本学大学院附属の生活心理研究所が毎年開催している「修了生臨床心理事例研究会(卒後研究会)」が1月31日(土)に行われました。当研究会では、現場で働く修了生や学部心理学科卒業生がさらにスキルアップしていけるような研修を行っています。
当研究会には現役の大学院生も参加し、授業で学んださまざまな心理的支援のアプローチについて現場での実践から学ぶとともに、今後のキャリアのモデルにも触れられる貴重な場となっています。
今回は、昭和女子大学特任教授で発達心理学がご専門の藤崎春代先生をお招きし、「保育を支援する発達臨床コンサルテーション」をテーマに、発達臨床コンサルテーションの専門性や保育現場における巡回発達相談について講義いただきました。

今日の保育現場においては、発達特性を持つ子どもや、多様な困難を抱える子どもへの対応として、従来の保育にかかわる知見に加え、心理学的な知識や専門的な支援スキルが求められています。
巡回発達相談では、心理職が保育園や幼稚園などの保育現場に出向き、発達の気になる子どもへの理解や具体的な関わり方について保育者へ助言や提案を行います。その際に、保育者の「腑に落ちる」アセスメントが重要であるなど、これまでのご経験を交えて解説いだきました。また、多くの質問にも熱心にお答えいただきました。
講義について、参加された皆さんよりいただいた感想をご紹介します。
- 「 保育所等の訪問支援ではカンファレンスを開く時間があまり取れないこともあります。しっかり時間を取って伝えるべき情報を伝え、現場の先生方が試行錯誤できる機会につなげていく必要性を改めて確認しました。」
- 「 巡回相談は自分にとって、やりがいを感じる仕事です。先生のお話をうかがいながら、コンサルテーションにおいて大事な視点を改めて確認することができました。自身の活動を振り返り、まとめる大切さも教えていただきました。」
- 「 藤崎先生の実践に裏打ちされたお話は本当に勉強になりました。役に立つ臨床がどういうことか、改めて考える機会となりました。」
- 「自身の子どもが通った園では、園長や主任レベルの方々のやる気と現場の職員の疲弊の差がありそうだと感じていました。外部の専門職の目が必要なのは、園児への対応やアセスメントに加え、保育者のメンタル支援だと思います。」
- 「カンファレンスは誰かを責める場ではなく作戦会議であること、どこの場でも保育者にとって腑に落ちるアセスメントが大事であり、そのためには理論を現場に落とし込める形で伝えられるようにならなければならないと痛感しています。」
心理学専攻では修了生のさらなるスキルアップはもちろん、修了生、院生、そして教員が垣根を越えて交流できる場を、これからも大切にしていきたいと考えています。

(心理学専攻)