心理学科では,目に見えない人の心を解き明かすために,実験法や調査法などの各種方法論を段階的に学んでいきます。
3年次の「心理実験法実習」では,各自の関心をもとに研究計画を自ら立て,実験実施~データ分析~研究発表を進めていくプロジェクト型学習(PBL)が行われます。
今回,認知心理学が専門の松野 隆則先生が担当する「心理実験法実習A」において,2つのグループが研究報告会を行いました。前回,「マスク着用が顔の印象に及ぼす影響」を発表したグループの報告を学生に行ってもらいました。
今回もう一つのグループもご紹介します。ぜひご覧ください😊
絵文字顔からの感情認知における色の影響
グループ実験の内容と結果を教えてください。
SNS上のメッセージのやりとりにおいて、感情を伝えやすくするために絵文字顔が使われることが多いと思います(これです→😊)。
私たちは「絵文字顔を実際の顔色に近づけることで、より感情が伝わりやすくなるのではないか」と考えました。そこで、絵文字顔からの感情認知※における色の影響を検討するために、実験を行いました。
その結果、絵文字顔を赤色や青色に着色することで、感情認知の促進効果📈や抑制効果📉が見られることが分かりました。
※感情認知(emotion recognition)…表情などの何らかの手がかりをもとに,目に見えない他者の感情を捉える活動のこと。
グループ実験で工夫したことや,苦労したことを教えてください。
絵文字顔を「実際の顔色に近づける」という点が重要なポイントだと考えていたため、「どの部分をどのように着色するか」悩みました😥
また、なかなか方向性が定まらず、苦労した時期もありました。その都度、松野先生に指導していただきながらグループで話し合いを重ね、知りたいことを明らかにするための方向性を固めていくことができました😊
心理学科を目指す受験生に一言お願いします。
「実験」と聞くと、難しそう💦というイメージを持つ人も多いかもしれません。
ですが、心理学科には親身になって話を聴いてくれる先生方がいるため、自分の興味関心を一緒に深めていくことができます。日常生活の疑問に向き合いそれを明らかにするプロセスはとても大変ですが、人生において役立つ経験になると思います。
一緒に心理学科で学べるのを楽しみにしています✨
(3A 岡本)
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