづらさ」への洞察力には舌を巻きました。女性であろうとしても、女性であることから逃げようとしても、どのみち女性であることにからめとられていく少女たちの息苦しさがリアルに描かれています。究極的には「なぜ少年たちは汚れないのに、少女たちは『清楚』だったり『汚れたり』するのか」を考えさせられました。

「さよならミニスカート」を私に教えてくれた学生は、一方で、「このマンガは良いマンガだけれどもこのマンガだけで終わるのはもったいないと思うんです」とも言っています。

たとえばこの学生が研究している1970年代のウーマンリブにおいて、田中美津は、なぜ女性は「母か、便所か」のどちらかとしてしか生きられないのかとの鋭い問いかけをおこない、女性のおかれた現状に対して憤りの声を上げました。田中に共感する女性たちや、田中と同様の問題に切り込もうとした女性たちが運動を盛りあげた一方で、男性たちだけではなく、同じ女性たちのなかにも、運動に対して冷たい視線を注ぐ人たちが数多くいました。

つまり女性史のなかでは「さよならミニスカート」がつきつけた問題がこれまでも問われてきており、かつても「さよならミニスカート」のなかにみられる構図が存在していたわけです。そうした歴史を踏まえた上で読めば、「さよならミニスカート」の現代的な意義について、さらに理解が深まるし、また「さよならミニスカート」を出発点として、多くの人に女性史を学んで欲しいと学生はいうわけです。

私自身もこれだけで終わるのはちょっともったいないマンガだなと思っています。なにか女性史研究と絡めてこの作品を読む読書会などの企画を立てようかなと思っています。

「さよならミニスカート」で検索すると試し読みできるサイトもあるようです。この記事を読んで気になった方は是非読んでみて下さい。また感想を松田に教えてくれるといろいろと議論が出来ると思います。

学位記授与式の日の日本近現代史ゼミ [2020年03月20日(金)]

新型コロナウイルスの影響で本学では卒業式の式典はできなかったのですが、3月16日に学科で学位記授与式をおこないました。

授与式終了後、日本近現代史ゼミメンバーが集まって、いろいろな思い出話を楽しみ、卒業後の激励をお互いにしつつ、記念撮影をしました!

個性派メンバーが多く、結構ハチャメチャなゼミでしたし、北海道のゼミ旅行は台風に直撃したり、レンタカーが故障したり、これまたハチャメチャだったりしました。でも不思議な一体感ときちんと学問せねばという雰囲気があって、終わってみればとても楽しい2年間を過ごせたゼミでした!

多分だけど、みんなゼミで学んだことには誇りを持って卒業してくれたと思うので、それが非常に良かったと思います。

日本近現代ゼミで提出された卒論は以下の8本。今年はやけに戦後に集中しました。

【近世近代移行期】

「近代転換期における通俗道徳の規制力と民衆の葛藤 ―安丸良夫に問う民衆の姿―」

【昭和戦前期】

「一九三〇年代における女性の職業選択」

【戦後】

「占領期日本の労務供給事業と職業安定法」

「「期待される人間像」から見る一九六〇年代の社会状況と後期中等教育」

「災害対策基本法制定以降における防災システムの変遷 ―自助・共助意識の高まり―」

「戦後日本における被爆者意識の形成 ―一九六〇年代から一九八〇年代―」

「一九六〇~一九九〇年代の政治意識の変容 ―企業社会の視点から―」

「バブル期の観光 ―リゾート施設と総合保養地域整備法―」

また日本語日本文学科の学生がほぼ2年間フルで日本近現代史ゼミに出席してくれて以下の卒論を書いてくれたのも、おおいにみんなの刺激になりました!

「武者小路実篤「友情」のパラダイム ―名作となった恋愛小説―」

これからのみなさんの人生に幸あれ!

卒業後も是非また集まりましょう!!

追加。こんな言質を取られました笑笑 やせます!

小学館版『少年少女 日本の歴史』全巻無料公開! [2020年03月17日(火)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

多くの施設が閉館となり、社会活動の自粛が広がる昨今でありますが、一方でネットを活用した情報発信や在宅勤務など新しい動きもでています。

さて、そのなかで最近驚いた記事が、小学館版『少年少女 日本の歴史』全24巻が2020年4月12日まで無料でネット公開されたことです。

こちらのサイトから電子版をみることができます。)

出版社にとって書籍のコンテンツはなによりも貴重な財産でありますから、無料公開は非常に大きな決断であったと思われます。

小学生や中学生のご兄弟やお知り合いがいらっしゃる方は是非この機会に、この情報を伝えて上げて下さい。「コロナウイルスの時に、『少年少女 日本の歴史』を読んで、歴史が好きになった!」なんていう子どもたちが増えることを期待します。

歴史認識は最初から決まりきったものとしてあるわけではなく、「鷹の眼」でみるような大きな歴史と「蟻の眼」でみるような小さな歴史を何度も行き来して、知って、理解して、考えながら鍛え上げられていきます。そしてその往復を繰り返すうちに、現代を見る眼も養われてくるかと思います。その最初の「鷹の眼」として、「まんが」からはいること、大いにありだと思います!

【Sanchart】昭和リエゾンセンタープロジェクト成果発表会で報告しました [2020年03月11日(水)]

昭和女子大学と三軒茶屋と世田谷美術館をArtでつなぐプロジェクト「Sanchart(サンチャート)」の2019年度のご報告です。今回で「Sanchart」は8年目となりました。

少し前のことになりますが、2月14日に「2019年度昭和リエゾンセンタープロジェクト成果発表会」がオーロラホールで開催され、歴文3年の北村有唯佳さんと岩﨑由奈さんが「Sanchart」の報告をおこなってくれました。

「Sanchart」の活動は、秋桜祭での展示とワークショップが中心となります。

本年度は世田谷美術館で開催される「奈良原一高のスペイン —約束の旅」展の広報のために展示とチラシの配布をおこないました。また展覧会のテーマに関連させて「闘牛クッキー」を提案し、三軒茶屋の「シュシュクリエ」さんに作っていただき販売しました。

「1年間の成果となる発表の場を設けて頂き、貴重な体験をすることが出来ました。」

北村さんからのコメントです。

さらに昨年に続き、本年度も活動の締めくくりとして有志のメンバーでリーフレットを作りました。自分たちで手分けしながら原稿執筆、編集とデザイン、写真のレイアウト、数回におよぶ原稿の校正、さらに印刷所とのやり取りまでおこないました。頑張って仕上げたリーフレットです。

「サンチャート」は、秋桜祭で展示発表をおこなうプロジェクトとしてだけでなく、来年度からは、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)と合同でおこなう「コミュニティ・アート」の授業へと発展していきます。

木下亮(西洋美術史)、鶴岡明美(日本美術史)

【本の紹介】飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史 [2020年03月10日(火)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

新型コロナウイルスの流行でさまざまな行事が自粛されている昨今、若い皆さんもなかなか活動的に動くことができないでいらっしゃるかと思います。ただそんな中、家でもやれることがあると思います。その一つが読書です。今日は松田オススメの本を1冊紹介します。

林采成さんの『飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史』(名古屋大学出版会、2019年)です。

みなさんも歴史で勉強した通り、1910年から1945年までの間、朝鮮は日本の植民地でした。ところで植民地支配というと政治的に「支配する/支配される」のみに注目され、大日本帝国を範囲とする経済圏や文化圏が成立したことは見落としがちなのではないでしょうか。

近年の研究では、たとえば当時の修学旅行で朝鮮半島や満洲にいくことが不思議ではなかったことや、学校を卒業し「いざ就職!」となった若者達が大日本帝国全域を就職先として想定していたことなど、さまざまな事例が指摘されるようになりました。また、その移動も日本から植民地だけではなく、植民地から日本へ、植民地から植民地へと、双方向に数多くの人が行き交ったことが注目されています。戦争と外交の結果として形成された大日本帝国の存在が、人びとが生活する範囲を大きく変えていったともいえるでしょう。

さて、林さんのこの本は大日本帝国の経済圏を「食」分野に絞って切り取った斬新な本です。

とりあげられている事例は、米、牛(牛肉)、朝鮮人参、牛乳、りんご、明太子、焼酎、ビール、煙草と我々の身近にある食品や嗜好品なのですが、それぞれの産品をめぐって日本と朝鮮との関係が展開する様子が本当に面白いんです!!

たとえばりんごを見てみましょう。

朝鮮では、李氏朝鮮時代の末期にはりんごがつくられるようになっていましたが、商業的な栽培ではなかったそうです。しかし日露戦争(1904~1905年)以後、日本人の農業移民が朝鮮半島でりんご栽培をはじめ、日本人技術者からの技術指導を受けて、朝鮮半島の特定地域にりんごの特産地が生まれます。特産地では、やがてりんご果樹園を経営する朝鮮人もうまれ、さらに技術改良を進めた結果、ついに青森のりんごと朝鮮のりんごがライバルとなったそうです。

その激烈な販売競争は当時「苹果戦」(ひょうかせん)と言われたそうです。「苹果」というのは昔のことばで「りんご」を意味することばですから、つまり「りんご戦争!」ってことですね。

そしてついに1940年代になると、青森と朝鮮のりんご特産地の「利害調整」のために朝鮮総督府が介入してきます。それでも朝鮮におけるりんご生産は発展を続け、1945年以降も朝鮮の食文化にりんごが深く根づいていくというお話しです。

このストーリーをみると、帝国圏内の政治や経済や文化がりんご1つにギュッと凝縮されているような面白さを感じますよね!

次に牛(牛肉)を見てみましょうか。

文明開化の時代から明治時代後半、さらに大正時代へと時代が進み、日本に牛肉を食べる文化が急速に広まっていきます。とはいっても最初から肉牛として肥育する牧畜が盛んになったわけではなく、牛を農作業などに使ったのち、大きくなってきたら肉用として売却することが普通でした。

一方朝鮮半島においては、牛を使った農業が日本よりも幅広くおこなわれており、長い歴史的な背景がありました。そして日本牛よりも朝鮮牛のほうが体格も良く繁殖力が高かったのです。

そこに目を付けた日本人は朝鮮牛を買ってきて、日本で育てて役牛として用い、肉を売ることを始めます。その移入規模は毎年数万頭に達しました。また「満洲国」も朝鮮牛に目をつけたため、朝鮮から「満洲」に売られる牛も1万頭以上の規模に達しました。それは朝鮮牛が「帝国の牛」になっていく過程だったと述べられています。

しかし1930年代から40年代にかけて、日本牛の体格が良くなっていくのに対し、「健康な」朝鮮牛が移出されていった結果、朝鮮牛の体格はどんどん小さくなっていきます。「健康な」牛の産地として栄えた朝鮮でしたが、結果として、「朝鮮牛は日本牛の増殖のための補給源に過ぎなかったといわざるを得ない」(74ページ)と林さんは結論づけています。

ここにもまた単純な「収奪する/される」の関係だけではなく、利益を求めたり、新しいものを食べたいと思う一人一人の人間の動きが束となったときに、歴史を形成するダイナミズムが生まれることを感じられますよね。こうした動きをイメージできていれば植民地の意味もより深く理解できそうです。

その他の章も、朝鮮半島との密接な関係がうみだした福岡の明太子など抜群に面白い事例ばかりです。さまざまなデータも豊富に掲載されていて、グラフを眺めているだけでも気づくことはたくさんあるよ!

是非自分で手にとって読んでみよう!

 

雑誌サブスクのすすめ【特に新入生に!】 [2020年02月25日(火)]

こんにちは、松田忍(日本近現代史)です。

今サブスク(サブスクリプション)が流行っていますよね。動画の定額サービス、音楽の定額サービス、ゲームの定額サービス、はたまた定食屋の定額サービスまで登場して、世の中のトレンドになっています。

動画や音楽については、趣味に応じて、そして生活が崩壊しない程度(笑)に応じて、うまく使って行けばいいかと思いますが、私が歴文生、特にこの4月から大学生活をはじめる新入生に対してオススメしたいのが、雑誌サブスクです。

美容院で髪を切って貰うときなど、雑誌を渡されて読みながら切って貰うことありますよね。松田も昔はちゃんと若者雑誌渡されていたのに、最近はだんだんとおっさん向け雑誌を渡されるようになり、「あぁ↓」と落ち込んだりする、アレです笑 でも最近はタブレットを渡されて、雑誌サブスクから自由に好きな雑誌読んで下さいなっていうお店も増えてきたように思います。

雑誌サブスクは月額数百円を払うことによって、数百誌の雑誌がスマホで読み放題になるサービスです。紙で売られている雑誌の全ての記事が読めるわけではありませんが、それでも得られる情報のコスパは最強です。

いくつかの会社が雑誌サブスク事業を展開していて、どれを選べばいいのか迷うかも分かりませんが、基本どれでも大した違いはないのかな?(調べてみて下さい)。私自身はdマガジンを使っていますが、別にドコモさんのファンだったとかいう訳でもなく、たまたま最初に登録したのがdマガジンで、あとは特に不満もなく、使い続けています。

でもお金のない学生だったら「情報だったらインターネットサーフィンすれば無料じゃん?雑誌に書かれているような情報も大事なものはネットのどこかにあるだろうから、わざわざ数百円払うのももったいない!」と思うかもしれません。

そんな学生に松田が言いたいことは……「ネットの世界は急速に『縮小』しつつある」ことです!!

大事なことなので、もういちど言います。

インターネットの世界は無限であるようにみえて、実は急速に縮小しつつあるように思います!!

インターネット黎明期からネットサーフィンしつづけてきた人間からすると、今のネットは窮屈でなりません。つまりネットサーフィンしていて、新たな考え方に出会ったり、新しいサイトにいきつくチャンスがものすごく小さくなっているように思います。

その理由として挙げられるのは、ネット検索技術の高度な発達と個人の嗜好を特定して提示していく広告技術の発達です。ネット世界は自分の「好きなこと」ばかりが提示される空間になりつつあります。みなさんもなにか欲しいものがあって検索したら、それ以降もそのものの関連情報ばかりが表示されるようになった経験があるかもしれません。

あるいは、あるアイドルグループのことを調べるとして、そのグループのファンだったら「アイドルグループ名 + かっこいい」とかで検索しますよね?一方で嫌いだったら「アイドルグループ名 + 嫌い」で検索するかもしれません。そうするとネット空間は、たちまち君たちの嗜好に賛同してくれる声ばかりが集まる「イエスマンだらけの空間」になってしまいます。それで自分の気持ちは満たされるかも分からないですが、狭い空間ではありますよね。

また無限ともいえるくらい膨大な情報がネットにあるとはいっても、検索して探すということが基本になっている中で、そもそもの検索ワード自体を知らなければ、たどりつくことが出来ませんし、視野を広げることも出来ません。

【雑誌サブスクのすすめ その1 視野を広げよう!】

そうした視野を広げるのに役立つのが、まず本や新聞や雑誌を「眺める」生活習慣です。

通学のスキマ時間、授業が始まる前のスキマ時間、スマホで雑誌の表紙を眺め、気になるものがあったら記事を読んでみる。そうすることで、あなたの社会的経験値はどんどん上昇するよ!

また雑誌に目を通して、キーワードを知ると逆にネットの価値も飛躍的に向上します。だって洋服探すのだって、ブランド名知らなかったら永遠にそのサイトにたどりつけないじゃん?でも雑誌で見て、「これいいな~」って服をみつけたら、その名前で検索できるじゃん?

【雑誌サブスクのすすめ その2 自分の知らない世界を知ろう!】

次に雑誌サブスクの利点をあげると、普段本屋さんで絶対立ち寄らないコーナーの雑誌も気軽に見られます。

たとえば先日松田はオシャレ業界に興味がある就活学生と話していて、いくつかの女性誌が話題になりました。松田は現代の女性誌については詳しくないわけですが、その後すぐにサブスクで『non・no』を読んでみて、はじめて『non・no』が,高校生から大学生、そして社会人になっていくときの女性たちのお手本的な立ち位置の雑誌なんだなと理解できました。そして後日その学生との業界研究の話題がさらに広がりました。

『non・no』なんて、松田のようなおっさんが本屋さんで立ち読みしていたらちょっと不審ですよね?笑 もちろん悪いことをしているわけじゃないが若干憚られるし、レジに出すときは「いやー娘に頼まれまして~」って言い訳したくもなる笑

だけど雑誌サブスクならば気軽に見られる。

君らだったらなんになるんだろう?おそらく年上層とか男性が読んでそうな雑誌にさらーと目を通しておくことが多分君らの強みになる。

【雑誌サブスクのすすめ その3 情報を比較しよう!】

さらに雑誌サブスクには、同じ分野について、複数の雑誌で書かれた記事を一気に横断してみることができる機能もあります。この機能はもっと充実して欲しいと思っていますが、少なくともそういう横断的な利用の仕方もできる。

これはすごく面白い!雑誌がだされた曜日によって、段々と情報が詳しくなっていく様子をみることもできるし、情報ソースの違いによって、同じ事件の描かれ方でもかなり違っていることを体感できる。

情報の成り立ち方をきっと感覚的に掴むことが出来る様になるよ。

【雑誌サブスクをさらに活用するために!】

メディアには二通りあります。「キーワードを使って必要な情報を探してくる図書館やネット」、「キーワードの束を向こうからプッシュして押し出してくれる新聞や雑誌」、片一方だけではダメ!その両方を行き来することが大学に入ってから視野を広げていくためのポイントだと思うぞ。

この記事を読んで、「おっ、楽しそう!」と思ったら、是非情報面での「大学デビュー」をしてみよう!

昭和女子大学PR動画がyoutubeに出現! [2020年02月21日(金)]

こんにちは、松田忍です。

昭和女子大学PR動画がyoutubeにupされています!

受験生は大学の雰囲気を知るために!

在学生は動画になるとこんな感じなのねと感じるために!

卒業生は当時のキャンパスと今のキャンパスの違いを探す間違い探しのために!(笑)

是非ご覧下さいませ!

そして「いいね」……待ってるよ?笑

【授業紹介】日本近現代史料解読・後期 [2020年02月16日(日)]

こんにちは!松田忍です。本日は「日本近現代史料解読」の授業紹介をします。

「日本近現代史料解読」は歴史学研究に欠かせない歴史史料の扱い方を教えているのですが、「史料を解読する」といっても2種類の意味があります。

まず1つ目の意味。それは史料に書かれている内容のうち、分からない謎の部分を解き明かして、深く読み込んでいくスキルを意味します。

たとえば、2020年2月14日に、君が友達に送った手紙の中で「こないだのミーティングでのあなたの意見に私は賛成です!」って書いたとします。そしてその手紙が歴史史料として後世に残されて、第三者の歴史家がみたときは謎がたくさんあるのです。たとえば「『こないだのミーティング』って、いつ、だれと話し合ったことを意味するのか」が謎!さらに「『あなたの意見』ってのが、何に対するどんな意見なのか」が謎!

その手紙と他の史料と組み合わせたり、辞書や年表で調べたりすることによって、そうした謎を解いていくスキルは「日本近現代史料解読」の前期パート(4月~7月)で育成しています。

一方「史料を解読する」の2つ目の意味として、筆で書かれたぐにゃぐにゃした文字(くずし字と言います)を、文字どおり読みとっていくスキルを指します。このスキルは「日本近現代史料解読」の後期パート(10月~1月)で育成しています。

前期パートの授業風景は以前紹介したことがあるので、今日は後期パートの授業風景の写真を紹介します

今学期教材としたのは、明治・大正時代の政治家原敬が筆で書いた日記です。

授業の進め方に沿って写真をみていきましょう。

①その日読み解く部分のくずし字を私がホワイトボードに転写していきます。

学生たちは予習もしてきていますが、それでも読めなかった字を再度ウンウンと悩みながら、読み解いていきます。

写真の赤矢印つけた二人の学生は私語をしているじゃないか!!と思われるかも知れませんが、この授業に関しては「私語OK!」にしています。もちろん授業に関係する私語ですが。

たとえば「この字、なんだと思う?」「たぶんこの左の部分がニンベンじゃない?」「いやこれはテヘンじゃないの?」「ワンチャン、イトヘンもあるよね~」みたいに、楽しみながら謎を解いていくような会話ね。

だってくずし字を読み解くのは、あーでもない、こーでもないとみんなでワイワイとやった方が楽しいし、そのほうが身につくからね!だから学生たちがくずし字を読み解く時間は「しゃべりながらやろうぜ!」と私から伝えています。

※ちなみに…… 当たり前ですが、昭和女子大学の授業ではまず私語はありません。新聞などのメディアでは「私語で授業にならない」大学が存在するなどという嘆かわしい情報もありますが、ここ昭和女子大学に関してはそういう心配は全く無用です。集中して学問を習得する雰囲気や、学びを邪魔する学生を嫌う風土があります。

②松田の転写がおわったら、学生の分担を一行ずつ決めて、青字で読み取れた漢字を書いていきます。みんな一斉にホワイトボードに取りつきます。

友達同士で結構「協力プレイ」があったり笑

「あと一歩このパーツが分からないんです!」みたいな学生がいたら、松田がアドバイスしたり。

そんな雰囲気で授業は進みます。

③全員書き終わったら、みんな席に戻り、松田の解説のもと、全員で一文字ずつ丁寧に読んでいきます。

今年度は30人ほどの受講生がいたのですが、松田からはみんなにあてまくります。ランダムにあてるのですが、たぶん90分の授業で、みんな1~2回ずつ当たるのではないかな。

松田から質問するのは以下のような内容。

「この文字って、いくつのパーツ(部首)からできてるとおもう?」

「カンムリは何カンムリの可能性がある?」

「この文字と同じ文字がホワイトボードに2個あるよ。同じ形の字を探してみ?」

「そもそもこの筆の繋がりは2文字分?それともあわせて1文字分?」

「筆の流れが小さな結び目みたいになっているこの部分は、楷書にするとどんな形になる?」

松田の指導方針は、くずし字をパーツに分けて考えて、パーツごとに分析して読めるようにしていくことです。また筆のラインがクロスしていたり、筆跡に濃淡があったりしますから、そうした特徴を一つずつ覚えていってだんだんと読めるようになっていきます。

15回の授業を通じて、みんな少しずつ目の付けどころを学んでいきまして、全くの初習者であっても、最終的には8割~9割の文字が読めるようになっていきます。さらに頑張って予習復習している学生ならば、もっと読めるようになります。

学生たちはくずし字を読むのは楽しいようでして、授業最終回で感想をかいてもらったら「今学期の授業の中で一番面白かった」とか、「絶対読めないと思っていたのが最後の方にはなんとなく読めるようになってきて感動した」とかポジティブなコメント多数!松田としてもとても嬉しかったです。

しかも今学期は他学科の学生もたくさん受講していました。日本語日本文学科、英語コミュニケーション学科、ビジネスデザイン学科、福祉社会学科、環境デザイン学科、食安全マネジメント学科などなど。

歴史文化学科の学生ならば、もちろん歴史学研究の基礎力を身につけるために受講しているわけですが、他学科の学生たちにとっても、くずし字を読めることは人生に自信と豊かさを与えてくれると思います。「まっすぐに資格だけを取れればよい」とかではなく、幅広く教養を身につけることができるのが、5学部14学科を要する総合大学である昭和女子大学の強みなんだろうなと思います。

ってことで、この記事を読んだみなさん!金曜4限に開講していますので、ぜひ履修してみて下さいね!

原典講読でリヒテンシュタイン展を鑑賞しました [2020年01月10日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

私が担当している「原典講読」という授業は、おもに西洋史ゼミへの所属を希望する2年生を対象としたもので、西洋史関連の日本語や英語の文献を輪読したり、受講者各自が関心があるテーマを報告してもらったりしています。また「手で考え、足で見る」という歴文のモットーに基づき、羽ペンや羊皮紙を作るような実習型授業にも力を入れています。

今回はそうした試みの一貫として、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「リヒテンシュタイン展」を鑑賞しました。ご存知の方もいると思いますが、リヒテンシュタインは人口3万5000人程度の「ミニ国家」であり、リヒテンシュタイン侯が実質的な国家元首を務めるユニークな国家です。リヒテンシュタイン家は14世紀から20世紀初頭までハプスブルク家に仕えており、優れた芸術工芸品を蒐集することを家訓としていたとか。今回の展覧会ではその非常に貴重なコレクションを味わうことができまた。

鑑賞風景1(撮影可能エリアにて)

以下では学生の学生をご紹介します。

…現在世界で唯一、家名が国名になっているのはリヒテンシュタイン侯国だけである。その伯爵家の人々が長年かけて集めてきたコレクション。明るく、華やかで癒される作品が多いように感じた。そこから、今も昔も美術は人々に大きな影響を与える力をもっていることがよく分かった…。(歴文2年Aさん)

…一番興味深かったのは中国で生まれた景徳鎮にブロンズの装飾金具が付けられた陶磁器である。他国で生まれたものに改めて装飾を加えるというのは今までに見たことがなかった。東洋の技術で絵付けされた壺に西洋のデザインの装飾を付されているというのは調和しない気もするが、描かれた絵と金具の桑の実などが綺麗に噛み合い、一つの作品として成立しているのが見ていて何とも不思議な心地にさせられた…。(歴文2年Bさん)

…今回展示されていた花卉画はどれも写実的で、鮮やかな色彩と色々な種類の植物が一枚の画面に収められている様は、たしかに人目を惹く。展示解説によれば、リヒテンシュタイン侯フランツ一世は「花の皇帝」と呼ばれていたそうだ。昔の皇帝が現代人と同じく花卉画に魅了されていたと考えると、花卉画は流行に左右されない、普遍的な美しさを持つテーマの一つなのかもしれない。画家ごとに花卉画を見比べると、花・果実・動物の描き分けに秀でた者、葉の表現が肉厚な者、花を挿している磁器や金属の表現が細密な者、明暗の効果で大胆に花を魅せる者、とそれぞれの個性よく表されていて面白かった…。(歴文2年Cさん)

鑑賞風景2(撮影可能エリアにて)

昭和女子大学の歴史文化学科では、一年次より「博物館・美術館の見方」を徹底的に教え込んでおり、また最近ではテンプル大学との連携したグローバルな企画も積極的におこなわれております。そうした教育の成果か、芸術に作品に対して主体的かつ真摯な態度で向き合い、そこから多くの情報を読み取ろうとする学生が多い印象を受けました。西洋史に限らず歴史文化に関心があり、それを深く味わう方法を学びたいと考えている受験生の方がいましたら、ぜひ「昭和の歴文」を検討してみて欲しいと思います。

京都鉄道博物館にいってきました! [2020年01月03日(金)]

あけましておめでとうございます。松田忍(日本近現代史)です。

私は京都生まれでありまして、正月はだいたい京都で過ごします。せっかく京都に帰るのだからということで、1月2日にはとにかく京都を歩き倒して、いろいろなものを見倒すことを毎年の通例にしております。

今年もいろいろと回ったのですが、そのなかから京都鉄道博物館を紹介します。

京都の梅小路にはもともと蒸気機関車館があったのですが、2016年に京都鉄道博物館としてリニューアルオープンしました。鉄道の技術史や体験コーナーなども面白いのですが、大きな見どころは2つです。

1つ目は扇形車庫。

上の写真をみていただくと、線路が放射状に延びているのが分かるかと思います。写真の上部には機関車を収容する車庫が20箇所並んでいます。そして車庫からだした機関車を、中央のターンテーブルのようなもの(転車台)を利用して、任意の線路へとだすことができます。20台もの機関車を収容可能なわりには非常にコンパクトです。

扇形車庫は日本にも数カ所しか残ってないのですが、京都の梅小路では完全な形で保存されています。

2つ目は旧二条駅舎。

なかなか立派な駅舎でしょ!?この二条駅は私の実家の最寄り駅でもありまして、密かに子どもの頃の誇りでした笑 二条駅は京都御所に近いことから、行幸・行啓に利用されることもありました。そのため駅舎内には貴賓室もあります(一般公開されたこともあるみたいですね~)。山陰本線が高架化される時に駅舎としての使命を終えて撤去されましたが、文化遺産としての価値が惜しまれ、京都鉄道博物館の敷地内に移築されて、ミュージアムショップとして利用されています。

さてここ梅小路にはたくさんの蒸気機関車があり、動態保存(今も動く)されているものもあるのですが、B20形蒸気機関車を紹介してみます。

トーマス君に近い形をしていて、子ども達にも人気の機関車です。機関車というのは重さに比例して牽引できる貨物量も増える傾向があるのですが、このB20形はわずか20トン。戦争末期につくられたこともあり、無駄を省いた形状をしており、それが今となっては逆に可愛く見える原因なのかな~と思ってみたり。

京都に旅行する歴文生はかなり多いですが、京都に旅行して鉄道博物館にいくこともなかなか少ないかなと思いまして、あえて紹介してみました笑 琵琶湖疎水蹴上インクラインなどの産業遺産もオススメです。京都にお越しの際は是非!