皆さん、こんにちは!現代教養学科2年の三浦と市角です!今回は、日本ではほとんど見られないシンガポールの多文化共存の取り組みや日本との違いについてご紹介しますね!
シンガポールには他の国では見られない景色がたくさん存在しています。イスラム教モスクの三日月と尖塔が見えると思ったら、そのすぐ近くにキリスト教教会の十字架が視野に入ったり仏教寺院の瓦屋根が目立ったりと…小さな空間に複数の宗教が共存しています。まさに世界の縮図です!多宗教が混在しているのにかかわらず、対立するのではなく、それぞれの神様を信仰していることがうかがえます。そこで私たちは、今回のシンガポールでの国際社会調査研修を通して、多くの宗教や民族がなぜ対立せずに共存できているのか、とりわけ日本では普段あまり見ない工夫や政策などを探ってきました。
左:リトルインディアのヒンズー教寺院で行われていた儀式はまさに異空間…!
右:日本のお盆にあたる「ハングリーゴースト・フェスティバル」のときのチャイナタウンではお供え物がずらり!
まず、シンガポールには、身近なことでも日本にはない工夫があります。その一つが看板です。日本でも、近年多言語看板の設置が増えているとはいえ、どこへ行ってもまだまだ日本語がメインですよね?ですが、シンガポールの看板には基本的に英語、中国語、タミル語(主にインド南部で話されている言語)とマレー語の四つの言語で書かれています。現地では英語や中国語を話す人の割合が高く、タミル語やマレー語の話者は少数派になりますが、多数派だけでなく少数派の人たちに対しても配慮がなされていることがわかります。数に関係なく、より多くの人の暮らしと文化を支えるために必要な看板ひとつとっても、多文化共生の取り組みが見えてきますね!
次に食べ物についてです。シンガポールの食べ物は中華系、インド系、マレー系にとどまらず、これも本場のアラブ系、イギリス系、プラナカン系(15世紀以降にシンガポールやマレーシアへ移民してきた、現地の文化に深く根付いた中華系移民の末裔)などなど…と食べ物だけ見ても、シンガポールはなんと多様性に富んでいることでしょう!また、例えば日本だと中華料理が日本人向けに作られていたりするように、海外の料理でも日本風のアレンジが加わっている場合が多いのですが、シンガポールではそれぞれの民族や文化の料理がそのまま普通に味わえるのです。
加えて、豚肉を食べることを禁止としているイスラム教徒に対する配慮もあります。冷蔵庫や電子レンジなども、イスラム教の戒律で許されるものを意味する「ハラル」専用のものが当たり前のように設置されていました。日本ではあまり見かけませんよね…!しかしグローバル化が進む今、日本でも取り入れていくべきだと思いませんか。
ハラル専用とそうでない食器の返却棚(左)や冷蔵庫(右)は、フードコートや会社の休憩室など多くの場所で見られた。
さらに、多くの民族や宗教が集まる学校でも、色々な食べ物が用意されていることは言うまでもありません。日本だと給食で全員が同じものを食べますが、シンガポールの学校では、フードコートのようにそれぞれ自分が選んだものを食べています。このように、誰もが暮らしやすいようにするための工夫を今回の社会調査研修を通してあらゆる場で目にすることができて「グローバルシティ」のあり方について本当にいろいろ考えさせられました!
チャイナタウンでは、ドリアン、マンゴスチン、ランブータン、ロンガン(龍眼)など日本ではほとんど見かけないフルーツの試食体験も!フルーツまで多様性に富んでいます!(果物の王様であるドリアンはフルーツ?とは遠い味でした…試食後に気が遠くなる人もいました…)
以上のように、多くの民族や宗教が共存するために必要なことがシンガポールではとても身近にたくさんあると感じました。現在、日本でも多くの外国人が移住、仕事や留学などで生活しています。シンガポールでの取り組みを、日本でも活かしていけるのではないかと思えた研修の旅でした!そして、知恵を出し合い努力や工夫を重ねていけば、文化はぶつかることなく共存できるのだということを実感できた旅でもありました。
さて、今回が現代教養学科・国際社会調査研修シンガポール編の最後のブログです!最後までご覧いただき、本当にありがとうございました!
記事:2年・三浦、市角