公認心理師に必要な基本的知識/技能について,演習を通じ学ぶ「心理演習」の授業について,
先週から授業が始まり,キャンパスに活気が溢れています😊 今年度もブログで授業の様子をお届けしていきます💁♀️ 今回ご紹介するのは,方法論科目「心理演習」です。 心理演習とは… 公認心理師カリキュラムのうち,学部段階で履修する2[…]
GWも過ぎキャンパス内の木々も新緑に包まれています🌳授業も中盤に差しかかろうとしています。 今回も前回に引き続き,公認心理師に必要な基本的知識および技能に関して演習を通じて学んでいく「心理演習」の授業に焦点を当て,具体的な授業内容をさ[…]
公認心理師に必要な基本的知識および技能に関して、演習を通じて学んでいく「心理演習」に関して,これまで知能検査,およびカウンセリングの演習回を紹介しました。 [sitecard subtitle=心理演習・1 url=https://c[…]
の演習回を紹介してきました。
例年,最後の授業回では,心理職として現場で働く福嶋先生(本学大学院修了生)を講師としてお招きし,公認心理師の業務の中でもチームアプローチ,多職種連携や地域支援に関する講義を行っていただいています。
福嶋先生は老年医療領域で高齢者臨床を行っているほか,大学の学生相談室でも働いていらっしゃいます。
多職種連携の重要性と難しさ
福嶋先生からは,まず老年医療領域で行われている多職種連携の実際について具体的な事例を通じてお話いただきました。
例えば,病院内でのカンファレンスでは,医師や看護師だけでなく,薬剤師や理学療法士といったさまざまな専門職が参加し,一人の患者に対して総合的なケアを提供する仕組みが紹介されました。
一方で,異なる背景を持つ多職種が集まることで,コミュニケーションの難しさや,守秘義務をどう遵守していくか,といった課題も出てくることも説明いただきました。
また,病院や教育機関などの関連機関以外にも,近隣住民や家族、ボランティアといった多様な関係者との協働が求められることが示されました。このような幅広い連携の中で,信頼関係を築いていくことの重要性も示していただきました。
地域支援・アウトリーチ活動の取り組み
さらに,最近力を入れている取り組みとして,地域支援やアウトリーチ活動についてもご紹介いただきました。
悩みや問題を抱える人は,相談までのハードルが高いこともあります。そのため,例えば地域のカフェなど身近な場所で相談できる「認知症カフェ」のような活動を担うことも,公認心理師の重要な役割であるとご説明いただきました。
さらに、学生相談のアウトリーチ活動では,電話やオンラインで行うハイリスクのケースに対する予防的な支援もご紹介いただきました。また,学生相談では「治療」が目的となる「医療」に対して,学生相談では「成長を支える」といった視点の違いがあることも説明いただきました。
学生からの感想
講義後、参加した学生からは以下のように多くの感想が寄せられました。
特に,直前の授業回で行った模擬多職種カンファレンスでの体験と,今回の講義内容とを関連させ,多職種連携の重要さや難しさへの理解がより深まったようです。
心理学科における公認心理師カリキュラムでは,今回のように現場で活躍する公認心理師の講義も含め,学部生の段階から学生の学びが深められるよう工夫して運営しています。
特に老年医療領域については,福嶋先生の話を聞いて興味を持ったという学生が少なくありません。学生には,公認心理師の業務の実態やその幅広さをしっかり理解した上で,今後のキャリアについて考えるきっかけにしてもらえればと思っています。
(「心理演習」授業担当)
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