【学会発表:卒業生】「大学よさこいチームにおけるシェアド・リーダーシップの効果」

本多ハワード准教授ゼミの卒業生が、卒業論文研究を第60回日本社会心理学会の年次大会で発表しました。

以下に、発表の経緯と現在のお仕事の紹介を記載させていただきます。

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2017年度卒業生の秋田沙也加です。2019年11月9日・10日に立正大学で行われた日本社会心理学会で、卒業論文研究をポスター発表してきました。

卒業して約3年たちましたが、忘れかけた卒業論文と卒業論文発表会のパワーポイントを見直して、ポスターを作りました。

発表内容は、「大学よさこいチームにおけるシェアド・リーダーシップの効果」です。

シェアド・リーダーシップというのは、リーダーシップの新しい考え方です。今までは、「私がリーダーね」と決めて、みんながそれについていく、というタイプでした。でも、実際のチームでは、誰か一人がすべてを決めて、みんなを引っ張る、ということはまずありません。「ここのところは私がリーダーシップとるね。そっちはあなたにお願いするね。」と、集団全体でリーダーシップを共有するのが現実的で、また、うまくいくととてもよいグループフローが生まれます。

もうひとつ、「よさこい」に関しては、大学時代、私は「学生よさこいチーム」のリーダーを務めていました。約200名の学生が、全員で一つの演舞を踊り、夏には、表参道を踊りながら練り歩くお祭りもありました(そういえば当時、私は金髪で、パッと見たらかなり派手な学生だったかもしれません…)。

1年を通して、日本各地のお祭りで踊るために、学生のみで演舞や衣装をつくり、毎週毎週、練習を重ねます。そうした活動の中で、「効果的なリーダーシップとは何か」をリーダーとして考えたことから、卒業論文研究のテーマとしました。

社会心理学会に参加した感想としては、想像していたよりも堅苦しいものではなかったことが、まずひとつの驚きでした。私も参加前は、皆さんが想像しているのと同じように、「学会って、堅苦しくて、きちんと発表できなきゃ他大学の教授に詰められるだろうな~」と思っていました。(そう思うのが普通です…!)

ですが、論文自体の結果がきちんと立証されていなくても、それを咎められることはありませんでした。それに加えて、自分の研究を、ゼミの先生や自分以外の人から、全く違う角度で指摘を受けると、新たな気づきが得られるため非常に刺激にもなりました。

あとは、他大学の学生さんの発表者が、思いのほか多くいらっしゃったことも印象的でした。学会で発表する内容に細かな指定はないため、各々が自由に、興味を持ったことに関して研究をされていました。学部生の頃から外で発表する経験しておくと、卒論発表に役立つだけでなく、就活にも役立ちそうだな、と感じました。かく言う私も、学生時代に発表した回数は、恥ずかしながら、学祭と卒論発表の2回のみでしたが…

お金を払って買っている「大学生」という時間を、サークルやバイトだけでなく、学会のような知見を広げるために使ってみても良いのでは、と社会人になった今だからこそ思います。

現在は、株式会社スガタリサーチという会社で定性調査などの仕事に携わっています。座談会やモニター調査、という言葉にするとわかりやすいでしょうか?メーカーや大手IT企業から依頼を受けて、企業のマーケティングリサーチの一環を担っており、皆さんもご存じの、統計を使用する定量調査とは相対する方法での調査となりますが、人の心理に触れられるといった点では共通しているかと思います。

ポスター発表を行いました😊

調査会社といわれてもピンとこないかもしれませんが、心理学をいかすことができる職種だと思いますので、興味のある方は調べてみてください…!

長くなりましたが、この度は貴重な機会をくださったハワード先生、有難うございました。

学生の皆さんも、どうぞ有意義で後悔のない学生生活を過ごしてくださいね。

秋田沙也加(2017年度卒業生)