2019年10月

マドンナ [2019年10月25日(金)]

 
 月に1回、教育、女性、文化などについて、日ごろ抱いている疑問などを語り合い、論じ合う「文化懇談会」は、本学の創立者である人見圓吉先生のご自宅で行われていた例会でした。はじめは20名ほどだった参加者が次第に増えて、より広く若い女性たちに開放しようということとなり、1919(大正8)年に「新婦人協会」が発足しました。予想に反して、講師5名に対して受講生はたったの8名でした。この新婦人協会の趣旨書がそのまま、1年後に開設された私塾「日本女子高等学院」の「開講の詞」となりました。そして、私立学校として東京府(現在の東京都)から認可を受けることができたのは1920(大正9)年のことでした。それから、来年度創立100周年を迎える今日まで、「開講の詞」は昭和女子大学の建学の精神として引き継がれています。

 人見圓吉先生は、1883(明治16)年に東京で生まれ、岡山県で育ちました。早稲田大学高等師範部英語科に学び、この頃から詩作に励まれました。卒業後は読売新聞社に記者として勤務され、文学者の道を歩み始められたのです。早稲田詩社を創設され、口語自由詩運動の基礎を築かれて、新体詩の普及にご尽力されたお一人でした。1921(大正10)年に「愛のゆくへ」を書かれて以来、49年目となった1969(昭和44)年に、今でも続いている「昭和学報」に自ら「よみ人しらず」の筆名でお書きになっていた「学園の歌」や「学生の歌」を1冊にまとめられたのが、写真の『学園の歌』です。初版は10月に、再販は11月に出版されています。

その中から、「マドンナ」という詩をご紹介したいと思います。

マドンナ

自分のあることを知って
世のあることを知らず
自分のためにむさぼって
他人に施すことをせず
自分の能力をほこって
人をあがめることを知らない。

だから愛らしさも
床しさも
優しさも
美しさも
すがすがしさもない。

レオナルド・ダ・ビンチの描いた
モナリザのような
ミケランジェロの彫刻
聖母マリアのような神々しさも
清い清いゆたかさも
不朽の生命もない。

だから「学」と「智」と「徳」で
あらがねのような「我」をみがき
みがきにみがき、みがき上げて
玉のような光をはなち
世のともしびとなり
道のしるべとなりつつ。

クラスメートを愛し
上級生を敬し
先生を尊んで
世にもまれな学風を作りなさい。
あなた方の未来のために
日本人の幸福のために。

マドンナ(Madonna)は、もともとはイタリア語で、「聖母マリアのような女性」のことを指します。マドンナのように、世のともしびとなり、人々の道しるべとなれるように、「学」と「智」と「徳」で自分を磨き上げ、自分と日本の未来を見据えて、互いに周りの人々を尊敬し合える学風を作りましょう、と呼び掛けています。創立100周年を控えて、創立者の思いをときおり、振り返ってみたいものです。

庭の教え [2019年10月18日(金)]

正門から入って守衛室側の道を少し歩いた所に「庭の教え」の歌碑があったのを覚えていますか。学園内が整備されて新しくなったので、以前あった場所から移されました。
ここに移っていますが、どこかわかりますか。

奥の方には、赤い帽子をかぶった「7人の妖精」のうちの一人がいるようです。

ちょうど光葉博物館の手前にある植え込みに移動されました。少し奥まったところなので、この歌碑の近くまで踏み石が置かれ、刻まれている歌を近くで読むことができます。

さあ、何と書いてあるのでしょうか。はっきり読めるところばかりでなく、良く判読できないところもありますね。

婦みまよふ人              
   こ楚な介禮
       以つこに毛
  彌はのをしへの
     為しある世者

「ふみまよふ 人こそなけれ いづこにも にはのをしへの ためしある世は」と読みます。日本語日本文学科の槍田先生に教えていただきました。

昭和10年10月25日の創立15周年を祝って、本学の松平俊子先生の、また、当時の梨本宮妃殿下のご母堂の鍋島栄子刀自(とじ)が短歌2首を寄せられました。「刀自」は敬称です。そのお心を永く留めるために、秩父石に刻んで記念碑としたものだそうです。この年の創立記念祝賀祭では、3日間にわたって、祝賀会、記念園遊会、展覧会、映画会、文芸界、運動会などが繰り広げられた、と『学園の半世紀』に記されています。

ちなみにここに刻まれているのは2首目で、1首目には、
「いろいろに茂れる庭の教草 つみおくれてはかひなかるらむ」とあります。

「学校ではいろいろとお教えいただくが、それをどんどん自分の物としていかなければ、学ぶ甲斐はありません。学校での教えをしっかりと身に着けていけば、道に迷う人は決していないでしょう」と、この2首は呼びかけています。皆さん、今学期もそれぞれの成長のために、頑張りましょう。

お昼を楽しんでいますか [2019年10月11日(金)]

 学生の皆さんはキャンパスにいる時、お昼はどこで食べていますか。学生ホールでお弁当、それとも三軒茶屋駅周辺のお店、プレリュード、ソフィアでしょうか。
 大学を訪れる卒業生も、是非、体験してみたいものの一つが、カフェテリア・ソフィアのランチではないでしょうか。
 本学西キャンパスに移転したTUJ(テンプル大学ジャパンキャンパス)の学生と本学学生が協働で、今、楽しいメニューを提供しています。
 それが、世界食堂です。世界食堂プロジェクトは本学の創立100周年記念事業の一環として、全学科から英語を得意としている学生を集めた学生有志(グローバル広報チーム)、生活科学部の健康美プロジェクトとTUJの学生有志(グローバルフード大使)の3チームを中心にして学生食堂ソフィアのご協力のもと実施しています。

このプロジェクトで初めに提供するのが、フィリーチーズステーキ(Philly Cheese steak)です 。フィラデルフィアから日本に留学してきているTUJの学生からいろいろな情報を得て、作ったメニューだそうです。

 Phillyはフィラデルフィア(Philadelphia)市の愛称で、Philadelphia に本拠を置くメジャーリーグの球団名にもなっています。固めのロールパンに、炒めた薄切り牛肉と溶けたチーズを詰めたサンドイッチで、フィラデルフィアが発祥の地とされています。最近は、ピザ専門店でも販売している所があるようです。プロジェクトで作ったメニューは、健康的な食事となるように、カロリーが高くなり過ぎないようにいろいろ工夫してあるそうです。10月19日(土)までの期間限定での提供ですので、是非一度、出来栄えを試してみてください。
 今後も第2弾、3弾と新しいメニューを開発して、プロジェクトで提供してくれるとのこと、楽しみですね。

 ところで、10月中は、学友会執行部の発案で始まった朝食もソフィアで提供されます。農林水産省のホームページにも一日の生活リズムを整えるために、朝食を摂ることは大変重要だと書かれています。朝食抜きだと、「体温も上がらずエネルギーが不足して、午前中からぼんやりしたまま過ごすことになりがち」だと書かれています。特に脳のエネルギー源はブドウ糖だけだそうですから、授業の始まる前にしっかりと朝食を摂って、1日の時間を有効に使いましょう。

さあ、後期が始まりました [2019年10月07日(月)]

 創立100周年をあと半年後に控え、大学生の夏季休暇中に学園の整備が進みました。
正門を入って左側の植え込みにも色とりどりの秋の草花が揃い、後期を迎える準備が出来たようです。紫のアメジストセージ、赤のゼラニウム、黄色のデイジー、緑のローズマリー、白いバーベナなどたくさんの花が咲き乱れ学生のみなさんを迎えてくれます。

夏季休暇前に正門からの道に沿って、たくさんの植木鉢に植えられたコキアと日日草を覚えていますか。日日草は、夏の間ずっと色とりどりに咲き誇っていました。コキアも随分成長し、ところどころに紫色に見える茎や葉が混じるようになりました。

校舎から正門に向かって歩くと、左側にある壁も下の写真の様になりました。これはハゴロモジャスミンという花で、春に開花します。まだ、壁に這わせたばかりですが、早く根付いてたくさんの花をつけてくれると嬉しいですね。

夕方には、歩道にあるベンチや並木の下に明かりがともります。秋から冬にかけての長い夜には、きっと素敵な景色を見せてくれるでしょう。

学生ホールも変わりました。環境デザイン学科卒業の永山祐子さんのデザインです。永山さんは、2002年に(有)永山祐子建築設計を設立し、2020年開催のドバイ万博で日本館のデザインを担当するなど世界的に活躍中です。天井の配管がそのまま出ていて、おもしろいですね。かなり昔のことですが、変形文法を提唱したチョムスキー博士の研究室を訪ねてボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪れた時に、廊下の天井もこんな風になっていたのに驚いたことを思い出しました。

さて、もう一つの注目は、アマゾンで注文した商品が本学のロッカーで受け取れるようになったことです。最先端の試みですよ。
是非、皆さんも利用してみてください。