2019年10月

インドネシア ガジャ・マダ大学「大学連携日本語パートナーズ」派遣学生報告 [2019年10月31日(木)]

〈学生の声〉

今回、私たちは「大学連携日本語パートナーズ派遣プログラム」に参加
させていただきました。インドネシアのガジャマダ大学で日本語教育の実習を行いました。

実習では、主に現地の日本語の授業の見学や補助、日本文化紹介の授業を
行いました。日本語学科の3年生(中級)と2年生(初中級)のクラスを受け持ち
ました。文法・会話・表記の授業を見学し、現地での教え方を踏まえ、後半は
自分たちで授業を行いました。日本文化の紹介では、私たちの生まれ育った町や、
盆踊り、箸の正しい使い方などを紹介しました。授業は日本語学科だけではなく、
英語学科・観光学科の学生にも行いました。

授業の他にプロジェクトワークも行いました。2年生との活動では「誘い」
の表現を使用した動画の作成、3年生とはジョグジャカルタの観光地を紹介
する動画を作成しました。私たちは学生が考えた原稿の添削を行い、実際に
動画にも出演しました。

このプログラムに参加させていただいて、海外で行われている日本語教育を
実際に学ぶことが出来ました。日本での大学の講義だけでは気がつけなかった
視点にも目を向けることが出来るようになりました。日本語教育だけではなく、
インドネシアの文化やインドネシアの人たちの優しさを感じることが出来ました。
最初は不安もありましたが、先生方や学生のみんなが優しくサポートをして
くれたおかげで、充実した実習となりました。海外で見てきたからこそ分かる
新たな視点を大切にし、今後も日本語教育の勉強に励んでいきたいと思います。
(KH・MF)

国際交流基金の日本語パートナーズで、ハノイへ実習に行ってまいりました [2019年10月30日(水)]

〈学生の声〉

9月8日から9月21日まで、ベトナム国家大学付属ハノイ校人文社会科学大学 へ
日本語教育の実習へ行ってまいりました!メンバーは日本語教育科目を履修中
の英コミ・国際・歴文生の4名です。日本語教育の経験はもちろんのこと、
現地での文化を肌で感じ、人のあたたかさに触れたもりだくさんの実習となりました。

実習先では、日本研究学科の生徒1~3年生のクラスでの授業見学や授業担当を
いたしました。先生方からいただいたご指導を踏まえて毎日実習に臨みました。
何かとハプニングもありましたが、4人で協力して無事終了することができました。

慣れない環境で手探りで授業を作るのは決して簡単なことではありませんでした。
しかし授業中に聞こえてくる生徒達からの「わかった!」が何よりも嬉しく、
励みになりました。実習終了日には、生徒達によるアンジェラアキさんの「手紙」
の合唱のプレゼントがありました。一生の宝物です。

今回の実習を通して、座学だけでは体験できない 授業準備の大変さ、円滑に
授業を進めることの難しさを知ることができました。そして自分達の強み・弱み
を見つめ直すことができました。

貴重な機会を与えてくださった国際交流基金の関係者の皆様。
実習に行くにあたり、お力添えいただきました西川先生をはじめ、日文の
先生方、助手さん。私達を受け入れてくださった人文大学の先生方、生徒の皆さん。
本当にありがとうございました。
今回の貴重な経験は今後教壇に立つ際に必ず活かします。

(NS)

国語教材研究:思い出のおかし~サロン・ド・テで記憶にダイブ~ [2019年10月29日(火)]

〈授業風景〉

今日の授業のご紹介の前に、まず、学生たちのリアルな声をお聞きください。

~学生達に聞きました、思い出す国語の授業って?~

毎年4月、私が教職を希望する学生たちに聞くのが次の質問
「あなたの思い出に残る中学校高等学校の国語の授業って?」
その反応、ザ・ディープインパクトです。

「う~ん、思い出せない、国語の授業って何やってたんだろう?」
「教科書の作品を自分で読んでるときは、めっちゃ面白かったのに、授業やってるうちにだんだんつまらなくなった。」
「グループ活動が、すごーくイヤだった。一人ですぐわかることをみんなで話し合う意味ってないし」
「自分の意見を自由に言ってと言いながら、必ず先生は最後自分の答えを板書するから考えるの無駄って思った」
「先生の言う正解がいつもぼんやりしてモヤモヤした」
「漱石のこころで、Kはこの時どんな気持ちだったと思うと聞かれ、隣の席の子が、Kじゃないからわかりません。って言ったら、先生がキレて『たとえ、あなたがKじゃなくても、気持ちを想像しなさい。人の気持ちが分からない人は苦労します。相手の気持ちを思いやる、想像力がない人はだめです。』と、涙ぐみながら言ったのでクラスがシーンっとなって。なんだかわかるような、わからないような気がしました。」

「国語の授業」に対するコメントは、すこぶるシビア。
もちろん、ご心配いりません、国語の授業にワクワクした学生も沢山いますから。

「私は本を読むのが好きなので、先生の語る文学の話が大好きでした。内容はよく覚えてないけど先生が嬉しそうに好きな作品について語るのを聞くのが好きでした。」
「先生が自分の体験と絡めながら本文を解釈してくれたので、難しい評論文がよくわかった。具体的な例を示してもらえることで、抽象的な文章が少し理解できるような気がした。」
「先生が、ここは試験にでる、受験にでる、と毎時間本気で受験対策授業をやってくれたので国語の模試の成績が上がり嬉しかった」

ポジティブな「国語の授業」は、先生の話術による素敵な一人舞台的授業、もしくは、ザ・予備校型授業、どちらも、生徒達はギャラリー的なポジションにいたことは明らかです。

そこで私は考えました、
「学生の興味にスイッチが入り、仲間と一緒に協力し、よりよいアイディアが生まれ、
新たなものをつくりだすため本気度がアップする、そんな<国語の冒険>を目指そうと」
私の国語科教育法はこんな言葉で始まります。
「このレッスンのワークを通して世界の見方が変わることを目指します。あなたの経験・直感を全て取り込み<感じ・考え・動く>こと。皆が自由に発言し真剣に耳を傾けること。クリエイティビティを高めるためには、【一つの正解を求めない】【いろんな意見を取り入れ新しいモノを生み出す】が大切です。それがみんなでこれから旅立つ、国語教育法の冒険です」と。

 

思い出のおかし~サロン・ド・テで記憶にダイブしよう~

 

ということで、今日の授業テーマは「思い出のおかし~記憶に深くダイブせよ」です。
具体的ワークは「絵手紙の作成」。
今、国語の授業でプッシュされている「表現する力」を育てるため、先生方は、ミニ評論・エッセーをかかせることに必死です。テンプレを作ったり、ワークシートを作ったり、でも、どうしても書くことアレルギーの生徒が多くて困っているとの相談を受けます。そのときに、ぜひ、おすすめなのが、「思い出ダイブ作戦」

今日の授業のスタートは、かつて勤務していた農業高校の生徒たちの「緩和ケア病棟」をめぐるエピソードから。日赤緩和ケア病棟から絵手紙の講師として、農業高校の司書の先生が招かれたことを契機に、私と生徒は患者さんに出会い、そして、気づいたのです。みなさんの絵手紙に描かれる「おやつ」が語る物語の深さを。おやつを食べた時の、風のそよぎ、空気の匂い、聞こえてきた音、おかあさんの笑顔、うれしそうに語られる「おやつ」の思い出、そして、「おやつ」の絵手紙は、語り手そのものを表現するものだったのです。

私は学生たちに語ります
「自分の経験の中に深くダイブするとき、人は、はっとする思いに出会うことができます、そのはっとした心をキャッチするものをさがしてみましょう。ということで、今日のテーマは思い出のおやつ、さあ、記憶の海にダイブです。あなたがそのとき、何に出会い・何を経験し・何を感じてきたか、あなたしかわからない、あなただけの記憶にダイブして、じっくり目を耳をこらしてください。そのときの、ふわっとした気持ちを突き詰める、そんな気持ちで、心に、頭に浮かんだ、思い出のおやつ、そのふわっとしたイメージを絵手紙に描いてみましょう。目に見える形でかいたあとは、隣の人と<サロン・ド・テでおやつトーク>を行いましょう。トークの中で、思いが何かと化学反応を起こし、ステキな発見があるかもです」




<国語科教育法>のレッスンの中で、私は、ダイアローグ<対話>を大切にしています。
対話を通し、メンバー同士のワクワクが、新しい気づき、新たな認識につながるからです。
今日の授業で「おやつをめぐる」対話を通し、
気づいたこと、感じたこと、学生たちのコメントをいくつか紹介しましょう。

「話を聴いてもらい、いろいろなことを質問してもらうことで、忘れていた小さなことも、どんどんクリアーになっていきました。あのとき、妹と一緒に話した言葉まで、思い出しました」

「おやつ・・・とはじめは、ぼんやりしていたのですが、クッキーのことを思い出した時、どんな味だった?とか、どんな形だったときいてもらうことで、作っていた時の光景まで、くっきりと思い出しました。はかりにのせて、砂糖やバターの分量をはかることが、とっても大きな仕事をしているようで得意にならずにいられなかった、幼稚園のころの私の思いが、今ここで、はっきり思い出せたような気がしました」

「映像が具体的に浮かぶことで、言葉がうまれること、そして、友人の一つの絵から、新たな物語が生まれる瞬間を共有できたことがうれしかった」

 

「経験を言葉に変えるマッスルトレーニング」
思い出にダイブすることで言葉のインナーマッスルを鍛えよう、
そんなレッスンでした。それでは。

(AO)

テンプル大学との交流プログラム「日本文学Ⅱ(古典C1)」 [2019年10月24日(木)]

〈日文便り〉

10/17(木)テンプル大学との交流プログラムの一つとして、
丹下暖子先生の「日本文学Ⅱ(古典C1)」の授業に
テンプル大学の学生を招いて貴重図書の見学を行いました。
授業に参加した学生の声をお届けします。

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今回は、特別にテンプル大学の2名の方と交流しながら徒然草の授業を行いました。
テンプル大学の方と授業で交流することは初めての機会だったので、
私たち学生にとって貴重な機会となりました。

最初に徒然草の作品について説明し、その後、実際に徒然草の写本、注釈書を見ました。
昭和女子大学の図書館には、貴重な資料が多くあります。
その中でも徒然草の実際に写しとして書かれた写本、そして、注釈書がいくつか所蔵されており、
それらの資料をテンプル大学の学生と拝見しました。





テンプル大学の学生は、興味津津で資料を見て、
「数百年前もの資料が見れるなんて、本当にすごい」
と言っていた言葉が印象に残りました。
鎌倉時代にできた徒然草ですが、
アメリカはまだ生まれてなかったということを考えると
感慨深いことだと実感することが出来ました。

また、機会があったら、授業で交流したいと思います。

(日文3年 神山朋花)

TUJ(テンプル大学日本校)での生活 [2019年10月23日(水)]

〈日文便り〉

日本語日本文学科に中国から留学しているOさんは、
日本語のみならず英語の習得も目指して、TUJ(テンプル大学日本校)に留学しています。
Oさんが、TUJでの生活を綴ってくれたので紹介します。

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英語力の上達を目指して、TUJの認定留学に参加しました。
昭和のすぐ隣とはいえ、まったく違う世界にいるような気分でした。
メインは、英語を勉強するのではなく、英語を使って勉強することです。
特に自分が今参加しているブリッジプログラムは、英語非母語話者を対象として、
学部で本格的に勉学できるように鍛えるカリキュラムです。

どのような授業があるかというと、
単純に文章を読んで書いたり英語を聞いて話したりする授業はもちろんありますが、
ほかに、グローバル化や自動化の職業に対する影響を検討するビジネスの授業、
そしてアメリカにおける種族主義や移民問題を考査する人文学の授業もあります。

授業の進め方は日文とはまったく違いますが、
図書館やデータベースの使い方、研究方法を勉強する演習もあります。
テンプルのデータベースは、日本のどの大学よりも内容が充実しているらしいです。
(ちなみに昭和の学生はTUJの図書館に自由に出入りできるので、ぜひ利用してみてください。
日本語教育に関する書物も置いてあります。)

授業や試験では、学生のクリティカルシンキングは英語力や学習力と同じぐらい重視されます。
授業中は先生やほかの生徒に反論することが歓迎されます。
自分の立場を強く持ち、人の意見を批判的に見る力はたくさん試されます。

また、日本人の学生は多めですが、中国、韓国、東南アジアなどの学生もいるので、
公平のために授業で日本語を話すことは禁止されています。
授業を受けてみると、昭和との違いをたくさん感じました。
(おそらく出席に厳しい以外は共通点がありません。)
その違いを三つにまとめてみました。

まず一つ目はパソコンを多用することです。
日文ではレポートを作成するとき以外はほぼパソコンを使いませんが、テンプルだと毎日ノートパソコンを持ち運ばなければなりません。課題はプリントアウトせずにすべてインターネットを通じて提出し、テストも時としてインターネットで行います。そして提出した課題やテストの成績は採点が終わり次第反映され、自分の最終成績をある程度予測でき、これからどれくらい頑張ればいいかを見当つけることができます。しかも、課題の締め切りなどははっきり表示されていますので、多くても忘れることなく完成できてとても便利です。

二つ目は、教授が喋らない授業があることです。
例えば、人文学の授業を受ける前に、先生が学術雑誌からいくつかの文章を指定し、学生はデータベースからアクセスして読みます。授業中は先生が一方的に話す時間はほぼなく、大体はグループの中で読んだ文章の内容についてディスカッションをし、最後にプレゼンテーションを行います。先生はこの間に進捗状況を見てサポートします。知識のほかに、本に書かれたものから、いかに自分の考えを作るかを学びました。

三つ目は、復習の仕方です。
昭和の試験は今まですべてひとりで復習してきましたが、テンプルのテストはみんなで力を合わせる必要があります。テスト前日は学習室に集まって、話し合いながらグーグルドライブに情報を共有してノートを見やすいように表の形に整理し、最後にそれぞれ自分の得意の部分をみんながよく理解できるように発表します。テスト復習はTUJの学校生活で一番楽しかったです。TUJでは、日文で学んだ語学知識や日本語教育の方法を活かす機会もありました。

そしてTUJにいることは、英語を学ぶだけでなく、言語や多文化共生について考える絶好のチャンスでもあります。
日文に戻ったら、この経験をきちんと活用しようと思います。(MN)

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)との交流プログラムに参加しました [2019年10月18日(金)]

〈学生の声〉

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)の構内マップをTUJの学生が作成し発表するという授業に参加しました。授業では、TUJ生の意識が高く、刺激を受ける場面がたくさんありました。疑問点があるとその場ですぐに質問をする学生や質問を投げかけると答えてくれる学生、間違えを恐れず堂々と発表する学生の活発的な姿を目の当たりにしたからです。その姿を見て、TUJ生は生き生きとしていて、授業を心の底から楽しく受けていることが伝わってきました。

発表を見ていて、学生は漢字とカタカナの表記と読み、助詞と助動詞の使い方に特に困っていました。これらは、日本語ならではの特徴であるため、やはり日本語は難しい言語であることを認識しました。

そして、構内の紹介を聞いていて、祈祷室があることや水曜日にプールを利用できることなどを聞き、設備が整っていることを知りました。構内について何も知らなかったのですが、図や写真を使って分かりやすく発表していただいたので、構内を深く理解することができました。

TUJには様々な国籍の学生がいて、多言語が飛び交う環境があるため、文化や言語を学ぶ絶好の場所であると感じました。こんなにも身近な場で外国の方と関わることができるため、これからも積極的にTUJの授業に参加していこうと思います。そして、予想以上にTUJ生の日本語を話す能力が高く感銘を受けました。そのため、この授業をきっかけに私も他言語の勉強を再開しようと思います。

 

 

オープンキャンパスのお知らせ [2019年10月18日(金)]

〈受験生のみなさんへ〉

みなさん、こんにちは!
日文キャラクターさくらです。

今月も、オープンキャンパスを開催いたします。

日 時:10月26日(土) 13:30~16:30

■学科の企画「学生による学科紹介」
時間 13:40~13:55
場所 1号館5階 5S33教室

■公開講座「会話の構造を科学する。-ストーリーテリングの世界-」
講師 中井陽子(東京外国語大学大学院国際日本語学研究院准教授)
大場美和子(昭和女子大学日本語日本文学科准教授)
時間 14:00~15:30
場所 1号館5階 5S33教室
詳細は、こちらのリンクへ! → 

それでは、みなさんとお会いできることを楽しみにしています!

(sakura)

台北に1週間の「プチ留学」 [2019年10月15日(火)]

〈日文便り〉

今回は夏休み中に試みた中国語学習についてお話します。
中国語はずいぶん前から少しずつ学んでいるのですが、
実践の機会が少なくて上達しないので、思い切って台北に1週間だけの「プチ留学」をしました。

淡江大学が開講している夏期プログラムに参加したのですが、
午前中は中国語の授業、午後は文化プログラムという構成でした。

〈写真1〉 中国語教室

写真1は中国語の授業風景ですが、
「学校から書店までどうやって行きますか」
のような道案内の会話を学んだ時のホワイトボードです。
私は日本語教育が専門ですから、
同じような内容の日本語の初級授業を以前はずいぶんやったことがあり、
自分が以前は教師としてやったことを今度は学習者の席で学ぶという興味深い体験でした。

午後の文化プログラムでは、さまざまな中華文化を自分の目で、手で体験するというものでした。
たとえば中華風組紐で作る吉祥結び(写真2)、

(写真2)組紐

「蝶豆花」という花の煮汁を使った染色(写真3)、

(写真3)染色

折紙(写真4)など、伝統工芸を体験しながら背景にある中華文化を学んだり、

(写真4)折紙

龍山寺(写真5)の見学で外に出かけることもありました。

(写真5)龍山寺

日本文化の多くは中国から伝わっていることもあり、
組紐、染色、折紙にしてもお寺見学にしても、
日本にも類似のものがあって珍しいものではないのですが、
先生が中国語でしてくださる説明を理解するには、既有知識による推測が大いに役に立ちました。

中国語の授業や文化プログラムでのクラスメイトは、
日本人のほかにベトナム人、インドネシア人、タイ人などですが、
こんな機会でもなければ出会わなかったような方たちとの出会いがあったのも楽しかったです。
私は言語教育が専門なので、以前から思っていることですが、
外国語を学ぶのに、その言語のネイティブ・スピーカーと会話するのはもちろん有益ですが、
学習者同士でその言語を使って会話するのもとてもいい練習になります。
初級者にとっては、(プロの言語教師ではなく)一般のネイティブ・スピーカーとの会話はハードルが高く、うまく話せない徒労感を感じてしまいますが、
相手が自分と同様のノン・ネイティブ・スピーカーであれば、
話す速度もゆっくりだし、会話の内容も単純なので、緊張せずに会話に加わることができます。

実は、私が中国語を学んでいるのは、中国語ができるようになりたいという理由だけではなく、
外国語を学ぶとはどういうことなのか、人はどのように言語ができるようになっていくのか、
私自身の研究者としてのテーマを自ら経験したり、観察したりしてみたいという理由も大きいのです。
そういう意味では、今回の「プチ留学」は、実り多い1週間でした。

(YO)

文学散歩に行きました! [2019年10月14日(月)]

〈日文便り〉

去る秋分の日、本学名誉教授の茅場先生が企画された「文学散歩」があり、
先生方と助手、卒業生が参加しました。

主なルートは次のとおり。
水天宮⇒谷崎潤一郎生誕の地⇒三越前⇒常盤橋・銭瓶橋跡・一石橋迷子しらせ石標・渋沢栄一像⇒日本橋⇒霊岸橋・鎧橋・湊橋⇒永代橋⇒深川不動⇒富岡八幡宮(その他にも盛りだくさん)
先生が作成してくださった地図をもとに、日本橋界隈の江戸・明治の跡を辿ります。

普段は東京に来ても、そびえたつ高層ビル群に圧倒されて、まさにコンクリートジャングル。
「都会だなあ」と思わずため息をついてしまいますが、文学散歩が終わった頃には
「東京って面白い!」に変わりました。
今回先生のお話を聞きながら歩いていると、至る所に江戸・明治の名残があるのです。

【説明をしてくださる茅場先生】

特に印象に残ったのは、一石橋迷子しらせ石標。
一石橋のたもとに立っているのですが、江戸時代には
この石の柱に迷子の情報を掲示していたそうです。

実はこのスポット、以前私は幾度となく前を通ったことがあります。
それでも気が付かずに、ずっと通り過ぎていました。
人混みや雑踏が苦手な私は、「東京」というだけでいかに自分の感覚をシャットダウンしていたのか
深く反省した次第です。

また、今回私のお気に入りだったのは、谷崎潤一郎生誕の地と、霊岸橋~永代橋の道のりです。
人形町には「春琴抄」「細雪」で有名な谷崎潤一郎の生家跡があり、記念碑が立っていました。
近代文学好きの私にはたまらない名所です。

この辺りは下町の風情が残っていて、情緒がありました。
大通りには立派なからくり時計がどっしり構えており、
運よくからくり人形が動くところを見ることもできました。

霊岸橋~永代橋の道のりは、喧騒から少し離れて人通りが少なくとても静か。
先生の説明をお聞きしていると、今は消えてしまった江戸の景色も、
なぜだか懐かしい気持ちで想像されます。
  

今回歩いた距離はなんと約10キロ。当日は風が強い日でしたが、
歩くと汗ばむ気温にはちょうど良かったのかもしれません。
今まで、東京はなんだか息苦しいと思っていましたが、
文学散歩中の青空の清々しさと、永代橋で隅田川を眺めながら
胸いっぱいに吸い込んだ心地よい空気が忘れられません。

この度は貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。
時代や思いが様々に交差したとても素敵な時間でした。

(MR)

はじめての味噌づくり [2019年10月08日(火)]

〈日文便り〉

友人の家でいただいた手づくり味噌のお味噌汁。

そのあまりの美味しさに感動し、
冬の終わりに生まれてはじめての味噌づくりに挑戦した。

といっても、手づくり味噌キットなるもので中に入っている材料を混ぜるだけなのだが
これがなかなかと大変な作業、、、。

大量の大豆を蒸しては潰し、蒸しては潰し、
そしてそこに大量の塩と麹をまんべんなく混ぜていくのである。

単純な作業ではあるが、普通の鍋では日が暮れてしまうため、
これまでさんざん我慢してきた圧力鍋と、今後、味噌作りでしか使わないような巨大ボウル
(しかも2つ!)を迷わず購入してしまったくらいだ。

ひたすら大豆を蒸し、潰していく作業は、右手が腱鞘炎になるほど大変なものだったが、
そのあとの混ぜて丸める作業は、子どもの頃に遊んだ泥団子作りのようでとても楽しかった。
そして、その味噌玉を味噌樽に勢いよく投げ入れていく作業は、よいストレス発散にもなった。

こうして味噌樽にきっちりと詰められた味噌玉たちは、
ここから約半年、今年の長い梅雨と暑い夏を家の片隅でじっと乗り越えていくことになる。

「夏を越すまで放ったらかしで大丈夫!」
との友人の言葉通り、(サイトによっては途中で天地返しをするとあったが)
一度も蓋を開けることもなくあっという間に9月になり、ついにその日を迎えた。

あまりにも放ったらかしだったので正直不安だったのだが
恐る恐る開けた蓋の中身は思っていたよりきれいで、見た目はちゃんと味噌だった。
約半年の間、部屋の片隅でゆっくりゆっくり発酵が進んでいたのかと思うと、
ただただ感心してしまう。

さて、肝心のお味は。
指先に少しとって舐めてみる。
こういうとき、自分で作ったものの味ってよく分からないものだ。
でもなんだかとても美味しい気がする。

次にシンプルなお味噌汁を作ってみた。
それはとても味わい深く、そして優しい味がした。

人間の肌には常在菌という菌が存在していて、手のひらに存在しているその菌のバランスが人によって異なるため、麹の菌と、手のひらの常在菌と、家の菌との調和が、その家庭にとってぴったりな味噌を育ててくれるのだそう。
そしてそれを身体に取り入れることによって、より免疫力を高め、強い身体を作ってくれるのだ。

そう思うと、これが我が家の味で、自分たちを守ってくれるのかとうれしくなり、
大げさでなく家族のようにとても愛おしく思えてきた。

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こうしてはじめての味噌づくりは無事(?)成功し、毎日、ほっとする我が家の味を楽しんでいる。
そして、すでに次はああしたい、こうしたいという気持ちも湧いてきている。
友人と味くらべもしてみたいし、みんなで集まってコネコネするのも楽しそう!

そんなことを考えつつ、これから寒くなる季節にむけて、我が家の菌にも助けてもらいながら、
食事とともに風邪に負けない健康な身体づくりをしていきたいと思っている。

心にも身体にも優しい味噌づくり、おすすめです。

(IR)