社会福祉士の仕事というと、人相手(対人援助)の仕事のイメージがあります。
しかし、社会福祉士の国家試験の科目には、「福祉サービスの組織と経営」という科目があることからもわかりますように、社会福祉士になるには、利用者の支援とともに、そのサービスが提供される組織のあり方や、そのサービスがよりよく提供されるための経営について学びます。
今回は、その「福祉サービスの組織と経営」の授業で、独立行政法人福祉医療機構の経営サポートセンター・チーフリサーチアドバザーの本地央明氏を外部講師としてお招きして、特に社会福祉法人を取り巻く環境と事業計画と経営戦略を学びました。
社会福祉法人については、授業で法的な内容について学んでいるはずですが、学生たちのリアクションペーパーの内容を見てみますと、今回の授業を通して色々な新鮮な学びがあったようです。
例えば、「業界の競争構造分析(ファイブフォース分析)」の視点から社会福祉法人を見てみると、「福祉業界は価格競争がないので良い業界であることがわかった」とか、「社会福祉法人は非課税であることから、儲けることより、理念が大切であることがわかった」とか経営の実際に基づく感想がみられたほか、「就職先を選ぶときは、決算書を確認した方がよい」とか「自分は経営者になるつもりはなかったので、経営はあまり興味がなかったけれど経営にしっかり関心をもたないと就職で成功しないとわかった」というように就職と引き付けた学びがあったこともわかりました。
さらに、「よいことをしているのに、世間に良いイメージがないのは、PR(宣伝)が下手だということに納得しました」とか「もっとアピールをしてほしい」「福祉業界を知るチャンスが少ないので…目を向けたいと思いました」のように、福祉業界のPR(イメージアップ)の必要性について関心をもった学生も多くいました。
それと今回は独立行政法人の福祉医療機構自体に関心を持った学生も多くいたようです。
特に、現場に入ったり、利用者にかかわったりするのではなく、経営面から側面的に福祉の現場をサポートする仕事ということが新鮮だったようです。
外部講師の本地氏からは、インターンシップも受け入れているというお話もあったため、早速インターンシップも考えたいというコメントも見られました。社会福祉士の資格を持って、経営サポートをするという道も今後広がるかもしれません。最後に、本地氏のパワーポイント原稿から独立行政法人福祉医療機構のご紹介を以下にさせて頂きます。
なお、本地氏からは、授業で使用したパワーポイント原稿を本ブログで使用することの御承認を得ました。ここに感謝申し上げます。
(北本佳子)