秋桜祭のこれ何でしょう [2017年10月27日(金)]

 始まりは、「学芸展覧会」と呼んでいた行事を、昭和32年6月から「昭和祭」と名付けて、大学から高中小学校と幼稚園を含めて、学生・生徒・児童・園児のご家族や恩師、友人などを招いての学園を挙げての行事となりました。この頃、多くの学校がお祭り的な催しとして位置づけ、「文化祭」を開催していました。昭和では、研究発表を行う機会として、各部が統一したテーマのもと、研究発表をしていました。
 昭和40年6月の昭和祭には、三笠宮崇仁殿下がご来校になったという記録もあります。特に日本文学科の『平家物語』の展示を熱心にご覧になり、校庭でのフォークダンスにも参加されたとのこと。
 その後昭和46年、学生運動の影響を受けて、大学の昭和祭が縮小され、平成元年に大学は、「秋桜祭」として、また、附属は「昭和祭」として、同日に別々の企画で開催することとなりました。
 附属の昭和祭は、全校を挙げての充実した研究発表の場となっていますが、大学の秋桜祭は学生がすべての運営を行うものへと成長して、今では毎年、秋桜祭の運営委員に立候補する学生が続き、上級生から下級生へと確立された運営方法が引き継がれています。
 今年も、第25回秋桜祭が11月11日(土)と12日(日)に開催されます。学科や研修グループが日頃の成果を発表する研究発表、模擬店、野外特設ステージでのエンターテイメント、環境デザイン学科ファッションショー、人見記念講堂やグリーンホールでのクラブ・サークル発表やコンサートがあります。
 学園全体の展示や催しをゆっくり楽しむには、一日では足りないくらいですが、バザーや物品販売は特に人気があるので、早めに会場に足を運ぶことをお勧めします。特に全国の支部が参加して名産品や手芸品などを販売する同窓会のバザーや、東明学林や望秀海浜学寮の草花や手作り品の販売を、私はいつも楽しみにしています。

(昨年の秋桜祭で見つけた望秀学寮販売のリース)

 トップの写真は、同じく望秀学寮が販売していたクリップです。皆さんも、2週間後の秋桜祭をどうぞお楽しみに。

学園歌集に見つけた歌 [2017年10月20日(金)]

 昭和女子大学附属の中高等部や初等部の卒業生は、学園歌集を各自が持っていたことを記憶していると思います。残念ながら、2003年頃からは、大学では学生に配布しなくなってしまいました。附属では、毎年、生徒や児童に配布しているそうです。
1999年の「学園歌集」の巻頭言に、次のように書かれています。

 

東京の昭和キャンパスでは、定刻に響きわたるカリヨン(編鐘)のメロディーで1日の生活が始まり、進行し、やがて夕べの帳が静かにおろされてゆくしきたりになっている。
(中略)
そのカリヨン(Carillon)の中央部にある4個の鐘の表面にはBe a light to the World(世の光となろう)という学園目標がくっきりと刻まれている。後輩たちの学園生活を健かで豊かなものにしてほしいと希う先輩たち(光葉同窓会)のプレゼントとして、1984 年にオランダで製作されたものである。(最後に時報を告げる大鐘は、100年前のアメリカ製チャーチ・ベルである。)

 

 その歌集の中にとても珍しい歌を発見しました。A Dream Upon the Moss Hillというタイトルの歌です。2016年10月7日にご紹介した昭和ボストンにあるモス・ヒル宣言に曲をつけたものです。

(学園歌集に掲載されている楽譜)

 作詞は、元理事長の人見楠郎先生。作曲者は福浦理保子さん。残念ながら私は、福浦さんを存じ上げません。どなたかご存知の方は是非、お教えください。

 さて、昭和ボストン校は、来年、創立30周年を迎えます。30周年を祝って、この歌を歌うかもしれませんね。これまですでに15000名に及ぶ昭和の学生、生徒、児童が 昭和ボストン校で学びました。毎年、ボストンで研修をする人が増えています 。ボストン研修経験者数は、これまですでに、全卒業生の1割以上に及んでいます。これからその数はもっともっと増えることでしょう。まだ、昭和ボストンを訪ねたことが無い方は、是非、研修に観光にお出かけください。

道の像 [2017年10月13日(金)]

 いつもの通学や通勤で通る道だけでなく、ゆっくりとキャンパスを散策しながら、普段通らない道を歩くと、歌碑、石碑、ブロンズ像などがいろいろなところにあるのを見つけます。
 今日はその中で、「道の像」について、書いてみようと思います。「道の像」は西門から入って、左手の中高部の1号館に沿って作られている鯉の池の奥、中高部の玄関の近くに置かれています。作者は「現代の円空」とも評され、静寂の中にも温かさのある作風を持つ、木彫りの彫刻家、長谷川昻(はせがわこう)氏です。千葉県富津市にある東京湾観音の原型も作っています。昭和女子大学が千葉県に所有する望秀海浜学寮のある館山市と同じ安房圏域にある鴨川市生れで、1962年には、世界美術展で国際グランプリ金賞を受賞し、日展審査員や千葉県美術界会長などを歴任しました。

(学園にある「道の像」)

(木彫りの原作)

 原作の「道の像」そのものは、ナタによる木彫りの作品です。ナタで制作すると言っても、木材をすべて鉈(ナタ)だけで彫るわけではなく、先の丸い鑿(のみ)で彫った縞(しま)模様の彫り痕(あと)を規則正しく残す木彫技法のことを指すそうです。ふつうの木彫も、必ずこの状態の工程を経て仕上げをするのでそうですが、ナタによる木彫りは、仕上げ前の段階でとどめた状態のように見えるので、未完成作品だと考える人もあるようです。彩色も施されず、素地のまま仕上げてあるので、荒々しく粗野な印象を受けますが、力強く独特な持ち味を楽しむ人も多いようです。

 中高部前にあるのは、原作をもとに製作し直したブロンズ像です。皆さんに鑑賞していただけるように屋外に置こうと、本学が要請して鋳造してもらったものだとのこと。子どもを抱きかかえ、左手はもう一人の子どもの手をしっかりと握った母親が、厳しい冬の道をひたむきに歩む姿を表現したもので、子供たちをしっかりと寒さから守りながら、吹雪の中を、一歩一歩大地を踏みしめて、黙々と目的地に向かって進んでいる母親を私はイメージしますが、皆さんはどうですか。

 ブロンズ像の脇にある長谷川昻氏作自身が書いた詩にはこう書かれています。

道  長谷川昻


みち
嶮俊の道
茫漠のみち
はるかにはるかに
つヾいている

英邁で勤勉で
不屈な先人が
拓いたに違いない

道標には

歩けとだけ
書いてある

(中高部 ブロンズ像の脇にある長谷川昻氏の詩)

9号館ウッドデッキに沿うハツユキカズラ [2017年10月06日(金)]

 正門を入ってすぐ左に昨年完成した9号館があります。正面入り口近くの桜もしっかりと根を張り始めました。先週、9号館脇のウッドデッキを歩いて建物の奥にある体育棟に行きましたが、建物に沿って、ハツユキカズラが花壇のグランドカバーとして植えられていました。

(9号館体育棟の脇のハツユキカズラ)

 ハツユキカズラは「斑入り定家葛(フイリテイカカズラ)」とも呼ばれ、小さな葉をつけて、新葉にはピンクや白の様々な形の斑が入るとても可憐な植物です。丈夫で、ゆっくりと成長します。春から秋にかけては濃いピンクから淡いピンクそして白、それから緑色の葉っぱとなり、秋には紅葉も鑑賞できます。十数年前に自宅から持ってきた枝を学園本部前の植込みに移植してもらいましたが、本部前にあるものは、背の高い木が多く日当りも良くないので、あまり目立たない存在のようです。ちなみに自宅のハツユキカズラは、枝をどんどん長く伸ばしてフェンスに絡み、いくら刈り込んでも成長する一方です。毎年夏になると、あまりに成長するので花芽と一緒に剪定をしてしまうためか、白からクリーム色に変化する小さな花は、残念ながらまれにしか見たことがありません。

(自宅のハツユキカズラ)

 根が定着すれば、勝手に成長する植物のため、最近はいろいろなところで工夫され使われています。寄せ植えやハンギングバスケットだけでなく、9号館脇にあるようにグラウンドカバーなどとしても使われているのを目にすることが多くなりました。
 ハツユキカズラは山に自生する、日本や朝鮮半島が原産の植物。名前がとても素敵ですよね。「ハツユキ(ハツユキ)」は白い葉がまるで雪がちらちらと降ったように見えることからつけられました。「カズラ」はつる性の植物のことを指します。もう一つの、「テイカカズラ」という名前の「テイカ(定家)」は、能の『定家』にもあるように、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した歌人、藤原定家が、式子内親王のことをその死後も忘れられず、「定家葛」に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説に由来した呼び名だそうです。
 9号館脇は、日当たりもよく、きっと新しい校舎にふさわしい植え込みのグランドカバーになることでしょう。花言葉は『素敵になって』など。9月18日の誕生日花だそうです。

つもりちがい十ヶ条 [2017年09月29日(金)]

 本学では『倫理学』とは別に、『実践倫理』という授業があります。大辞林(第3版)によれば、「倫」は「人が守るべき道」、「理」は「物のすじみち」、そして、「倫理」は、「人として守るべき道。道徳。モラル」の意味とあります。また、「実践」は、「理論や理念を行動に移すこと」と書かれています。
 私が、中高部から大学の教員に籍を移した頃は、理事長・学長の『実践倫理』の授業を、該当学年のクラス担任も時間が合えば聴講していました。その頃から、『実践倫理』では、自校教育が行われ、昭和女子大学の教育が目指すものは何か、本学の学生としてどのように生活すべきか、などの話をお聞きしました。
 そのお話の中で、今でも記憶に残っている内容の一つが、「つもりちがい十ヶ条」です。学生席の後ろの方で聞いていて、身が引きしまる思いがしたのを覚えています。それ以来、何か新しいことをスタートする時には、この十ヶ条を読み直します。
 そもそもこの十ヶ条は、長野県飯田市にある元善光寺という寺の住職が書いたものと言われています。元善光寺は、推古天皇10年(602年)からある古いお寺で、この地の住人が大阪で見つけて持ち帰った善光寺如来の本尊が、勅令によって長野県長野市の善光寺に遷座されたため、この寺は元善光寺と呼ばれているとのこと。元善光寺には木彫りの本尊が残されているので、善光寺と元善光寺の両方を参らないと「片参り」と言われるほど由緒あるお寺だそうです。

つもりちがい十ヶ条
高いつもりで低いのが  教養
低いつもりで高いのが  気位
深いつもりで浅いのが  知恵
浅いつもりで深いのが  欲望
厚いつもりで薄いのが  人情
薄いつもりで厚いのが  面皮
強いつもりで弱いのが  根性
弱いつもりで強いのが  自我
多いつもりで少ないのが 分別
少ないつもりで多いのが 無駄

 いくつか耳が痛い言葉はありませんか。いつ読んでも、少なくともどれかひとつは(時には2,3も)「アーッ!気をつけなければ」と思いあたることがあります。後期を迎え、夏の暑さや急激な天候の変化も一段落し、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、そして食欲の秋となりました。「つもりちがい」を読み直し、新たな気持ちで気を引き締めて、前進を続けましょう。

(初秋を迎えた昭和之泉 手前は萩の花)

SNSをかしこく使っていますか? [2017年08月04日(金)]

 最近は、電車の中で新聞を読んでいる人をあまり見かけなくなりましたね。私たちが接するメディアが変わってきています。SNSや検索型のサイトで世の中の出来事を知ろうとする人たちが増えてきました。

 新聞・雑誌・ラジオ・テレビなどのマスメディアは、各社の価値判断に従って、世の中で起こった事実を良いことも悪いことも含めて伝えますが、SNSなどのネット系の情報は、「この人はこういう情報に興味があるだろう」というものを見せてくれる仕組みになっています。例えば、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedInなどのSNSは共通の興味や趣味を持つ人同士の交流を目的としているサービスサイトですから、自分の知りたい情報をすぐに手に入れることができるのが特徴です。最近では、SNSとそうでないものの区別が難しいように思いますが、CookpadやLINEなどもSNSの一種と考えて良いのではないかと思います。

(様々な人々がインターネット上で繋がり合うSNSのイメージ図)
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 しかしSNSで得る情報は、情報としての質が高いものばかりとは限りません。利用する人達は、質よりは、情報が速い・自分が興味を持っている等の点に、より価値を置いているのではないでしょうか。時間をかけて、真実を詳細に語ることや、状況を正確に分析することなどの情報の質を人々があまり大切にしないようになっているのかもしれません。

 ですから、ネット上で流れている情報は、最低限の事実チェックすらされていないものもあります。そのため、多くの人々に利用されるようになったコミュニケーションツールとしてのSNSは、便利ではあるのですが、トラブルにつながる事例も少なくないのではないでしょうか。

 「デジタルタトゥー」という言葉を聞いたことがありますか。SNSに投稿した画像や発言などが、投稿者本人の意思とは関係なく、タトゥーのように永久にWeb上に残り続けることをそう呼ぶそうです。アメリカの企業の中には、採用面接の際にブログやSNSを利用しているかを尋ね、利用している場合は、過去の書き込みがチェックされることもあり、それで採用されなくなってしまうことも現実にあるのだそうです。

 東京都教育委員会では、LINE株式会社と共同でSNSに関する情報モラル教育に関するプロジェクトに取り組み、2017年3月に『SNS東京ノート』を発表しています。(東京都教育委員会 考えよう!いじめ・SNS@TokyoのHP
 都内の公立学校の全生徒・児童にすでに配布されました。現在、在学中の大学生は、多分その冊子を誰も手にしていないのではないかと思います。その冊子には、ネットでのコミュニケーションの特徴を以下のように説明しています。

  1. 文字だけで伝えるので、その時の「感情」が伝わらず、相手に誤解されることがある。
  2. 「知っている人しか見ないだろう」という認識の甘さや「不適切な写真」の認識にずれがある。

 また、使用する場合に、特に注意しなければならないことを4点挙げています。

  1. 世界中の人が見ることができる:ネットへの書き込みやアップロードした写真などは、世界中からいつでも見ることができる。「カギをかけているから」と安心していても、その中の誰かが転送すれば、世界中に公開される。
  2. 一度出まわった情報は絶対に消せない:そして調べれば誰が書き込んだか、容易に分かる仕組みを持っている。「この書き込みは将来自分にとってマイナスにならないか」ということを常に考えて発信する。
  3.  情報をそのまま信じてはいけない:ネット上には誰でも情報を書き込めるので、いい加減な情報や相手をだまそうとする情報もある。1次情報を確認すること。必ず複数のページで調べたり、本や新聞など別のメディアでも確認したりする。
  4.  面と向かって言えないことは書かない:顔が見えないネットのコミュニケーションは誤解が生じることが多い。対面のコミュニケーションや電話を大切にする。ネットは、誤解やトラブルが起こりやすい仕組みを使っていることを意識し、時には無視するなど冷静に対応する。

 最近、LINEはビジネスでも利用されるようになり、今までメールやFAXで行っていた連絡をLINEで行う場面も増えてきています。授業やゼミで学生同士、あるいは、教員と学生が連絡用等に使用する場合も、こうした点を十分注意することが必要ですね。

 SNSは大変便利なツールです。でも、人によって同じ言葉でもその使い方に対する受け止め方は色々。特に直接話をするのとは違い、話のテンポや表情、身振り手振りなどの手段が全く無いネット空間で、世代や性格も違う相手と、さらには、その相手とつながる人々がどういう人でどの程度いるのかもわからない世界でコミュニケーションを取るには、細心の注意を払う必要があります。ますます多様化し、複雑化していくネットコミュニケ―ションだけに頼らず、顔と顔を合わせてのアナログの対話も夏休み中には、充分楽しんでほしいものです。

※学長ブログは夏休み中更新をお休みいたします。次回更新は9月29日(金)を予定しています。

昭和の守衛さんに挨拶をしていますか? [2017年07月28日(金)]

 皆さんが正門や西門を入る時は、必ず守衛さんと顔を合わせるのではないかと思います。私は朝早い日は7時20分頃に渋谷からのバスを正門前で降りて、キャンパスに入りますが、大抵は、外に2、3名の守衛さんが立っていらして、「おはようございます」と入って来る皆さんに丁寧にあいさつをしてくださっています。そして、守衛室にも必ず、お二人位座っていらっしゃるようです。西門にもお二人程度は立っていてくださいますし、少なくとも10名近くの守衛さんが、朝早くから、昭和のキャンパスを見守ってくださっているのですね。でも・・・、ちょっと待ってください。登下校の際には、三軒茶屋の駅から、校門までの間で歩道の交通整理等もしてくださっている方もいらっしゃると伺っています。時間差はあるかもしれませんが、きっと、20名以上の守衛さんたちが、私たちやこのキャンパスを守ってくださっているのではないでしょうか。

(正門に立つ守衛さん)
●DSC02292 ●DSC02285

 守衛さんの隊長は、昭和にもう15年近く継続して勤務していただいているベテランです。そして最近昭和での勤務を始められた方まで、守衛さんの皆さんが、校門を入るといつも笑顔で迎えてくださるので、とても気持ち良く一日を始めることができます。

 大学生がたくさん登校する時間帯、特に、水曜日の8:30過ぎから1コマ目が始まる直前までは、きっと一人一人と挨拶を交わす時間もない程、西門も正門も混み合うことでしょう。登下校時が、混み合う時間帯にかかる方は、守衛さんと挨拶を交わしたことがない人もいるかもしれませんね。

 夜になると、各校舎の見回りもしてくださって、ゼミやコスモス祭の準備などで遅くまで残っていると、「終わりましたら、消灯をお願いします」と、声をかけてくださいます。

 ここ三軒茶屋のキャンパスには、こども園から大学院で学ぶ園児・児童・生徒・学生・院生の数は、8,300名を超えています。加えて、教職員、来客、キャンパスの施設利用者を合わせると、1日に何人が出入りするのでしょうか。私たちが安心して過ごせるのも、守衛さんたちがいつもしっかりと私たちとキャンパスを守ってくださっているからだと思います。混み合っていない時に正門や西門を通ることがあれば、是非、感謝の気持ちを込めて、「おはようございます」、「さようなら」と声をかけて通りたいものです。

どうして英語が話せないのだろう [2017年07月21日(金)]

 グローバル人材育成の推進に力を入れている日本。しかし、随分長い間、学校で勉強しているのに、どうして英語が話せないのだろう、と聞くことがよくあります。
 小学校は2020年度から、中学校は2021年度から新学習指導要領で学ぶことになり、外国語(英語)は、小学校では現在、5年生から行っている「聞く」「話す」を中心に英語に親しむ外国語活動を、3年生に前倒し、5、6年生では新教科「英語」を置き、「読む」「書く」を加え、教科書を使い成績もつけることになります。そして、授業は現在の週1コマから2コマに増やして行われます。CEFR(Common European Framework of Reference for Languages;ヨーロッパ言語共通参照枠)で示される、どのような機能が果たせるかという標準に従って、小学校ではPre-Aレベルを、中学校ではA1レベル、そして高等学校では、A2以上、B1レベルまでの力を付けることを狙っています。B1レベルで、ビジネス英語の入門程度が使える程度と考えて良いでしょう。
 これまで小学校での英語活動が、クラス担任が中心となって、英語話者の補助を得るなどしながら、主に英語で指導されてきたことや、高等学校では現行の学習指導要領から、英語で指導することが基本となっていることから、中学校の外国語(英語)新学習指導要領では、「授業は英語で行うことを基本とする」と明示されました。
 中学・高校の英語の授業が英語のみで行われてきたという現役大学生の数はそう多くはないと思いますが、特に英語に力を入れている学校では、それが普通だったかもしれません。そもそも、どうして英語で指導することが必要なのかは、「文法は知っているのに、どうして英語が話せないのだろう」という疑問への答えに直結しています。
 私も含めて、日本のほとんどの学校では「意図的」に英語を学んできました。教科書に出てくる単語の意味を理解し、読めて、言えるようにし、文法事項も、ルールを学びます。これらの事項を勉強して繰り返し練習し、英語が使えるようになろうと努力してきました。先生も英語を使って教えてくださり、典型的な教室英語と言われるような、少々パターン化した英語を駆使して教えていただいという方もあるでしょう。このような学びを「意図的学習」と呼びます。暗記、練習を繰り返し、暫く使わないと忘れてしまうことが多い学び方です。
 「意図的学習」に対して、「偶発的学習」というタイプの学習があります。これは、特に学ぼうと思っていなくても、はじめは、「何のことを言っているかな」程度しかわからなくても、何回も耳にしたり、目にしたりすると、つまりインプットが繰り返されるうちに、「だいたい~ということかな」と思うようになり、さらには「あっそうか、きっと~ということだ」と推測できるようになり、そのうちに自分でもその語彙や表現を使うようになって、相手が理解してくれると、「ああ、こう言えばいいんだ、わかったぞ」と確信を持つというプロセスを通る、学習です。母語である日本語の学習でも、特に小さい子供は、ほとんどをこうして学ぶのだと思います。
 小学生でも高学年になると、偶発的学習だけでなく、意図的な学習も得意になります。一方、大人になっても、偶発的学習は続いています。教科として英語を勉強する環境にあると、指導者も学習者もどうしても意図的学習のみに偏重し、偶発的学習を忘れがちです。言葉を学習するうえで、特に年齢が低いうちは、この偶発的学習が効果的だと言われています。英語という言葉を学ぶことよりも、コミュニケーションを取ることに専念して、相手が伝えようとしていることを理解し、それについて、なんとか、自分の思っていることを伝えようとするからです。英語の教師が英語を使って指導するのは、意図的な学びが中心となりがちな授業の中で、偶発的な学びの機会をできるだけ作りたいという目的があります。これからの、日本の英語教育で一番大切にしなければならないのは、日本語を介さないで、英語で考えをまとめ、伝えることが出来る力の育成ではないでしょうか。どうして英語が話せないのか、それは、偶発的な学習が起こるような、何とかして英語の話し手や書き手の気持ちや考えを理解しようとしたりすることや、とにかく聞き手や読み手に自分の気持ちや考えを理解してもらおうとしたりするような、“必死になる”環境にほとんどいることがないからです。留学することは、こうした意味でも、とても大切な経験になりますよね。
 とにかく、あらゆるチャンスをみつけて、英語を使ってみること。できれば、相手がいて、コミュニケーションがとれたかどうかを確認できる環境がいいのですが・・・。技術が発達して、定型文ではない英語で対話をしてくれるロボットなどが登場するといいですね。

(「英語学習用の絵本」 金子学長のホームページより)
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「冠奨学金」のことを知っていますか [2017年07月14日(金)]

 昭和女子大学にはいろいろな種類の奨学金があります。日本学生支援機構奨学金第一種、二種に加えて、大学からの奨学金も人見記念奨学金(給付型)をはじめ12種類があります。また、同窓会からも三種類の奨学金の給付をしてくださっています。(2017年7月14日現在)

 最近、奨学金問題が取り沙汰されていますが、本学からの奨学金の内6種類を占める冠奨学金はすべて給付型で、主に個人の皆様からのご寄付を得て、大学等を通じて、本学の日本人学生や外国人留学生に支給しているものです。今回は、それらを紹介してみたいと思います。冠奨学金は、ご寄附くださる方のご意思を尊重して、金額、対象者、受給資格などが決まります。以下はその内容です。

  1. 学業以外のクラブ・サークル等の課外活動や、学生個人の自主活動で芸術・スポーツなどに於いて優れた業績をあげた学生、または団体への奨学金
  2. 初等教育学科、健康デザイン学科または管理栄養学科を卒業し、本学大学院修士課程に進学する学生への奨学金
  3. 日本語日本文学科の学生で、広く日本文化と関わりのある領域に於いて優れた活動あるいは業績を示した学生、または団体への奨学金
  4.  SWU Academic ProgramやSWU Intensive Japanese Language Programを利用して本学に留学する外国人留学生で、インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ラオス・東ティモールに国籍を有する学生、または上記の国の大学に在籍する者への奨学金
  5. ビジネスデザイン学科、または、現代教養学科の学生で1セメスター以上、ボストンを含む長期留学プログラムに参加する、ひとり親、または両親のいない学生への奨学金
  6. 申請時に卒業に要する単位を110単位以上履修済みで、就職または大学院進学が決定している者で、11月末時点で学費未納の学生への奨学金

(冠奨学金の1つ「平尾スカラシップ」の対象となる「SWU Intensive Japanese Language Program」での授業の様子)
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 こうして本学の学生のために、たくさんの奨学金を頂けることは、本当に幸せなことです。
冠奨学金だけではなく、どのような種類の奨学金であっても、精進と幸運の結果、奨学金を頂けることは、大変な名誉なことです。ご援助くださる方々に感謝して、必ず、さらなる成長を遂げて欲しいものですね。

「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」って何ですか? [2017年07月07日(金)]

 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」は、2013年10月から文部科学省が、意欲と能力ある日本の若者に、海外留学などの新しいチャレンジに自ら一歩を踏み出す気運を醸成してもらうことを目的に開始したプログラムです。

 政府だけでなく、民間企業等からの支援や寄附などを基に、将来世界で活躍できるグローバル人材の育成を目指して、官民協働で行っています。「日本再興戦略~JAPAN is BACK」(2013年6月14日閣議決定)で掲げられた、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までに、海外留学生数を、大学生12万人、高校生6万人へと倍増することを目指しています。

 「トビタテ!留学JAPAN」の代表的なプログラムが、「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」で、これは2014年から実際の海外での研修がスタートしました。

 世界のあらゆる所でグローバル化が加速し、情報通信等の技術革新で、人間の生活圏がどんどん広がっています。また一方では、貧困や環境・エネルギーといった多くの課題も抱えています。日本も積極的にそうした問題に取り組まなければなりません。そのためには、異文化を理解し、尊重するグローバル意識を持ち、既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持つ人材が必要です。そのための有効な手段の一つが、海外留学です。若者たちが社会に出る前に日本から飛び出して、広い世界を肌で感じ、外から自分自身や日本を見つめ直すことは、これからの時代を生き抜く力を身に付けるためのかけがえのないチャンスです。

 2020年までに「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」では約1万人の高校生、大学生を派遣留学生として送り出す計画だそうです。

 昭和女子大学からは3期生を除いて、毎年日本代表が選出されています。
 

(採択された計画の詳細)

年度 所属学科 内容 期間 留学先
2014 1 歴史文化学科 国内外のより多くの人々に日本の伝統芸能・文化業界を繋ぐ橋渡しに貢献する。 9カ月 イギリス・アメリカ・インドネシア
2015 2 健康デザイン学科 「和牛」を海外に広めるための方策を考える。 8カ月 イギリス
2016 4 ビジネスデザイン学科 日本の働くママが輝く社会を実現するために。 9カ月 イギリス、デンマーク
2016 5 初等教育学科 カンボジアの子ども立の生活の質向上のため、小学校の教材を開発。 13カ月 カンボジア
2017 6 歴史文化学科 ユニバーサル・ツーリズムを学び日本で奨励促進する。 6カ月 カナダ
2017 7 ビジネスデザイン学科 Cacao Angel Project~1粒が創る子どもの未来~チョコでちょこっといい明日を。 3カ月 フィリピン

 既に帰国した学生達は、それぞれの専門を活かして、たくさんの収穫を得ています。第6期の学生は、今年の5月に日本を出発しました。卒業後はユニバーサル・ツーリズムの会社を起業するのが夢だそうです。頼もしいですね。国際交流課(CIE)のホームページに第8期の募集が掲載されていますので、興味がある方は、是非チャレンジしてみてください!

 国際交流課(CIE)のホームページに第8期の募集ページ

 昭和女子大学附属高等部の生徒も、是非、挑戦してくれることを願っています。