こんにちは!福田ゼミ3年です。
7月16日に「世田谷パブリックシアター」の公演『子午線の祀り』に併せて開催された劇場ツアーに、ゼミで参加しました。報告させていただきます。
まず、「世田谷パブリックシアター」について、簡単に説明します!
世田谷パブリックシアターは三軒茶屋のシンボル、キャロットタワー内に1997年に開場した約600席をほこる公共劇場です。現在の芸術監督は狂言師の野村萬斎さん。2002年までは演出家、劇作家の佐藤信さんが務めていました。
今年は開場20周年ということで記念プログラムが組まれており、『子午線の祀り』は野村萬斎さんの初演出による「平家物語」に材を取った名作です!
いよいよツアーのスタート! 最初に説明を伺ったのは、観劇に訪れた際は必ず立ち寄るロビーです。ロビーのデザインは、「劇場は広場である」という理念のもと、木の広がる様子を表現しているとのことでした。続いて客席へ向かいました。世田谷パブリックシアターの客席は勾配、客席数を自由に変えることができ、公演内容に合わせて劇場の雰囲気をガラッと変えることができるのです!
ここから参加者は3チームに分かれての見学となり、私たちゼミ・チームが最初に訪れたのは調光室でした。調光室とは舞台上の照明を司る部屋のことです。照明はすべてデジタル化されており、公演中は機械の不調が起こっても大丈夫なようにバックアップと合わせて2台の機械が常に動いているそうです。また、公演中に部屋の光が演出に影響しないように部屋は真っ暗で、手元のライトや暗視カメラで照明を操作しているとのことでした!
照明スタッフさんのお話を聞いた後は、なんと舞台上に上げていただきました! 見学当時は野村萬斎さん主演「子午線の祀り」の公演中であり、公演そのままの舞台セットを見学するという、大変貴重な体験をさせていただきました。舞台の天井にはたくさんの「バトン」と呼ばれるものが渡してあり、そこに照明や幕などを吊るしているそうです。舞台は客席から見るよりも意外と高く、もちろん危険な場所もたくさんあります。ステージスタッフさんのお話では「危険のないようにすることも大事な仕事の一つ」という言葉がとても印象的でした。
舞台上で女優気分を味わった後は、スポットライトのあるピンルームへと向かいました。すでに訪れた調光室とは違って、こちらの照明では舞台上にいる人を照準器で狙って照明を当てているとのことでした。さらに階段を上がって、劇場の天井である「空」に最も近いところも見学しました。天井には、昔の演劇が野外で上演されていたことにちなみ、青空の絵が描かれています。想像していたよりも高く、思わず足がすくんでしまいました…。
普段は絶対に入ることができないであろう道を通りながら、次は音響室へと向かいました。音響室ではなんと! タブレットを使って機械を少しだけ操作させていただきました。音響も現在はオールデジタル化されており、公演の内容に沿った何通りもの音響プランを打ち込んで操作しているとのことでした。
音響スタッフさん気分を味わった後は、別棟にある稽古場へと案内していただきました。都心にありながら、稽古から本番まで一つの場所で作品を作り上げることができるというのも世田谷パブリックシアターの大きな特徴の一つだそうです。稽古場はなかなか入ることができないと思うので、こちらもとても貴重な体験でした!
とにかく貴重な体験ばかりだった劇場ツアー。観客としての視点だけではなく、スタッフさんの視点からのお話は本当に勉強になることばかりで、大変興味深かったです。このような素敵な方々が陰の力となって作品を支え、舞台が作り上げられていると思うと、今まで以上に芝居が好きになりました! 大学の近くにこんな魅力的な劇場があることを幸せに思います。U24の制度でお得な料金で見られるうちに、たくさん観ておきたいと思います!!
(3年 浅見莉花)
世田谷パブリックシアター ホームページ https://setagaya-pt.jp/