外部講師「女性に対する支援と福祉施策」

福祉社会学科開講の「女性に対する支援と福祉施策」で、普段は接点の少ない、けれど身近な問題に寄り添う婦人相談員の方をゲストにお招きしました。60年以上前に施行された売春防止法から、DVや望まない妊娠などの婦人保護事業を強化するために「困難な問題を抱える女性支援法」が制定されるニュースのあとで絶妙なタイミングでした。

子どもや母子の福祉法はあるのに、女性に対する支援をする婦人相談員の根拠法は福祉ではなく売春防止法であること、婦人相談員は公務員であることを初めて知った方もいたようです。相談者は「待ったなしの命を争う状態が常」で支援者の瞬時の判断が必要な現場は、授業で学んでいる段階をふんで信頼関係を構築していく時間はありません。

婦人保護施設やシェルターは女性の安全の確保が最優先のため、住所は非公開、携帯電話の保持や外出も制限があります。安全と自由は表裏一体ですが、安全な場所を必要としている女性に、シェルターの存在を知られにくいことへの危惧が感想にありました。安心できる場所にたどり着いて初めて病気になれた女性の話が印象に残った、治療は加害者こそ必要なのに、被害者が逃げ惑わなければならない現状に胸が痛むという声もありました。

講義では、恋人から暴力を受けた22歳女性、親の暴力で避難した20歳女性、コロナ禍で失職、生活困窮のためキャバクラで働き妊娠した24歳女性の3事例が取り上げられました。

今回の講義で受け取ったことや当事者、友人、支援者の3つの立場から各自で考え、レポートにまとめた経験は、今後出会うどなたかの助けになるかもしれません。 (川﨑愛)