ファンドレイジングを知っていますか?

5月29日(金)の「福祉サービスの組織と経営」の授業の外部講師として、日本地域福祉ファンドレジングネットワークCOMMNET 理事長の久津摩和弘氏をお招きしました。
久津摩氏は、日本の福祉業界でのファンドレイジングの先駆者です!

今日、解決すべき社会的課題がますます増えてきています。その課題解決にあたっては、本来、お金(資金)の問題を考える必要があるはずですが、福祉の分野では、公的な財源(助成金・補助金)を受けてサービス提供をしてきた経緯があることから、これまで資金調達について、正面から取り上げられることがあまりありませんでした。また、福祉だからお金もうけをしてはいけないとタブー視されてきたことも影響していると言えます。

しかし、公的な財源が減少しつつある一方、公的な財源では解決できない様々な問題が顕在化していきています。そうした状況の中で、社会的な課題を解決するために資金を調達する方法がファンドレイジングです。

一般に「寄付活動」の総称ととらえられていますが、久津摩氏によれば、仲間集めという言い方もできるということです。つまり、社会的課題の解決に向けて、共感をしてもらう仲間を集めることになるということです。

授業では、ファンドレイジングによって世界的な支援活動を行っている国境なき医師団をはじめ、久津摩氏がかかわられている多様な事例や具体的で身近な実践方法も紹介されました。

 
学生たちは、久津摩氏の「社会課題を解決することは楽しくておしゃれでかっこういい」という言葉や、「お金がないで終わらせない」という言葉にふれ、これからの福祉のあり方に夢を感じたようです。ちなみに、ファンドレイジングは、来年度から導入される社会福祉士の国家資格の新カリキュラムの中で、教授すべき教育内容に含まれました。本学科の学生は、一歩先にその学びを得るとともに、新しい福祉の可能性を感じたのではないでしょうか。

皆さんも募金以外にもクラウドファンディングなど、色々と進化してきているファンドレイジングをのぞいてみませんか。

(北本佳子)