「置かれた所で咲くこと」

もうすぐ東日本大震災から1年がたとうとしています。

私の机の左上に、1つの鉢植えの花があります。この花は、「エラチオールベゴニア(花言葉:親切)」というベゴニア科の花で淡い黄色い花が咲きます。丁度、一年前、現代教養学科の教授室にやってきました。ちなみに、教授室とは、学生の皆さんが履修相談や学生生活に 関することの相談にやってくる部屋で、いつも先生方が学科の仕事をしています。高校まででいう職員室のようなものです。
昨年度の卒業式は、震災の影響で中止となりました。現代教養学科では、在学生と先生方が手作りの卒業式をして、卒業生の門出をお祝いしました。その時に、学科から卒業生一人一人にお花をプレゼントしたのですが、 注文したお花屋さんからサービスで頂いたものです。
この鉢植えの花を、この一年、助手のIさんが自らすすんで、水やりしたり剪定したりして丹精込めてお世話し続けていました。
大学は夏・冬などの長期休暇に構内へ立ち入れない期間があります。この間は教職員のほとんどがお休みを取るのでお花を世話することはできません。このような環境で、教授室で植物を育てるのはとても大変です。
ある日、仕事の合間に私がふと鉢植えを見上げると、なんと黄色いツボミがついていることに気が付きました。

そして、あの震災から初めて迎える3.11を前にまさに満開になろうとしています。

 どんなに困難な状況に置かれても「置かれた所で咲くこと」の大切さを改めて感じたのでした。

(記事:M.O.)