公認心理師科目の「心理実習」では,近隣の精神科クリニックにご協力いただき,精神科デイケアのリワークプログラムの見学を行っています。
▶2021年度 公認心理師科目「心理実習」:精神科クリニックデイケア(リワーク)
以下の通り,実習生の体験談を既に紹介していますが,今回また別の体験談を紹介します。
▶【実習体験談】:精神科クリニックデイケア(リワーク)①
着眼点が異なることから,それぞれの関心のもとでさまざまな気づきが得られているようです。
復職に向けたプログラムに参加し、プログラムにさまざまな効果があることを学びました。心と身体のつながりに気づくプログラムでは、心身の変化を記録することで自己理解が促されることが分かりました(セルフモニタリング)。自分の体調の変化を理解するということは、今の自分を受け入れることにつながるのではないかと感じました。
また、スタッフさんと利用者さんとの会話の様子から、カウンセリングとは異なる距離感や雰囲気があり、専門家-利用者という枠に留まらない信頼関係が築けているのを感じました。そのような信頼が土台にあることで、日頃の何気ないやり取りから利用者さんの状態や変化を読み取ることが可能なるため、利用者さんがコミュニケーションを取りやすい関係を構築することの重要性を改めて感じました。 (4A 萩谷) |
大学では公認心理師の多職種連携の重要性を学んできましたが、デイケアの場で連携の実際を見ることができました。具体的には、スタッフさん同士の情報共有の丁寧さや細かさ、クリニックの診察とデイケア双方の情報共有などです。1人の利用者さんの様子を、複数の視点から捉えることで利用者さんの全体像が把握できることを学びました。
さらに、スタッフさんが利用者さんごとの体調や様子に合わせて柔軟に対応をされていましたが、共通目標である「復職」から逸れないことが従業であることも教えていただきました。支援者として、その場その場で気になること全てを改善しようとしたり寄り添い過ぎてもいけないのだと気づきました。 以上のように、デイケアでの実習を通じて「連携」という文字だけの状態で頭に入っていたものに対して、具体的なイメージを持つことができるようになりました。 (4B 山田) |
特に印象的だったことは、スタッフさんと利用者さんとの関わりが想像していたよりもずっと少なかったことです。ただしこれは、スタッフさんが利用者さんを放っているということではなく、私の中で「寄り添う」イメージが心理職の姿勢として中心となっていたためであることに気づきました。
リワークデイケアの利用者さんは、「復職」を主な目標としてリワークプログラムに参加されています。その目標があるからこそ、利用者さんの自主性を尊重し、適度な距離感を保ちながら見守ることが、リワーク領域の支援者に求められる態度なのではないかと感じました。 このように、利用者さんの目標が何であるかによって、支援者としての関わり方も変わってくるのではないかと思います。また、このような関わり方の土台には、スタッフさんと利用者さんとの双方に信頼関係が築かれていることが必要だと思いますが、そのために利用者さんと目標を共有することこそがまずは大事なのだと感じました。 (4A 萩原) |
(「心理実習」担当教員)
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