「貴重図書」ってどんなもの? [2019年12月14日(土)]

 資料的に価値が高く、希少性が高い図書のことを「貴重図書」と言います。勿論、非常に高額なものでもあります。しかし、貴重図書の詳細な基準については図書館によって違いがあるのだそうです。本学の図書館でも、貴重図書は、一般資料とは区別して大切に扱っています。約15,000冊の貴重図書を現在所蔵しています。

 本学創立100周年を迎える2020年に、本学が所蔵している貴重図書を公開展示する企画があり、準備が進められています。それに先駆けて、12月4日と11日に、近年図書館に登録した貴重資料の特別内覧会がありました。

 内覧会で拝見した本学の貴重図書のいくつかを紹介したいと思います。

 下の写真の書物には、どんなことが書かれていると思いますか。

 美しい色彩で彩られた表紙を開いて中をみると、墨で描かれた絵の余白に文章がぎっしりと詰まっています。これらは、江戸時代、1846年に出版されたもので、今でいう絵本のようなものと言っても良いかもしれません。『釈迦八相倭文庫』(しゃかはっそうやまとぶんこ)のシリーズで、初編から55編の合本27冊が揃っています。内容は、釈迦の生涯を表したもので、誕生して19歳のときに出家し、12年の修行を積んで悟りを開き、人々に教えを諭すまでの過程を描いたものです。他にも、『金色夜叉』の著者として有名な尾崎紅葉直筆の掛け軸をはじめ、紅葉と泉鏡花の印譜(鑑賞や研究を目的として、印章の印影や印款を中心に掲載した書籍のこと)、そして、泉鏡花の初版本33点もあります。また、与謝野晶子の「批評は好悪なり」という論説の自筆原稿もありました。

 さて次の写真は、英語の本です。皆さん『不思議の国のアリス』の話はよくご存じだと思いますが、小さな子どもに読み聞かせができるように易しく書き直し、挿絵にも柔らかく色づけしたものが、この“The Nursery Alice”『子供部屋のアリス』です。これは、1889年に出版された、その初版です。他に、イギリスのヴィクトリア時代の有名な小説家、チャールズ・ディケンズ旧蔵の“The Holy Bible” (欽定約聖書)もありました。12月もいよいよ3週目に入り、ディケンズの『クリスマス・キャロル』をもう一度読んでみたくなる時期になりましたね。

 さて、最後に紹介するのは、『源氏物語絵帖交屏風』(げんじものがたりえはりまぜびょうぶ)です。『源氏物語』五四帖の桐壺から夢浮橋まで、各帖一場面の絵を選んで貼り付けた六曲一双の金屏風です。屏風に張り付けられた絵の金銀をはじめとした豪華な色使いと、緻密で優美な絵を見ていると、源氏物語の世界に自然と引き込まれていきます。

 今回は、それぞれの分野のご専門の先生方に解をもしていただきながら、14の新しいコレクションを見せていただきました。来年度の創立100周年記念の展示はきっと素晴らしいものになるだろうと、期待がますます膨らみました。

ご案内をしていただいた方々:右から、図書館前之園次長、日本語日本文学科胡秀敏教授、吉田昌志図書館長、左端に、英語コミュニケーション学科金子弥生教授

「那古の思い出」 [2019年11月29日(金)]

 昭和女子大学には、「学園の歌」がたくさんあります。2001(平成13)年4月発行の『学園歌集』が私の手元にありますが、編集委員の方々が、どんな歌を歌集に入れたら良いのかを厳選して、出版されたものです。歌集に収録されている歌曲は、「学園の歌」「愛唱歌(日本)」そして「愛唱歌(外国)」に分類されています。

 その中でも「学園の歌」は、本学にしかないもので、多くの歌が、学園の礎を築かれた創立者人見圓吉先生や人見楠郎先生をはじめとした学園関係者の方々によって作詞作曲されました。「校歌」、そして学校行事で歌う「祝歌」はもちろんトップに収録されています。また、「追悼の歌」や「恩師同窓に捧げる歌」は、今でも墓前祭などで必ず歌われています。しかし、それ以外の歌は、残念なことに、あまり歌う機会がなくなってしまいました。
 東明学林や望秀海浜学寮の歌もいろいろ入っています。その中で、望秀海浜学寮に宿泊した経験のある卒業生なら、だれでも一番心に残っている歌は、きっと「那古の思い出」だと思います。人見楠郎先生の作詞で、井上正先生の作曲です。このメロディーを聞いていると、鏡ケ浦に静かに打ち寄せては引いていく波の音、日が少しずつ暮れていって、周りの景色がだんだんに影絵のようになっていく夕焼けの那古海岸の景色が心に浮かんできます。
東京出身で故郷がなかった学生達にとって、昔は望秀海浜学寮が、心のふるさとのようなものだったのかもしれません。

那古の思い出
1.鏡のような 那古の海
  静かにあけた 青い海
  朝の空気を すいながら 
  貝がら集めた 砂浜に
  ぽっかり咲いた 月見草
  楽しいおはなし してくれたっけ
2.ぎらぎら光る 那古の海
  夢いっぱいの 夏の海
  げんきに泳いで 沖の島
  陽やけた顔の すいか割り
  白波けって とぶヨット
  日暮れになるのが はやすぎたっけ 
3.こがねの月の 那古の海
  忘れられない 夜の海
  なぎさに立って 友だちと
  はるかに灯台 見ていたら
  風がやさしく 頬なでて
  「お休みなさい」してくれったっけ

 最近は行事などで学生のみなさんが一斉に集まって、歌う機会も少なくなりました。「校歌」や「祝歌」は歌う機会も多いので、これからも大事にしていきたいですね。

『女性文化』 [2019年11月25日(月)]

 たまたま書棚を見ていたら、『女性文化第34集』が目に留まりました。これ1冊だけ、『女性文化』の棚から抜き出してありました。もう一度読みたいと思っていたところがどこかもすっかり忘れていました。

 『女性文化』は、本学の近代文化研究所が昭和女子大学の女性教養講座でお話しくださったご講演の中から、講演者の承諾をいただいたご講演内容を、毎年まとめているものです。第1集を1984(昭和59)年に出してから、昨年度の講演をまとめた第37集まで、すでに37冊となっています。
 私がもう一度読み返したいと思っていたのは、当時、ノートルダム清心学園理事長でいらした渡辺和子先生の「三つの化粧品」というお話でした。
 教育者、修道者、そして著述家でもいらっしゃる渡辺先生は、本学の「実践倫理」の授業も時々お引き受けくださっていました。アメリカ、ボストンカレッジ大学院でも学ばれています。1981年にマザー・テレサが来日した折には通訳も務められました。とても残念ですが、2016年12月に他界されました。
 渡辺先生は、昭和11年2月26日の早朝に、二・二六事件で30人の青年将校らに惨殺された陸軍教育総監、渡辺錠太郎氏の次女でいらして、当時9歳でした。座卓の陰に隠れていた先生は、お父様が44発の銃弾を受けて亡くなるまで、その一部始終を目撃し、さらに、事件の半年後、将校たちが処刑されたことをきっかけに、戦後は、シスターとしての道を歩まれました。

 第34集に収められている渡辺先生のご講演のテーマは、「三つの化粧品」です。眞山美保氏が書かれた劇『泥かぶら』を紹介され、泥のついたかぶらの様に醜い顔をしていて皆からいじめられていた少女が、ある旅人が教えた3つのことを、来る日も来る日も実行して「仏のように美しい子」になったというお話です。その3つとは、「笑顔、思いやり、自己受容」。このご講演の中では、マザー・テレサの通訳をしていた渡辺先生が直接マザー・テレサからお聞きになったことばに、特に感銘を受けたことを思い出しました。 日本にいらして一番のカルチャーショックは何かと聞かれたマザー・テレサは、「日本があまりにきれいだということです」とお答えになったそうです。その時「きれい」の英語はprettyを使われ、「ごみが落ちていない」「服装、建物、家、そして車がきれいだ」と仰り、でも、「きれいだけれども、美しさが足りませんね。きれいな家の中で、親と子との間に話題がない、口争いが絶えないとすれば、日本の立派な建物は、カルカッタの泥で捏ねた小屋よりも貧しいと言わねばなりません」と続けられたのだそうです。結局、日本についてのお言葉の中で、beautifulは一度も使われることがなかったけれども、お金で買えない「美しさ」を私達は大切にしたいものです、と渡辺先生は話されています。これを読み返して、どこか心痛むところがありませんか。

 お聞きしたいろいろな分野のご講演内容は、しばらくは記憶にあるのですが、数年が経過すると、すばらしいお話だったということは思い出しても、具体的にどんな内容であったのかの記憶が薄れてしまうものです。是非、多くの皆さんに、本学が発行している『女性文化』を時々読み返して欲しいと思います。
 

「有職故実」って何でしょう [2019年11月15日(金)]

 10月22日(火)に行われた「即位礼正殿の儀」。今上天皇のご即位をお祝いすると共に、平安絵巻のような景観に、日本文化のすばらしさを改めて感じた方も多いでしょう。
 テレビの中継では、高御座に入られる今上天皇と御帳台に入られる皇后陛下のご装束について、天皇陛下は「黄櫨(こうろ)染御袍(ぜんのごほう)」と呼ばれる束帯で、これは天皇のみが着用する装いで、淡く赤みがかった茶色が特徴だという説明がありました。皇后陛下は十二単姿。儀式を見守る皇族の皆様も、男性は束帯、女性は十二単を身にまとわれていらっしゃいましたね。
 朝廷や公家、武家などが行う昔からの行事や儀式・制度・官職・習慣の先例やそれらを研究する学問を有職故実(ゆうそくこじつ)と言います。私が大学に在学していたずっと昔、「有職故実」の授業は、河鰭実英教授がご専門でした。

 私は英米文学科で学んでいたため、残念ながら先生のお授業を受けることは無かったのですが、河鰭先生は、東京帝国大学文学部をご卒業後、大正天皇の侍従をされ、1949年から本学の教授として学生のご指導をして下さいました。そして、1969年の4月から第3代の学長にご就任されました。有職故実をはじめとして、日本や世界の服飾史に関する図書をたくさん世に送り出されています。
 今年の6月に、昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科の学生が、久保貴子先生の『有職故実』の授業を次のように紹介しています。

 「授業では、宮中の制度・儀式・装束などの有職全般にわたる平安時代の形成過程を学ぶとともに、それ以降の廃絶、中絶、復活や再興など歴史的変遷にも着目しています。『有職故実』は上級生優先ですが、2年生から履修することができます。開設学科である歴史文化学科や日本語日本文学科の学生だけでなく他学科の学生もたくさん履修しており、文系理系問わず人気の授業です。・・・有職故実というと、私たちには関わりのない昔のことのように思えますが、実は現代に息づいているものも多くあるようです。・・・有職とは、知識があることであり、故実とは古の事実、制度・儀礼上の古例習慣(先例)を指すそうです。・・・毎回の授業の先生の熱のこもった説明は大変聴き応えがあります!興味のある方、ぜひこの授業を履修してみてください!とても楽しいですよ~!」
 有職故実は、国文学、日本史、文化史を始め隣接する研究にまで広がりを持つ大変重要な分野です。そして、今年、「即位礼正殿の儀」をテレビや新聞などを通して見ることができたことは、祖先が育んできた文化の一つである日本の儀式典礼の意味や精神を知ることに繋がり大変幸運でした。

11月は行事が続きます [2019年11月09日(土)]

 まず、11月1日(金)は昭和女子大学の復興記念日です。大学では特に行事は行いませんが、附属の中高部では、この日をスクールカラーデーとしています。戦災、震災、火災という3つの災害に遭遇しながらも、その度に再起して発展してきた昭和女子大学の歴史を振り返り、今後の成長を誓う日です。校旗の色、スカイブルーがスクールカラーです。どこまでも高い空の様に、ここで学ぶ生徒の皆さんも、高みを目指して前進することを誓う日です。

 今年、特別に入った行事が、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)の正式な開校式です。11月6日(水)の午後、本学の西キャンパスに移転したTUJの中庭で、アメリカ、フィラデルフィア本校から理事会メンバー、学長など多くの皆様も参列して、日本式の鏡開きをしました。その後、本学理事長・総長のテンプル大学からの名誉博士号授与式が記念講堂で行われ、福田康夫元総理大臣をはじめ、多くの方々の祝辞に続いて、博士の学位を授与された坂東理事長・総長のスピーチをお聞きしました。「日本をはじめ世界の国々は若者が力を発揮することを持ち望んでいます。私たちは、大学は若者に力を付けるために何ができるのか、そして教育者として私達は彼らを力づけるためになにができるのかを常に考えていかなければならないのです。」という力強い言葉で、スピーチを締められました。

11月7日(木)は先哲の慰霊祭です。学内にある先哲の碑の前に祭壇ができて、お世話になった恩師や同窓の遺徳をしのび、本学発展に尽くした先人の遺志を継いで、更なる発展を誓います。

また、同日は、創立者の墓と恩師同窓の墓のある世田谷の松陰神社に、その年1年間にお亡くなりになった恩師・同窓のご遺族をお招き、墓前祭も行いました。
加えて、本学の第2代理事長の人見楠郎先生のご命日である11月4日から1週間、学園本部の玄関に献花台を置いて、
在りし日のお教えをしのびます。

 そして、11月9日(土)、10日(日)は昭和学園の文化祭です。大学は「秋桜祭」、附属校は「昭和祭」と呼んでいます。来年の創立100周年に向けて作成した学園イメージソングも初披露されました。

 是非、たくさんの方にTUJ、BST(British School in Tokyo)など、アメリカ、イギリス式の教育を行う学校の校舎もある、新しい昭和学園を訪れていただければ嬉しいです。

三茶?それとも? [2019年11月01日(金)]

 次の3枚の写真は、昭和女子大学光葉博物館で12月14日(土)まで開催している「羽化する渋谷」、の展示で撮影させていただきました。始めの写真は駅の周辺のようですが、荷車を引いた馬も繋がれています。駅舎の方に向かって歩いている人は、半纏のようなものを着ていますね。
 どの写真にも手前に少しぼかした人物の絵もあって、その頃の人々の服装なども分かるように工夫されています。

 明治18年に、最初にできた渋谷駅だそうです。今から135年も前のことですね。

 次の写真は、1920年、本学が創立された年に撮影された第2代の渋谷駅です。駅舎がモダンです。路面電車が走っています。

次の写真は、いつ頃のものでしょう。

2枚目の写真の約13年後、ハチ公が生きていた時代の渋谷の様子です。写真の中にハチ公は見えますか?日本女子高等学院が、昭和女子大学に改められたのは、1949(昭和24)年のことですから、それよりも15年以上も前の写真です。残念ながら、ハチ公は写っていませんね。

最初のイラストは中林啓治さんという方の作品で、田村研究室でイラスト内の人物を拡大してポートレートにしたもの、
また2,3点目は、渋谷区白根記念館所蔵の渋谷駅の写真に加工を入れ、人の部分を拡大してポートレートにしたものだそうです。

何もなかったところに、渋谷駅ができて、それから今日まで、渋谷駅周辺は大きく様変わりしました。昭和女子大学は三軒茶屋にありますが、多くの皆さんが渋谷駅を利用されていることでしょう。
   

「羽化する渋谷」のテーマは、「渋谷駅135年の時系列模型から見る2020年」です。1日に平均約250万人が乗り降りする渋谷駅がどのようにして現在の複雑な形に変形して来たのかを見ることができます。私は湘南新宿ラインを使って通勤し、あの長い、長い連絡通路を毎朝毎晩歩かされています。展示を見て、「やはり、こんなに長い距離を歩いているのだ」とちょっとした満足感を持ちました。
 一緒に歩きながら、展示物について詳細に解説して下さるギャラリートークや、模型に触れながら渋谷駅の複雑な構造への理解を深めるワークショップも開催されます。是非、環境デザイン学科田村研究室の学生達の研究成果をご覧ください。

ギャラリートーク 入場無料 各回定員20名 11:00-12:00(受付開始10:30)
11月3日(日) 英語
11月9日(土) 日本語
11月10日(日) 日本語
12月8日(日) 日本語

ワークショップ 入場無料 各回定員15名 11:00-12:00(受付開始10:30)
11月24日(日) 日本語

いずれも申込はこちらから

マドンナ [2019年10月25日(金)]

 
 月に1回、教育、女性、文化などについて、日ごろ抱いている疑問などを語り合い、論じ合う「文化懇談会」は、本学の創立者である人見圓吉先生のご自宅で行われていた例会でした。はじめは20名ほどだった参加者が次第に増えて、より広く若い女性たちに開放しようということとなり、1919(大正8)年に「新婦人協会」が発足しました。予想に反して、講師5名に対して受講生はたったの8名でした。この新婦人協会の趣旨書がそのまま、1年後に開設された私塾「日本女子高等学院」の「開講の詞」となりました。そして、私立学校として東京府(現在の東京都)から認可を受けることができたのは1920(大正9)年のことでした。それから、来年度創立100周年を迎える今日まで、「開講の詞」は昭和女子大学の建学の精神として引き継がれています。

 人見圓吉先生は、1883(明治16)年に東京で生まれ、岡山県で育ちました。早稲田大学高等師範部英語科に学び、この頃から詩作に励まれました。卒業後は読売新聞社に記者として勤務され、文学者の道を歩み始められたのです。早稲田詩社を創設され、口語自由詩運動の基礎を築かれて、新体詩の普及にご尽力されたお一人でした。1921(大正10)年に「愛のゆくへ」を書かれて以来、49年目となった1969(昭和44)年に、今でも続いている「昭和学報」に自ら「よみ人しらず」の筆名でお書きになっていた「学園の歌」や「学生の歌」を1冊にまとめられたのが、写真の『学園の歌』です。初版は10月に、再販は11月に出版されています。

その中から、「マドンナ」という詩をご紹介したいと思います。

マドンナ

自分のあることを知って
世のあることを知らず
自分のためにむさぼって
他人に施すことをせず
自分の能力をほこって
人をあがめることを知らない。

だから愛らしさも
床しさも
優しさも
美しさも
すがすがしさもない。

レオナルド・ダ・ビンチの描いた
モナリザのような
ミケランジェロの彫刻
聖母マリアのような神々しさも
清い清いゆたかさも
不朽の生命もない。

だから「学」と「智」と「徳」で
あらがねのような「我」をみがき
みがきにみがき、みがき上げて
玉のような光をはなち
世のともしびとなり
道のしるべとなりつつ。

クラスメートを愛し
上級生を敬し
先生を尊んで
世にもまれな学風を作りなさい。
あなた方の未来のために
日本人の幸福のために。

マドンナ(Madonna)は、もともとはイタリア語で、「聖母マリアのような女性」のことを指します。マドンナのように、世のともしびとなり、人々の道しるべとなれるように、「学」と「智」と「徳」で自分を磨き上げ、自分と日本の未来を見据えて、互いに周りの人々を尊敬し合える学風を作りましょう、と呼び掛けています。創立100周年を控えて、創立者の思いをときおり、振り返ってみたいものです。

庭の教え [2019年10月18日(金)]

正門から入って守衛室側の道を少し歩いた所に「庭の教え」の歌碑があったのを覚えていますか。学園内が整備されて新しくなったので、以前あった場所から移されました。
ここに移っていますが、どこかわかりますか。

奥の方には、赤い帽子をかぶった「7人の妖精」のうちの一人がいるようです。

ちょうど光葉博物館の手前にある植え込みに移動されました。少し奥まったところなので、この歌碑の近くまで踏み石が置かれ、刻まれている歌を近くで読むことができます。

さあ、何と書いてあるのでしょうか。はっきり読めるところばかりでなく、良く判読できないところもありますね。

婦みまよふ人              
   こ楚な介禮
       以つこに毛
  彌はのをしへの
     為しある世者

「ふみまよふ 人こそなけれ いづこにも にはのをしへの ためしある世は」と読みます。日本語日本文学科の槍田先生に教えていただきました。

昭和10年10月25日の創立15周年を祝って、本学の松平俊子先生の、また、当時の梨本宮妃殿下のご母堂の鍋島栄子刀自(とじ)が短歌2首を寄せられました。「刀自」は敬称です。そのお心を永く留めるために、秩父石に刻んで記念碑としたものだそうです。この年の創立記念祝賀祭では、3日間にわたって、祝賀会、記念園遊会、展覧会、映画会、文芸界、運動会などが繰り広げられた、と『学園の半世紀』に記されています。

ちなみにここに刻まれているのは2首目で、1首目には、
「いろいろに茂れる庭の教草 つみおくれてはかひなかるらむ」とあります。

「学校ではいろいろとお教えいただくが、それをどんどん自分の物としていかなければ、学ぶ甲斐はありません。学校での教えをしっかりと身に着けていけば、道に迷う人は決していないでしょう」と、この2首は呼びかけています。皆さん、今学期もそれぞれの成長のために、頑張りましょう。

お昼を楽しんでいますか [2019年10月11日(金)]

 学生の皆さんはキャンパスにいる時、お昼はどこで食べていますか。学生ホールでお弁当、それとも三軒茶屋駅周辺のお店、プレリュード、ソフィアでしょうか。
 大学を訪れる卒業生も、是非、体験してみたいものの一つが、カフェテリア・ソフィアのランチではないでしょうか。
 本学西キャンパスに移転したTUJ(テンプル大学ジャパンキャンパス)の学生と本学学生が協働で、今、楽しいメニューを提供しています。
 それが、世界食堂です。世界食堂プロジェクトは本学の創立100周年記念事業の一環として、全学科から英語を得意としている学生を集めた学生有志(グローバル広報チーム)、生活科学部の健康美プロジェクトとTUJの学生有志(グローバルフード大使)の3チームを中心にして学生食堂ソフィアのご協力のもと実施しています。

このプロジェクトで初めに提供するのが、フィリーチーズステーキ(Philly Cheese steak)です 。フィラデルフィアから日本に留学してきているTUJの学生からいろいろな情報を得て、作ったメニューだそうです。

 Phillyはフィラデルフィア(Philadelphia)市の愛称で、Philadelphia に本拠を置くメジャーリーグの球団名にもなっています。固めのロールパンに、炒めた薄切り牛肉と溶けたチーズを詰めたサンドイッチで、フィラデルフィアが発祥の地とされています。最近は、ピザ専門店でも販売している所があるようです。プロジェクトで作ったメニューは、健康的な食事となるように、カロリーが高くなり過ぎないようにいろいろ工夫してあるそうです。10月19日(土)までの期間限定での提供ですので、是非一度、出来栄えを試してみてください。
 今後も第2弾、3弾と新しいメニューを開発して、プロジェクトで提供してくれるとのこと、楽しみですね。

 ところで、10月中は、学友会執行部の発案で始まった朝食もソフィアで提供されます。農林水産省のホームページにも一日の生活リズムを整えるために、朝食を摂ることは大変重要だと書かれています。朝食抜きだと、「体温も上がらずエネルギーが不足して、午前中からぼんやりしたまま過ごすことになりがち」だと書かれています。特に脳のエネルギー源はブドウ糖だけだそうですから、授業の始まる前にしっかりと朝食を摂って、1日の時間を有効に使いましょう。

さあ、後期が始まりました [2019年10月07日(月)]

 創立100周年をあと半年後に控え、大学生の夏季休暇中に学園の整備が進みました。
正門を入って左側の植え込みにも色とりどりの秋の草花が揃い、後期を迎える準備が出来たようです。紫のアメジストセージ、赤のゼラニウム、黄色のデイジー、緑のローズマリー、白いバーベナなどたくさんの花が咲き乱れ学生のみなさんを迎えてくれます。

夏季休暇前に正門からの道に沿って、たくさんの植木鉢に植えられたコキアと日日草を覚えていますか。日日草は、夏の間ずっと色とりどりに咲き誇っていました。コキアも随分成長し、ところどころに紫色に見える茎や葉が混じるようになりました。

校舎から正門に向かって歩くと、左側にある壁も下の写真の様になりました。これはハゴロモジャスミンという花で、春に開花します。まだ、壁に這わせたばかりですが、早く根付いてたくさんの花をつけてくれると嬉しいですね。

夕方には、歩道にあるベンチや並木の下に明かりがともります。秋から冬にかけての長い夜には、きっと素敵な景色を見せてくれるでしょう。

学生ホールも変わりました。環境デザイン学科卒業の永山祐子さんのデザインです。永山さんは、2002年に(有)永山祐子建築設計を設立し、2020年開催のドバイ万博で日本館のデザインを担当するなど世界的に活躍中です。天井の配管がそのまま出ていて、おもしろいですね。かなり昔のことですが、変形文法を提唱したチョムスキー博士の研究室を訪ねてボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪れた時に、廊下の天井もこんな風になっていたのに驚いたことを思い出しました。

さて、もう一つの注目は、アマゾンで注文した商品が本学のロッカーで受け取れるようになったことです。最先端の試みですよ。
是非、皆さんも利用してみてください。