学科の学生が授業を紹介します!「TUJ合同授業コミュニティーアート」

〇授業内容と成果発表

歴史文化学科3年の木本と田中です。

歴史文化学科が開講している授業「コミュニティーアート」を紹介します。コミュニティーアートは、昭和女子大学にキャンパスが隣接するテンプル大学ジャパンキャンパス(以下TUJ)の学生と昭和女子大学全学部の学生が一緒に学べる授業です。様々な授業内容を通して、「アートとは何か?」「アートでどのように問題が解決できるだろうか?」といったテーマについて考える授業となっています。アートに興味はあるけれど英語には苦手意識があるという学生も多かったのですが、授業では先生が英語と日本語どちらも使って話してくれるので、英語が苦手な人でも安心して授業を受けることができました。

授業の進め方は、ドキュメンタリー映像やイギリスの小学生向けの教科書などの多種多様な教材を確認した後に、学生ペアで先生からの問いに対する回答を話し合い、その回答を絵や言葉にして書いたものを写真のように壁に貼って、みんなで考えるといった流れになります。ペアで話し合う際には、英語で話したい学生はTUJの学生とペアを組み、頑張って英語でコミュニケーションをとっていました。英語を交えたコミュニケーションを取る中で難しさを感じる部分はありましたが、TUJの学生が日本語を交えてくれたり、簡単な表現に言い直してくれたり、お互いに絵を描いてコミュニケーションを取ってみたりして、試行錯誤を繰り返しながら意見をまとめていく過程はとても貴重な体験であり、楽しい思い出になりました。

〇ゲスト講師

続いては、ゲスト講師によるアクティブラーニングを紹介します。

1つ目は「三茶de大道芸」です。大学のある三軒茶屋では、秋恒例のフェスティバル「三茶de大道芸」が開催されており、街と劇場が連携することで三軒茶屋がちょっと風変わりな「アートタウン」になります。パフォーマー、地域の人々、ボランティアスタッフ、来場者までもが一体となって楽しめるフェスティバルです。授業のゲスト講師として、「三茶de大道芸」のディレクターの橋本隆雄さんが「三茶de大道芸」から見たコミュニティーアートについての講義をしてくださりました。そして、当日は、それぞれで「三茶de大道芸」を楽しみました。中には、ボランティアスタッフとして参加した生徒もいました。

 

2つ目は、世田谷美術館です。世田谷美術館は、私たちの大学、昭和女子大学・TUJがある世田谷区にある美術館です。授業の中で、世田谷美術館キュレーターの東谷千恵子さんがゲスト講師として講義をしてくださりました。世田谷美術館の歴史を知ると共に、世田谷美術館が取り組んでいる「コミュニティーアート」について学びました。世田谷美術館は3つの分館を持っています。講義後、生徒たちは、それぞれの気になった分館を訪れました。

 

3つ目はチョークアートについてです。「三茶de大道芸」に参加していらっしゃったストリートペインター(チョークアーティスト)の松本かなこ先生をゲスト講師に迎え、一緒に1枚のチョークアートを描き上げました。松本先生は、イタリアにてマドンナーラ(チョークアーティスト)として地面に絵を描き始め、日本を始め、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど世界中で活躍されている方です。松本先生にアドバイスを頂きながら、学生全員で選んだファン・ゴッホの《星月夜》(ニューヨーク近代美術館)をチョークで描きました。ファン・ゴッホの《星月夜》を拡大分割し、それぞれのパーツをべニア板に描き、一枚の絵になるように制作していったため、べニア板を並べた際、継ぎ目と継ぎ目の絵を合わせるのに苦労しました。そして、松本先生ご指導のもと、なんとかチョークアートが完成しました。

〇成果発表会

授業最終日には、A・B・Cの3グループに分かれて自分たちが考えるコミュニティーアートについて成果発表をしました。Aグループはペットボトルのキャップを使った子どもたちに向けるプログラムを、Bグループは「ZINE」という名前の雑誌でTUJの学生と昭和女子大学の学生の交流を促す取り組みを、Cグループは渋谷駅の混雑とそれに伴う事故を防ぐためのポスターとサイトを作る案を考案しました。

TUJの学生と昭和女子大学の学生の混合グループだったため、内容を決める際の話し合いや役割分担、スライド・原稿の作成におけるコミュニケーションで言語の違いに苦戦しているグループもありました。また、期末試験や学寮研修など大学行事が重なり、忙しく時間があまりない中での準備となりました。しかし、そのような状況でも何とか全グループが発表を無事に終えることができ、半年間の集大成としての発表会になったと思います。