授業紹介 江戸時代の和書をAIで読んでみる

<授業風景>
こんにちは。古典文学担当の山本です。
今日は、江戸時代の和書を用いて行った授業(演習Ⅰ・Ⅱ)について、紹介します。
授業では、室町時代以降の古典文学の作品を取り上げ、その解釈と研究方法を学びます。
演習Ⅰは2年次生が対象、演習Ⅱはゼミが確定した3年次生が対象です。

今回の授業では、実際に江戸時代の和書に触れること、またくずし字の資料を読むためのAIアプリを試すことを行いました。
古典文学の作品で活字化され、更に注釈が付けられているものは、限られています。まだ活字化されていない資料を使うことができれば、より多角的にその作品を探究することができます。
こうした資料を手軽に読むことができるツールとして開発されたのが、AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」です。このアプリは、ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターから2021年8月に公開されました。
スマホ・タブレットアプリ「みを」は、約100万文字の「くずし字データセット」を学習した、最新のAIくずし字認識技術を用いたアプリ」で、「昔のくずし字資料をいつでもどこでも読んで学べるよう、カメラで資料を撮影しボタンを押せば、AIが数秒でくずし字を現代日本語の文字に変換します。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000110644.html
このアプリの使いやすさとその精確さについて検証しました。


参加した学生たちは、興味津々で資料に向き合っていました。参加学生の感想を紹介します。

・和本の軽さに驚きました。本の綴じ方も現代とは異なり、実際に触ってみて新鮮な気持ちになりました。印刷されたものでも現代の印刷の方法とは違うため、文字に親しみやすく温かい印象を持ちました。

・以前書誌学の授業を受講したことがあり、和紙・和本の装丁の種類や歴史は一通り知っていましたが、現物に触れるのは今回が初めてでした。知識として分かっていても、和本の軽さや和紙の薄さといった現代の本とは異なる手触りを実物を目の前にして初めて知り、現物に触れることで目を養う貴重な機会を得られたと思います。

・和本というと、脆くて取り扱いが難しいイメージがあったが、意外にも綺麗でしっかりしているのが印象的だった。様々な本の種類に直接触れることで、現代の本の形に至るまでの変遷をより身近に感じることができた。

・「みを」は、全部が全部間違っているわけではなくて一部分だけ間違っているのでそこが逆に厄介だなと思いました。やはりまだまだ手動で精密にみていくべきなのだなと感じた。

・前回の課題で「みを」使って解いていたが、実際答え合わせしたら、1文字、2文字違うところがあったが、おおよそあっていたのでその精度の高さに驚いた。

・このようなAIを使うことで人々と古文の距離がより近くなるのではないか。

初めて和書を手にすることで、より身近に原典を感じることができ、またAIのできること、苦手とすることを学んだようです。
これからの時代、AIとどのようにつきあっていくのか、様々な場面で求められる課題だと思います。今回の授業がその課題を考えるきっかけになってくれれば嬉しいです。

(山本晶子)