2021年度特殊研究講座が開催されました

2021年度福祉社会学科の特殊研究講座は、6月2日(水)4限にオンラインで開催されました。

全国乳児福祉協議会会長 平田ルリ子先生をお招きし、「乳幼児を取り巻く環境と支援 ―女子学生へのメッセージ―」というテーマでご講演いただきました。

社会福祉法人 慈愛会 清心乳児園 施設長でいらっしゃる平田先生より、乳児院を中心とした社会的養育の在り方(施設内の支援、里親、地域への支援等)をテーマに、乳幼児を取り巻く環境やかかわり方(親として、専門職として)についてお話していただきました。

今回の特殊研究講座では、乳児院の概要(変遷)と、職員に求められるスキル(心得)を学びました。
乳児院の傾向として、年々、健全児の数は減り、病虚弱児の数が増えているというお話がありました。乳児院における手厚い支援の必要な子どものニーズは医療的ケースにとどまらず、身体面・心理面社会面と多様であり、乳幼児であることから医学的な診断はされていないが、障害が疑われる乳幼児、発達が気になる乳幼児は増加しているとのことです。乳児院の職員には、保育の専門性だけではなく、子ども個々の特徴を掴み支援していくこと、さらには親の身体面・心理面・社会面においての支援を行う必要もあるとわかりました。
個々の特徴を掴み支援していくことに関しては、食事の際に子どもの様子を見ながら、その時々に応じて食材をすり潰して与えているという実際のエピソードを聞き、そのなかでも乳児院で働く職員は『日々悩み、学び続けている』という言葉が印象に残っています。悩むからこそ、その解決策をみんなで知恵を出し合って考えているのだとわかりました。また、それこそが児童福祉施設において重要な他職種との連携(協働)であると感じました。
私は今年度の九月に乳児院での保育実習を控えており、本講演で乳児院の概要を知ることができ、事前学習にもなったと感じています。実習では、自分の目で乳児院の現状を見てこようと思っています。今回学んだことを活かし「社会的養育」の場であることを理解した上で、子ども一人ひとりに応じた最良の支援を考え、また『親の受援力、援助要請力を培う』という言葉のように親のアセスメントにも注目して学び、実習を充実したものにしたいと思います。
(福祉社会学科4年 奥貫)
平田ルリ子先生の講演を聞き、乳児院における職員の役割を知ることができました。近年では、乳児院で暮らす子どものほとんどが家へ戻ることができたり、里親に引き取られたりしていることから、施設内での保育だけでなく、他職種との連携も重要であると感じました。また実母の元へ戻る場合と里親に引き取られる場合では、それぞれ支援方法が異なることを初めて知りました。
そして「一日一日の積み重ねが、人格形成に重要である」という言葉から、保育者は責任感を持ちながら、日々子どもたちとの関わりを大切にしておられることを感じました。乳児院での実習を予定しているので、実習では支援方法を学びつつ、保育士として専門性を考えながら、積極的に取り組みたいです。(福祉社会学科4年 酒寄)