心理学科2013年度学寮研修
日程:11月13日(水)~11月16日(土)
場所:望秀海浜学寮(千葉県館山市)
今年も心理学科の1~3年生総勢259名で、千葉・館山湾の海辺に建つ望秀海浜学寮に行ってきました。この学寮研修では、イベントの実施から毎食のご飯の準備や清掃などまで、3年生リーダーを中心に学生が企画・運営を行います。今年度の学寮の目標は‘想-improve your quality of life’です。学寮中にまわりの人を思いやる気持ちを持つことで、新しい自分を発見し、よい人生を生きることができるよう成長しようという意味です。
目標に向かっての3泊4日!主要なプログラムについて、引率した先生方から写真と文章を寄せていただきましたので、ぜひお読みください。
野外研修:マザー牧場
野外研修は、マザー牧場で行われました。少々寒さを感じつつも澄み切った青空のもとで、周囲の景色を見つつ散策したり、ジンギスカンの昼食をとったりしましたが、何より楽しかったのは、動物ふれあいイベントの数々でした。
羊のショーでは、羊のみでなくシープドッグも登場して、私たちを楽しませてくれました。まず、羊が19匹も登場して舞台に並びました。羊は、自分の場所をどうやって<わかる>のでしょうか?・・・最初の羊がスタッフに送り出されて段をあがっていくと、一番上で柵にぶつかり、そこでとまります。とまった途端、皿に入れてある餌をパクパク。次に送り出された羊は段を上っていくと、最初の羊にぶつかり、その下の段にとどまることになり、そこで餌をパクパク、次の羊も・・・ショーの間中、羊たちは食べるのに忙しく、食べ終わると「もう、用は済んだ」といったようにじっとしているのみでした。羊は<芸をしているのでしょうか?>、それとも<餌を食べているだけ?>
次に、シープドッグの登場です。スタッフの犬笛に応じて、羊にほえかけたり、場内を1周走ってきたり、羊の上に駆け上がったり、と大活躍!この間、シープドッグには餌が与えられるということはありませんでした。シープドッグにとっての≪ごほうび≫は何なのでしょう?
話を人に広げていくと・・・人はどうして、さまざまなことに挑戦したり、学んだりしていくのでしょうか。動物たちと比較する中で、人についてもみえてくることがいろいろありそうです。(藤崎春代)
特別授業:「キャリア・ディベロップメント」支援
今年も日本キャリア開発協会の専門家7名に依頼して、特別授業を午前と午後に分けて行いました。
1年生は「自分ってどんな人? ~自分のことを理解しよう!~」をテーマに、ペアを組んでお互いにインタビューし、相手の強みを見つけてフィードバックしました。相手から見た自分が分かり、自己理解が深まりました。
2年生のテーマは「夢中になれることは何? 自分の“やる気スイッチ”を探してみよう!」でした。自分が職業のどんなところにこだわるかを「内的キャリア」という視点で捉え、みんなの前で発表しました。内的キャリアを就活の出発点とすることで、職業の選択肢が増え、またすぐに仕事を辞めたくなることも減るのではないかというお話でした。
3年生のテーマは「“6つの帽子”が案内するグループディスカッションの歩き方」でした(写真)。就活のグループディスカッションは、社内会議のひな形であり、「みんなで考えてよりよい結論を出そう」というときに、各自がどのように貢献できるかを見るためのものだそうです。会議での思考方法には、「思考の流れ」や「創造性」など6種類があり、それらを自在に使えることが望ましいとのこと。グループディスカッション体験の中で、6つの思考方法を使い分ける手ごたえがつかめました。(今城周造)
学生企画①:異学年交流会
学寮クラス委員が企画・運営した異学年交流会は、1~3年生合同の8,9人のグループを作って、心理技法の一つである「構成的グループエンカウンター」を行いました。グループエンカウンターとは人間関係を深めるためのエクササイズで、日頃交流のない先輩や後輩と自然な笑顔で交流することができます。グループでは3年生リーダーが後輩たちを盛り上げてくれます。写真は‘アウチ・トレイン’というエクササイズをしているところです。出会った人と指を合わせ、ジャンケンをしてつながります。最後には参加者全員が一つの輪になり、学年を超えた信頼関係とまとまりの雰囲気が作られました。
学寮研修ではイベントや係の仕事を通じて、普段の生活とは違ういろいろな人との交流が生まれます。新しい出会いはとても楽しいものですね。様々な出会いを通じて新しい自分を発見し、さらなる成長のきっかけとしてほしいと願っています。(松澤正子)
灯の集い
灯の集いは、クラス全員が暗い教室の中で輪を作って集まり、各自がろうそくの光を手に持ち、自分の考えを順番に全員の前で話す行事です。大勢の前で話すことに慣れない人、上手に話をまとめられる人、上手に茶化して笑いをとれる人、様々でした。誰もが、人の話に真剣に耳を傾けました。
各クラスが、自分たちで決めたテーマについて話しました。テーマは、昨年に引き続き、夢を実現する「7つの力」と結びついています。1年生のBクラスのテーマは、「自分の将来像」でした。「将来に向けて、今の自分をどう変えていきたいか」という、意思表明が続きました。自分の将来のために身につけたいのは、「自分を大切にする力」でした。
自分の人生のパートナーは、自分自身です。目標に突き進む自分を鼓舞するのも自分を大切にする力、ときには適度に甘やかすことも、自分を大切にする力の一つです。1年生のクラスで偶然出会った友人ですが、日々の失敗や、笑い、苦しい経験を通して、もしかするとこの先に何十年も続く友情が育まれるかもしれません。自分を大切に、相手も大切に、それぞれが、たったひとつの大切な人生をしっかり歩んでいってほしいと思いました。(本多ハワード素子)
労作奉仕
「世の光になろう」という学園目標の基、奉仕の精神を体現するため、全員で労作奉仕を行いました。1年生は海岸清掃、2、3年生は学寮内の花壇で、落花生のさやむき、菜の花の種まき、そしてかすみ草、スターチスといった花の苗植えです。
学寮前の海岸は、先日の台風の影響で流れ着いたゴミと流木等が、砂浜いっぱいに広がっており、1年生が拾ったプラスチック製品など入れた大きなゴミ袋は山積みとなりました。一方、2、3年生は、軍手、長靴等のいでたちでシャベルを持っての作業となりました。春には、菜の花、かすみ草など春の花々が、訪れる学生やお客様たちを迎えてくれることでしょう。(田中奈緒子)
学生企画②:交歓会
学寮研修3日目の午後には、体育館において研修交歓係の企画・運営による交歓会が催されました。開会式の後、クラスごとに分かれて応援席に陣取り、最初の競技であるお絵かき伝言が始まりました。けっこう複雑なお題でしたが、学生のみなさん絵心がありますね。次のスプーンリレーは、心理学の知識も試されるクイズ付きでした。最後の競技は、心理学科の交歓会と言えばやっぱり綱引き、各クラス35名が息を合わせ、力の限り引きまくります。今年も3年B組は最強でした。昭和ボストン次期学長のシュワルツ先生に加わっていただいた3年A組も頑張りましたが、惜しくも全敗でした。しかし勝っても負けても盛り上がり、クラス内はもちろん競った相手とも絆が深まる、綱引きは不思議な競技です。(松野隆則)
3泊4日の学寮研修はたくさんの笑顔でいっぱいでした。仲のよい友人だけでなく、クラスの人、係りの人、他学年の人と関わりの中で、各自が責任をもって自分の役割を全うし、互いを思いやれる喜びをもつことができたようです。そのような中で自分を振り返り、新たな目標を発見できたように思います。
帰りのバスではみんなグッタリとしていましたが、学寮中にたくさん活動し、多くの学びをした証拠ですね。今年の学寮目標‘想-improve your quality of life’は達成できたといってよいようです。これからの学生生活がさらに充実したものになると期待します。(松澤正子)
これまでの学寮研修の様子はカテゴリー「学寮研修」をご覧ください。