心理学科では概論科目「心理学概論」「発達心理学」「社会心理学概論」「臨床心理学概論」で身につけた基礎知識をもとに,発達・社会・認知・臨床の4領域で学びを深めていくための「各論科目」を用意しています。
今回,2年次の選択必修となる各論科目「司法・犯罪心理学」について,2年生のクラス委員・本田さんに授業紹介レポートを書いてもらいました。
なお,「司法・犯罪心理学」は公認心理師の受験資格を満たすための指定科目にもなっています。
▶公認心理師|本学で取得できる資格について※一覧から公認心理師を選んでください
「司法・犯罪心理学」ではどんなことを学んでいますか?
この授業では犯罪者の心理だけに限らず、罪を犯してしまった人や非行少年らを取り巻く家庭や学校などの環境要因についても学びます。
また、刑務所や裁判所だけに限らず、社会復帰のための更生保護施設※や自立更生を支える支援者についても学んでいきます。
また、犯罪被害者のことだけに限らず、加害者側の動機などについて医学的、心理学的、社会学的な観点から考察する回もあります。
※更生保護施設…矯正施設(刑務所,少年刑務所,拘置所)の退所者や,保護観察(矯正施設とは異なり,社会の中で保護観察官や保護司の指導および支援を受ける)の対象者の中で,身寄りがなかったり,更生が妨げられるような環境にいる者に対して,一定期間の生活支援,自立支援を行う施設。
参考になったこと,印象に残っていることを教えてください。
「犯罪/非行を行わない」理由に着目し、犯罪や非行に走るのをとどめているものは何かを説明する社会的絆理論※を扱った授業が特に印象的でした。
所属する社会との絆(social bond)がこの理論には関わっており、自分の身の回りでこの絆に当てはまるものは何か非常に考えさせられました。
※社会的絆理論(social bonds theory)…ハーシ(Hirschi, T)によって提唱された,犯罪や非行に至るのを抑止している要因に着目した理論。「アタッチメント(attachment)」…家族などの身近な人や集団に対する情緒的なつながりがあること,「巻き込み(involvement)」…社会的な活動(仕事,学校など)や日課に従事している(=犯罪/非行を行う機会や時間がなくなる)こと,「コミットメント(commitment)」…仕事や学業などに取り組むことで承認される機会が得られること,「信念(belief)」…法律やルールなどに対する信頼を持っていること,の4つの絆があるとされる。
心理学科を目指す受験生に一言お願いします。
大学の学びで面白いことに1つに、さまざまな新しい視点を得られることがあります。
この授業では普段私たちが触れることの少ない、犯罪の分野についてたくさんの新しい学びがあると思います。
司法・犯罪心理学だけに限らず、特定の分野に興味がある場合、その分野に関するニュースをチェックする癖をつけておくと、授業がより一層面白くなると思います😊
(2B・本田)
受験生の皆さんは田中奈緒子先生が書いた「やる気」に関する記事もぜひ読んでみてください📢
▶やる気の出し方 【青年版】|昭和学報
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