【特別講座】「あなたは高価で尊い」-恵子・ホームズ氏

国際学科には、「国際・地域研究」という必修科目が留学後にあります。

各言語・地域担当の教員が授業を受け持ちますが、
外部から講師を招いての講義も度々実施されています。

10月27日(金)には、この科目の異なるクラスが合同で
恵子・ホームズ氏をお招きして、講義をお願いしました。

ホームズ氏は第二次世界大戦で日本の捕虜となった英国の元兵士や家族を日本に招き
和解につなげる活動を長年続けられ、
日本とイギリスの関係修復に尽力された功績を称えて
1998年にエリザベス女王より勲位を贈られています。

今回は「あなたは高価で尊い – You Are Precious」というタイトルで
ご自身の経験、英国・日本での活動、そして
人と人との繋がりや愛について大変貴重なお話をいただきました。
当日はホームズ氏をよく知る、元駐英大使・鶴岡公二氏にも登壇者紹介のスピーチを賜りました。

学生は、「戦争」「捕虜」といった言葉は知っていても
自分の問題として捉えたことがなかったが、
国だけでなく「自分たちにも何かできることがあるのではないか」と真剣に耳を傾けていました。

講演後に、学生から寄せられた多くの質問に、ホームズ氏は丁寧にお答えくださいました。

学生たちの声(一部抜粋)

・戦争は終わった後も生き残った人々やその家族の心に大きな負担やトラウマを残し、被害者だけでなく加害者側も同様であるのだと分かった。
・ホームズさんの「人の心を癒せるのは、お金ではなく、人の「ごめんなさいの言葉」です」という言葉に強く心を打たれた。
政府が出来ることは限られているが、私たちは自分で会いに行き話すことができる。
私にも何か出来ることがあるのではないかと考えるようになった。
・イギリスと日本の関係は良好というイメージがあったが、ここに来るまでには
ホームズさんの働きも大きく影響を与えていたのだと分かった。
問題が法的に解決されても、人々の心の傷は残っていると聞いて、
その傷が癒えてこそ本当に和解したと言えるのだと知った。
・日本は原爆を落とされたり被害を受けたイメージが強くあり、
日本兵が捕虜にした外国人についてこれまで想像したことがなかった。
今回の講義で、実際に日本人によってひどい目に遭った方がいたことを知り、
自分自身日本人としてすごく勉強不足だと感じた。
・国と国の戦争が終わって、平和条約を結び、表面上は解決したことになるが、
人と人がお互いを許し合い、感情を元通りにすることはできないというお話が非常に印象的だった。
・国際社会問題や身近で起きている事に対して関心を持つことはあっても、自分で何か行動を起こそうとしたことはなかった自分にとって、考えさせらることがたくさんあった。

これから社会で活躍すべく国際学科で励む学生たちは
今回のホームズ氏のお話をしっかりと受け止め、それぞれに
自分たちが生きている「世界」について深く考えるとても良い機会を得られたようです。

この貴重な機会を糧として更に異文化理解や
海外での日本での人との繋がりの大切さを学んでいってほしいものです。

素敵なお時間をありがとうございました。