楠への願い [2018年04月20日(金)]

これは、キャンパスのプロムナードにある木の幹を事情があって、3月に切った折の写真です。年輪が見事ですが、同時にこの木の歴史を伺い知ることもできます。年輪の幅が他のところと著しく違っている部分は、きっと日照の向きや量が変わった、つまり、移植された可能性が高いのではないでしょうか。幹を伐採しなければならなかったのは、とても残念でした。樹齢、何年くらいだと思いますか。たぶん60年以上は経っているのではないかと聞いています。

歴史をひもとけば、世田谷キャンパスに初めて楠の苗木が植えられてから今年で72回目の春を迎えています。戦火で焼失した上高田の緑が丘からここ太子堂にやっとの思いで移転して、半年後の昭和21年5月のこと、美しい緑を育て後輩たちの憩いの場となるようにと、卒業生のお宅から100本もの小さな楠の苗木が届いたのです。一本一本、心を込めて植えた先輩たちの願いの通り、楠は嵐や雪に遭っても、そしてやむなく移植されても、昭和で学ぶ児童、生徒、学生を力強く見守ってきてくれています。

プロムナードに移転される直前は、初等部前の広場にありました。こども園の建設のために今の場所に移転されたのです。ところが、移転のためにクレーンでつり上げる時に、幹に巻いたロープで楠の表皮を剥がしてしまいました。表皮には根から吸い上げた水を上部の枝葉に送る機能があり、大変な打撃だったことでしょう。しばらくは樹勢を保っていましたが、最近、徐々に枯れが進行し、これ以上そのままにしておくと、大枝が落下するなどして大きな事故につながりかねない状況となってしまいました。

そこで、ウッドデッキから1.5メートルほどの高さのところで伐採し、その切り口から萌芽がでてくるように蘇生手術を施したそうです。萌芽がでても樹木として形ができるのは、20年以上先のことのようです。

そして、嬉しいことに、既に新芽が芽吹いてきました。

ウッドデッキのこの楠を皆さんで大切にしましょう。いま在学中の大学生が卒業して40歳代になる頃、樹木へと成長し、皆さんの後輩たちに心地よい木陰を作ってくれているといいですね。

おいしそう! [2018年04月13日(金)]

4月2日の入学式が終わり、新入生の皆さんは10日までがオリエンテーション期間です。大学の施設や、使用する教室、ホールなどの場所を上級生に案内してもらったり、履修関係の書類を作成したりと、充実したスケジュールをこなしたことでしょう。4月11日 ㈬ からいよいよ前期の授業がスタートしました。

オリエンテーション期間の楽しみの一つは学科主催の歓迎夕食会ではないかと思います。冒頭と次の写真は夕食会でふるまわれた料理が並んだテーブルです。普段の学生食堂ソフィアでの食事とは違って、パーティスタイルの食事は、とてもおいしそうです。世話役で参加した上級生は、去年よりも今年の方がおいしかったと話していました。

歓迎会の運営の仕方は、5学部14学科それぞれが趣向を凝らしていて、学科の先生方の紹介があったり、年間のイベントのスライドを見たり、ゲームをしたりと、バラエティーに富んでいました。ほとんどの学科で2・3年生が、歓迎の計画を練りに練って下さり、「今年の先輩たちの様に、来年は私も下級生をあたたかく迎えたい」と1年先のことをもう約束している新入生もいました。なにしろ5学部14学科もあるので、夕方5時半から本館3階の大会議室、中会議室、カフェテリア・ソフィアの3か所で行っても、3、4、5日と9、10、13日と6日間もかかった大イベントでした。

楽しそうに歓談をしている皆さんの写真の掲載はできませんでしたが、どの学科も食事を楽しみながら、新入生も上級生も、そして先生方も、笑顔で和やかな時間を過ごしていました。

春になりました [2018年04月06日(金)]

昭和女子大学では4月2日に入学式を行い、大学院も含めて新入生1,680名が入学しました。凛とした雰囲気の中で、新入生の笑顔が輝いて見えました。

さて、この写真は、どこを映したのでしょう。

田園都市線の三軒茶屋駅で降りると、西門からキャンパスに入る方が多いので、この場所を見たことが無いかもしれません。
左側の通りは渋谷からの国道246号線で、写真の手前と後ろの2か所に渋谷からのバスの停留所「昭和女子大」があります。次の写真でこの花壇がどこにあるか、わかるでしょう。

正門の前の陸橋を降りてすぐのところにある、昭和の学生がボランティアで手入れをしている花壇です。今年の冬は雪が多くとても寒かったのですが、やっと少し寒さがおさまった頃、こんなにかわいいチューリップがたくさん並んでいました。突然に春がやってきたような楽しい気分にさせてくれました。

3月のことなので、ちょっとブログに書くのが遅くなってしまったのですが、是非、みなさんにこの花壇のことを知ってもらいたいと思い、写真を撮りました。花壇には、こんな看板がたっています。

ポケットガーデンボランティアグループは、もともと地域の町会長や世田谷区、そして本学の学生のボランティアの協力で始まりました。今は、主に学生達や246沿いの商店街の方々が水やりなどをしているのだそうです。この看板は、国道沿いの美化を目的にしたガーデン作りで成果を上げ、国土交通省のボランティア・サポート・プログラムに認められ表彰を受けました。看板は環境デザイン学科のご協力で出来上がりました。看板のSWUはShowa Women’s Universityの頭文字、PGVGはPocket Garden Volunteer Groupの頭文字です。

是非みなさんも、四季の移り変わりを感じさせてくれる、正門前のポケットガーデンにご注目下さい。

特別の卒業式 [2018年03月23日(金)]

 3月16日は、昭和女子大学の卒業式でした。4学部12学科の計1,281名と大学院博士と修士取得者の26名合わせて、1,307名が新たな道へと巣立っていきました。

 今年の卒業式は、特別に感慨深いものになりました。

 皆さん、上は何の写真がわかりますか。「学士学位」は読めると思いますが、その後の「证书」はどんな意味でしょう。「证书」は中国語で、「証書」の意味です。「学士学位証書」の上のロゴは、昭和女子大学のものではなく、上海交通大学のものです。 ロゴの上部に右から「交通大学」と書かれていて、下部にはSHANGHAI JIAO TONG UNIVERSITYとあります。

 この学士学位証書を受けたのは、初の昭和女子大学と上海交通大学のダブル・ディグリー取得者である国際学部国際学科の10名です。式典では、卒業生10名の皆さんの健闘を参列者全員が心からお祝いし、上海交通大学を代表して、中国から来日し臨席してくださった劉建新・上海交通大学人文学院書記が、上海交通大学学長の林忠欽様のお祝いのことばを代読してくださり、駐日中国大使館参事官で大使夫人でもある汪婉様からもお祝いのことばをいただきました。感激的でした。上海交通大学からは、昭和の留学生が日頃から大変お世話になっている段先生も来日されました。

 証書には、英文も記されていて、次の様に書かれています。

 英文中の下から5行目のdulyは「正式に」という意味です。こちらは卒業証書。もう一種、学士の学位(BA)を授与することが書かれた証書もあり、ダブル・ディグリーを受けた10名は、上海交通大学から2種と昭和女子大学から1種(卒業と学位が一枚に記されています)の3種の証書を受けて、溢れんばかの笑顔で、本当にうれしそうでした。より多くのダブル・ディグリー取得者が継続して出ることを祈っています。努力をすれば、必ず報われるのですね。10名の皆さん、本当におめでとうございました。

※学長ブログは春休み中更新をお休みいたします。次回更新は4月6日(金)を予定しています。

この景色が見られるのは [2018年03月16日(金)]

 丘の上に建っているのは、どこの建物でしょう。アメリカ、ボストンの丘(モスヒル)に建っている昭和女子大学ボストン校の建物です。キャンパスの入り口から入り、車道から右の歩道に進むと、校舎のレインボーホールが見えます。手前の薄い黄土色の建物です。普段は、この歩道を歩いて丘を登る人は少ないので、初めてこの景色を見る方もいらっしゃるでしょう。ボストンは函館や室蘭と同じ位の緯度にあり、今年は、かなり雪が降りました。


(昭和ボストンから見えるボストンのダウンタウン)

 この写真は、もう少し先ほどの歩道を登り、玄関ホールを右手にして、駐車場から丘の下に見えるボストンのダウンタウンです。この写真では、ダウンタウンには雪が積もっていないように見えますが、まだまだ町中でも雪が残っています。少し前までは、高い木々が、視界をふさぎ、キャンパスからこんなにきれいなダウンタウンを見ることができませんでした。最近、高い木の枝を落としたので、プルーデンシャルタワーもよく見えます。左手前にあるバスは、昭和ボストンから近くのMBTA(Massachusetts Bay Transportation Authority)と呼ばれている地下鉄のGreen Lineの駅、Reservoirまで、送迎してくれる昭和ボストンのバスです。


(レインボーホールにあるステンドグラス)

 はじめの写真で丘の上に建っていたレインボーホールにあるのが、この写真のようなステンドグラスです。時間や天候によって様々に違った表情を見せてくれます。特に明るい朝日が差し始めると、様々な色の光が交差してホール全体に差し込み、とても美しく、神秘的です。雪が積もると、太陽の光が真っ白な雪に反射して、なおさらステンドグラスから差し込む光が美しく輝きます。

この絵を見たことがありますか [2018年03月09日(金)]


(学園本部館 大会議室にある『早春の収穫』)

 卒業生の皆さんは、同窓会の幹事会などで、また、大学生や教職員の皆さんは、教育会議でいつも見ている絵画です。学園本部館3階の大会議室の正面にかけられています。縦は176㎝程、横は148㎝程もあるとても大きなキャンバスに描かれた油絵です。

 『早春の収穫』という題がついています。画家は岩下資治氏。宮崎県串間市の生まれで、高校で美術を教えていました。

 春に望秀学寮に行かれたことのある方は、この絵を見て、山も海もある変化に富んだ景観と共に、明るく輝く房総の光をきっと思い浮かべることでしょう。
 また、この絵は、かつて望秀海浜学寮のオリジナルハガキのデザインになっていたこともあったそうです。

 この作品と同じ時期か少し後に描かれたであろう岩下氏の油絵が、房総で生まれたり定住したりした画家たちの作品を集めた、千葉県佐倉市立美術館にもあります。その絵には、ピンクやうす紫の花をつけた金魚草を女性が一人で、出荷するために彩花している所が描かれています。オレンジ色のポピーも見えるので、きっと、本学所有のこの『早春の収穫』と近い場所で描かれたのではないかと思います。

 この絵にあるように、房州の温暖な気候を象徴するような花に囲まれた親子の睦まじい姿を見ていると、もうすぐ来る春が心から待ち遠しく思えますね。

2冊の手帳 [2018年03月02日(金)]

 昭和女子大学では、学生の皆さんに毎年手帳を配布しています。DREAM手帳と呼んでいます。この手帳は、理事長・総長の坂東眞理子先生が学生に示された「夢を実現する7つの力」を身に付けるために特別に作られたもので、ポートフォリオともなっています。

(DREAM手帳)

 コンセプトは「PDCAサイクル」と「見える化」です。目標の設定と行動計画であるPLAN、計画を実行するDO, 点検するCHECK, そして、そこまでのすべての過程の改善を図るACTIONのサイクルを繰り返すことで、目標である「夢を実現する7つの力」への獲得へとつなげます。その為には、毎日DREAM手帳を使うことが推奨されています。

 自分発見シート、「夢を実現する7つの力」習得マップ、励みの記録など、毎日少しずつ記録することで、1年が終わるころには、総合自己評価のための蜘蛛の巣グラフ(レーダーチャート)で自分の成長を確認できます。キャンパス・マップや大学各部署の電話番号もあり、とても便利です。

 もう一つの手帳は、同じサイズの色違いの手帳で、これには拡大鏡付定規も挟まれています。はい、こちらは教職員用です。一般的な手帳と同様にカレンダーとメモを書くページが続きますが、一割程度のページを割いて学校法人の様々な情報がまとめられています。学園の歴史、祝歌・校歌、学園のあちこちを紹介する「学園探訪」、キャンパス案内などです。

(教職員手帳)

 写真は2017年度用のものです。教職員用の手帳は、毎年スクールカラーのブルーですが、学生のDREAM手帳は、毎年色が変わります。来年は何色でしょうか。どうぞお楽しみに。

豪華な雛人形 [2018年02月23日(金)]

 まだまだ朝夕は寒い日もありますが、だいぶ春らしくなりました。3月3日の雛祭りも近づいています。
学園本部の2階には、縦横1.4メートルの豪華な雛壇が飾られています。坂東理事長・総長がオーストラリアのブリスベンの総領事公邸から持ち帰られたもので、内閣府の男女共同参画局長室にも置かれていたそうです。それが今は本学に飾られています。立春から2月の半ば頃から、雛祭りから2週間ほど後まで飾っておくのが一般的だそうですが、本学では例年、3月3日まで飾られています。

 1段目はお内裏様とお雛様。向かって左にお内裏様(男雛)、右にお雛様(女雛)です。日本では古来左側に自分より高い位の人が立つことになっていたので、京都では今もお内裏様が向かって右、お雛様が向かって左の位置だそうです。大正天皇御即位の折に、西洋では右側が自分より高位の人の位置となる文化であることに倣って天皇が右に立たれたので、それ以来、写真のような位置に飾られるようになったのだそうです。

 2段目は三人官女です。向かって左から、「提子(ひさげ)」、「三宝にのった盃」、「長柄銚子」を持つ官女で、座っている官女が中央になります。

 3段目は5人囃子をよく見ます。5楽人の場合は、左から「太鼓」「大皮鼓」「小鼓」「笛」「謡」と並びますが、ここには7楽人がいて、「謡」がいない代わりに、「琴」「笙」「琵琶」を奏でる人が並んでいます。

 4段目は、随臣(ずいしん)で、「左大臣」「右大臣」と呼ばれています。左大臣はおじいさんで、右大臣は若者です。左手に弓を、右手に矢を持ち、警備の役割をする武官です。

 5段目は仕丁(しちょう)で、雑役を行う者です。3人の顔が喜怒哀楽を表しているので、よく表情を見るとそれぞれが怒っていたり、泣いていたり、笑っていたり。その上、顔の色まで違っていますよ。

 そして6段目にはお雛様の嫁入り道具、7段目には御所車、籠、重箱などが並びます。

  

 最近は7段目まで揃っている立派な雛飾りには、滅多にお目にかかれません。どうぞごゆっくりお楽しみください。

この花はどこに? [2018年02月16日(金)]

 まだまだ寒い日が続いていますが、日中は日差しが暖かい日もあります。
 今朝、キャンパスを歩いていたら、思いもよらないほどたくさんの花が咲き始めているのです。春が近いことを実感しました。写真と花の名前を紹介します。

                      
(スミレ科のパンジー、ビオラ)                      (ヒガンバナ科の水仙(この品種は雪中花))

             
(ミニュチュア ドワーフ アイリス(アイリスの矮性種)) (日本の三大香木の一つ 沈丁花(じんちょうげ))

             
(カタバミ科のオオキバナカタバミ)                     (チューリップ)

             
       (八重咲水仙)                           (シダレ梅)

                       
(マメ科の常緑種で、原産地は地中海沿岸のロータス ヒルスタス)          (クリスマスローズ)

 雪もすっかり解けたキャンパスに、こんなにたくさんの花が咲き始め、つぼみを持った花もあるのは、とても嬉しいですね。やっと、春の息吹が漂いはじめたキャンパスをぜひ歩いていただいて、どこに咲いているかを見つけてください。

        
(しそ科の常緑樹で原産地は地中海地域のローズマリー)  

世田谷区保存樹木制度 [2018年02月09日(金)]

 みなさんは、キャンパスにある「保存樹木」を見たことがありますか。
  
(3号館前ヒマラヤスギ)

 近寄ってよく見ると、「指定 第2741号・平成28年6月17日 保存樹木 樹種 ヒマラヤスギ 世田谷区」と書かれた札がつけられています。

(ヒマラヤスギに付けられた保存樹木の札)

 世田谷区保存樹木制度は、世田谷区がみどりの基本条例に基づいて、樹木や樹林のうち貴重なものや、街のシンボルとなるものを指定し、樹木保存の援助として手入れなどの支援を行っている制度です。地上1.5メートルの高さがあり、幹回りが1.2メートル以上で、樹形の優れているものという基準があります。
 一方、指定を受けた所有者には、指定された樹木や樹林を将来に割って適切に保存すること、樹木を要綱な応対に保つように適宜、剪定などの手入れを行うこと、という責務があるそうです。
 昭和の世田谷キャンパスには、保存樹木は53本もあります。ヒマラヤスギ、タイサンボク、ケヤキ、メタセコイヤ、楠、イチョウ、モミジバスズカケノキ、イイギリ、コナラ、スダジイ、サトサクラ、ソメイヨシノ等です。53本がどこにあるか、見つけられますか?
 5号館から中高部へ向かうイチョウ並木は保存樹木が並んでいて、秋には素晴らしい景色を楽しむことができます。また、本学は上高田の校舎を戦災で無くし、東京都から「戦災を受けた学校に対しては、希望があれば旧陸海軍施設を転用させる」という通達を受け移転先を探し回り、アメリカ第八軍との外交交渉の末、やっと昭和21年11月8日にこの地への全校移転を開始したという経緯がありますが、3号館前のヒマラヤスギ(写真参照)は、世田谷キャンパスにかつて旧東部第十二部隊(近衛野砲)があった時代からのものです。連隊の本部がちょうど3号館のあたりにあったそうで、その本部前に北白川宮様が来られた際にお手植えをされたという記録もあります。70年以上も太子堂や昭和学園の歴史を見つめていた木、大切にしたいですね。