5月21日(水)に、特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の配置医石飛幸三(いしとびこうぞう)先生をお招きし、特殊研究講座を開催しました。石飛先生は「『平穏死』のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか (講談社)」「家族と迎える『平穏死』-『看取り』で迷ったとき、大切にしたい6つのこと(廣済堂出版)」などを通じ、延命治療の限界と、安らかな最期とはどのようなものか世に問うています。
石飛先生は、もともと血管外科医として最先端の医療の世界でご活躍されてきました。2005年から現在お勤めの芦花ホームに移られたそうです。
ホームでの勤務のご経験の中で、高齢者の延命のため胃ろうを作るという現状は、「無理」に生命を伸ばすことであり、かえって安らかな看取りができなくなっているのではないかと、違和感を覚えたとのことです。そして、三宅島出身の方のお話をきっかけに、高齢者の方自身のペース・意思を大切にするという方針の下、入所者の方が安らかな最期を迎えられるよう、入所者やホームのスタッフを医師としてサポートする活動を実践されています。活動を始めるまでは芦花ホームでなく、搬送された病院で最期を迎える方が多かったのが、先生たちが活動を始めてから「老衰」という安からな死をホームで迎える方が増えたとのことでした。
ご講演はホームのスタッフの方たちが作られたというDVDを交えたもので、気さくなお人柄の先生のお話は大変わかりやすく、学生たちも真剣かつ感情を揺さぶられながら、聞き入ってしました。
石飛先生、ありがとうございました。